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子どものおしっこのタイミング問題、我慢するのは本当に体によくない?こまめにトイレに行きすぎるのもNG?【ママ泌尿器科医】

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アジアの女の子
●写真はイメージです
yongtick/gettyimages

男の子と女の子2人のママであり、泌尿器科医である岡田百合香先生の連載の第46回。今回は「おしっこの我慢」について考えます。体の中に必要のない老廃物を体の外に出す役割があるおしっこ。おしっこを出すことは大切なのですが、我慢している子どもにどのように声をかけたらいいのでしょうか。「お母さん・お父さんのためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#46です。

おしっこを我慢するのはよくないことなのか?

おまたを押さえてそわそわ足踏み。
どう見てもおしっこを我慢している様子ですが、本人は「ちがう!」「まだ行きたくない!」と言い張る・・・子育てあるあるな光景です。
そんなとき、トイレに行ってほしくてつい「おしっこを我慢すると体に悪いよ」と声をかけることはありませんか。
おしっこを我慢するのは本当に体によくないのか、子どもにどう伝えるのがいいのか考えてみましょう。

膀胱は伸びたり、縮んだりする風船のような臓器

腎臓で作られた尿は、尿管という細い管を通って膀胱(ぼうこう)にたまります。膀胱はおへその下あたりにある袋状の臓器です。
健康な成人の場合、大体150mLくらい尿が膀胱にたまってくると、「あっ、ちょっとトイレ行きたいかも」という感覚(初発尿意)が出現します。そこからさらにたまると尿意が強くなり、「そろそろトイレ行っておこうかな」という状態になります。このとき200~300mL程度まで無理なく尿を貯められていれば正常です。では、限界まで尿意を我慢したらどの程度までためることができるでしょうか。
恐らく500~700mLといったところでしょう。興味のある人は、ぜひ計量カップ(500mLがおすすめ)を使って計ってみてください。

その後トイレで「スッキリ!」と出た場合、膀胱の中に残っている尿は0mLとなるはずです(50mL以下であれば正常と考えます)。
大きくふくらんで最大500mL程度の尿をためられる一方で、ぺしゃんこに縮むこともできるのが膀胱です。膀胱は伸びたり縮んだりできる風船のような臓器だということがわかります。

こまめにトイレに行きすぎてもいけない!?

それでは、習慣的に尿意を無視していたらどうなるでしょうか。最初は200mLくらいで「そろそろ行こうかな」と感じていたのが、300mL、400mLにならないと尿意を感じなくなっていきます。すると膀胱の壁は徐々にのびていたんでしまうのです。長年尿意を無視し続けたり、病気によって尿意を感じくにくくなると2000mLくらい尿がたまってしまうケースもあります。
そう聞くと、「やっぱり尿意を我慢するのは体に悪い!」と思いますね。
確かに習慣的に長期間尿意を我慢することは膀胱にダメージを与えることにつながります。

では、こまめにトイレに行けば行くほどいいのでしょうか。実はそれも違います。
「トイレが近い(頻尿)」と病院を受診される方の中には、尿意を感じる前にこまめにトイレに行き過ぎているという場合が少なくありません。
とくに女性は幼少期から「トイレを我慢すると膀胱炎になる」と言われていたために、尿意を感じる前にトイレに行く癖がついている方が多いです(尿を我慢すると膀胱炎になるわけではありません)。
すると最初は200mLくらいで尿意を出していた膀胱が、だんだん150mL、100mLしかたまっていない状態で尿意を出すようになります。本来であれば200~300mL程度ためられるはずの膀胱が、100mL程度しかためられない膀胱に縮んでしまうのです。そのような方には、「尿意をあえて我慢する訓練」を治療としておすすめすることもあります。
つまり、尿意がないのにこまめにトイレに行きすぎるのもよくないということです。

大人も「キリのいいところまで仕事を片づけたい」、「自宅のトイレで排せつしたい」と、尿意を我慢することはあるでしょう。子どもの場合も何かに夢中になっている場合や時々であれば、「体に悪いよ」とおどかしてトイレに誘導する必要はありません。
習慣的にトイレに行きたがらない場合は、理由を聞いてみてください。
私自身、学校のトイレが怖くて極力行きたくなかったので、下校時はいつも尿意を我慢して家のトイレに駆け込んでいた記憶があります。

子どもにおしっこを促すときは、お願いベースで!?

「性」もそうですが、「排せつ」も体の面白いしくみとして伝えると子どもは興味を持ってくれることが多いと感じます。
『「ぼうこう」っていう袋がこの辺(おへその下)にあって、おしっこがたまると水風船みたいにふくらんで、出すとぺしゃんこになるんだよ、面白いよね。今〇〇くんの膀胱は「パンパンでくるしい~!」って言っているから、そろそろ出してあげたら?』
などと擬人化して伝えてみるのもいいかもしれません。

とはいっても、車や電車に乗った途端「もれそう!」と言い出すことも多々あるので、できれば親の都合でトイレに行ってほしい気持ちも大変よくわかります。
その際は「今トイレに行っておいてもらえると助かるな~」とあくまでもお願いベースでいきましょう。

文・監修/岡田百合香先生、構成/たまひよONLINE編集部

何かに集中していたり、遊びをやめたくなくて、体をモジモジさせながらおしっこを我慢している子どもの様子を思い浮かべた人もいるのではないでしょうか。おもらしの片づけを回避するためにも、子どもの体のためにも、適切な声かけができるといういですね。

●記事の内容は2024年5月の情報で、現在と異なる場合があります。

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