ビル・ゲイツも受けた「モンテッソーリ教育」0-1歳から自宅でできることは?
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将棋の藤井五段やビル・ゲイツなど、今を時めく著名人が受けていたという「モンテッソーリ教育」とはどんな教育法なのか、自宅でママやパパが1歳までの赤ちゃんにしてあげられることを、横浜・モンテッソーリ幼稚園理事長、高根澄子先生に聞きました。
“自分で育つ力”を引き出し、自立した子どもを育てる
史上最年少プロ棋士として、その名をとどろかせている藤井聡太五段。その圧倒的な集中力は、幼児期に受けた「モンテッソーリ教育」によってはぐくまれたともいわれます。英国王室のジョージ王子が通っていたのも、モンテッソーリ教育を掲げる保育園なのだとか。今注目を集める「モンテッソーリ教育」とは一体どんなものなのでしょうか?
日本国内でモンテッソーリ教育を広めてきた、横浜・モンテッソーリ幼稚園理事長の高根澄子先生に話を伺いました。
「モンテッソーリ教育は、五感に働きかける独自の教材を用い、子どもが本来持っている“自分で育つ力”を引き出すことで、自立した子どもを育てることを目的としています。
子どもは親が手取り足取り教えなくても、自ら学び成長する力を持っています。子どもが納得するまでやることで、自己肯定感が高くなります。将来さまざまなことに挑戦する勇気が、0〜3歳の間に育つのです」
赤ちゃんが選んだものを与えて、親はそっと見守る
“教育”というと、先のことに思えてしまいますが、0・1歳からできることはあるのでしょうか?
「3歳までは、思いっきり自由にさせてあげることが大切です。たとえば、赤ちゃんがうつぶせの状態で、ぶら下がっているおもちゃを触りたがっているとしたら、10人中8人の親はおもちゃを取って、赤ちゃんに渡すでしょう。
けれど、親がすぐに取ってあげずに待つことで、赤ちゃんに“どうすればおもちゃを取れるのか?”と考える機会を与えることができるのです」
ほかにも、「鏡をじっとのぞき込んでいたら、話しかけずに静かに見守る」「はいはいやつかまり立ちをしたがる子には、なるべくそうできる環境を整えてあげる」のが、おすすめだそうです。
赤ちゃんが何かをしたがっていると、ついつい手を出したくなるもの。「ちょっと赤ちゃんをかまいすぎかな?」と感じたら、「モンテッソーリ教育」のエッセンスを取り入れて、見守ることを意識してみましょう。
モンテッソーリ教育とは?
モンテッソーリ教育は、イタリア人初の女性医師、マリア・モンテッソーリによって生み出された教育法です。マリアは、患者である知的障害者の子どもたちがパンくず集めに集中する姿を見て、子どもは手を使いたくてパンくず集めに夢中になっていることを発見。指先を動かす教具を開発して子どもたちに使わせ続けたところ、知能テストで健常児を上回る結果に。その後、健常児の教育にも応用し、モンテッソーリ教育を確立させました。
モンテッソーリ教育を受けた主な著名人たち
・ピーター・ドラッカー(経営学者)
・ジェフ・ベゾス(「アマゾン」創業者)
・ビル・ゲイツ(「マイクロソフト」創業者)
・バラク・オバマ(前アメリカ合衆国大統領)
・ジョージ・クルーニー(俳優)
・ジミー・ウェールズ(「ウィキペディア」創始者)
・セルゲイ・ブリン、ラリー・ペイジ(ともに「グーグル」創業者)
・ビヨンセ(歌手)
・マーク・ザッカーバーグ(「フェイスブック」創業者)
ママたちの間で話題になっていることから時事ネタまで、子育てに関するニュースを掘り下げる、『ひよこクラブ』人気連載「子育てトピックス」。読者に人気のテーマを、毎月ネットでも紹介します(取材・文/ひよこクラブ編集部、小林佳代)。
■監修/高根澄子先生
横浜・モンテッソーリ幼稚園理事長。日本におけるモンテッソーリ教育の第一人者。モンテッソーリ教育を導入した国内初の文部科学省認可の小学校を開設予定。
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