なんとなく毎回使っている漂白剤、本当に必要なの?洗濯のプロに聞く
みなさん、漂白剤はどのように使っていますか?
普段の洗濯での漂白剤使用について、「たまひよ」アプリユーザーと洗濯王子として正しい洗濯方法をさまざまなメディアで伝えている中村祐一さんに聞いてみました。
使わない人から、毎日使いの人まで千差万別
最初にみんなの声からご紹介します。
「使わない。肌に悪そう…」(はる)
「洗剤のみで、漂白剤も柔軟剤も使いません」(るー)
「汚れが目立ってしまったものにだけ使っています」(もも)
「汚れの気になるものを先につけ置きして使っています」(Mn)
「毎回、定量入れてる」(ちゅうみ)
「ワイドハイターEXは毎回!」(いおなっちゃん)
「夫のタオルと靴下が臭ったら直につけて洗濯する」(なかむー)
「毎回入れている。少し違う気がする。タオルの濡れた時の匂いとか」(giz)
「洗濯槽のカビよけに毎回入れる」(ぼたん)
「新生児の洗濯物以外は使用しています。最近のは漂白だけでなく抗菌や除菌できるのがあるので毎回使用してます」(カナトモ)
「基本的に使わない。洗濯前にオキシ漬けすることはある」(おもち)
「オキシクリーンを毎回入れて洗濯しています」(ぷぁ~)
「オキシクリーンを使ってます。タオルや下着が臭う時はもちろん、赤ちゃんのうんちがついた時などもつけ置きし、その後洗濯機で洗ってます。ふわふわになりますし、臭いや汚れもなくなります」(卵かけご飯)
「毎日の洗濯に漂白剤は必要なし」と専門家
そもそも普段の洗濯に漂白剤は必要なのでしょうか。洗濯のプロの中村祐一さんに、漂白剤の正しい使い方と毎日の必要性について聞きました。
「漂白剤の基本的な使い方は、洗剤では落ちない色素の汚れに対して使うものです。
そのため、漂白剤を毎回の洗濯に使う必要はありません。
また、漂白剤でつけ込んでから洗濯するというのは、本来の使い方と逆です。洗剤で汚れをきちんと落とす前にいきなり漂白剤を使うのは無駄も多くなりますし、また変色や色落ちなどのトラブルも起こしやすくなる使い方です。
そのため、まずは『洗剤で落とせる汚れをしっかり落とす』→『それでも残った色素に漂白剤を使う』という使い方が基本となります。
こうすることで、変色などのリスクも減らせますし、無駄に漂白をしないですみます。また、色素に対する漂白自体の効果も出やすくなります。
ネットなどで酸素系の漂白剤につけこんで、『こんなに汚れが出ました!』という動画や写真を見かけることも多いですが、僕らプロからすると『うーーーん…』という反応になります。
『汚れが落ちる!』とネットなどで書かれているのは、実は、いつもの洗濯で落ちていない衣類の汚れが落ちているのですが、それは漂白剤そのものの効果ではないのです。
漂白剤を使う時に、『40℃~60℃くらいのお湯で漬け込みをして』とよく言われていると思います。これまで冷たい水や短い時間で洗っていて落ちていなかった汚れや服の色が、お湯を使ったり、漬け込みで水に長く濡れたりしていることで加水分解を起こし、溶け出して落ち出てきている状況なのです。
きちんと洗濯を徹底して、それでも残った色素に漂白をする。そうすると、漂白後の水は濁りません。漂白後につけ込んでいた水が濁っていれば、それはきちんと洗濯できていなかった証拠の一つになるので、洗濯を見直してみたほうがいいのです。
漂白は、元の色を壊してしまうリスクのある作業なので、気軽に使うものではありません。かと言って過剰にむやみやたらに怖がるものでもありません。漂白ができる服なのか?まずは服をきちんと確認することと、漂白がどんな原理で、どういう時に使うものなのかを知ると、余計な手間やコストは減りますし、失敗せずに汚れをキレイに落とす効果的な使い方ができるようになります!」(中村祐一さん)
私も汗染みなどに漂白剤はよく使っていましたが、普段の洗濯方法が一番大事ということなのですね。
(取材・文/メディア・ビュー 橋本真理子)
中村祐一さん
PROFILE)
長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。「洗濯から、セカイを変える」という信念のもと、2006年から洗濯アドバイザーとなり、現在は「洗濯家」。「衣・食・住」における「衣文化」の革新に取り組む。「洗濯王子」の愛称で、テレビ・雑誌など各種メディアにも多数出演。オンラインで、プロから洗濯を学べる講座「ゼロから学ぶ洗濯」も運営。
※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。
※記事の内容は2023年11月の情報であり、現在と異なる場合があります。