「子どもがご飯を食べてくれない…」イヤイヤ期、食事の困った!への対処法【管理栄養士】
イヤイヤ期の子どもは、食事をスムーズに進められなくなることがよくあります。「イヤイヤ期だからしょうがない」とあきらめるのではなく、食べない理由を理解し、適切な対処法を知ることがママやパパにとって重要です。この記事では、子どもが食事を嫌がる理由や対処法、さらにNG行動も解説します。
イヤイヤ期の子どもが食べるのを嫌がる理由
イヤイヤ期の子どもが食事を嫌がる理由は個人差があり、さまざまです。ここでは、よくある理由を2つみてみましょう。
好き嫌いがはっきりしている
イヤイヤ期は味覚や自我が発達する時期でもあり、子どもは好き嫌いがはっきりしてくるため、気に入らない食事を嫌がる場合があります。この時期から子どもは自分の好みに合わせて食べたいものを選ぶようになるのです。
また、「食事よりも遊びなどの好きなことを優先したい」と思い、食事の優先順位が低くなることもあります。食事をしていても、ほかのことが気になって食べ物で遊ぶ「遊び食べ」をしたり、食事中に歩き回ったりすることもあります。
こうした好みや興味は子どもの成長の一部であり、成長する過程で変化するものなので、心配し過ぎる必要はないでしょう
子どもにとって食べづらい形状である
子どもが食べるのを嫌がるもうひとつの理由は、食材の形や食感に対する違和感や不快感です。成長に伴って子どもの口の大きさや、噛んだり飲み込んだりする能力は変化するため、子どもの成長に合わせた形状の食材が必要です。噛みにくい、飲み込みにくいものはとくに嫌がる傾向があります。
子どもが嫌がって食べないときの対処法
子どもが食事を嫌がって食べないと、栄養不足による成長への影響が心配ですよね。子どもがすすんで食べるようなアイデアをご紹介します。
子どもが食べやすい形状のものにする
子どもにすすんで食事をしてもらうには、料理を食べやすい形状にすることが重要です。手づかみで食べやすいように棒状にしたり、フォークで刺しやすい硬さやスプーンですくいやすい大きさにしたりしましょう。
子どもの成長に合わせて食べやすい形状に工夫することで、食事のストレスを減らせます。イヤイヤ期には食材の形状や食感に敏感になるので、日頃の食事の様子をよく観察し、子どもにとって食べやすい形状や食感になるよう工夫してみてください。
調理や準備を手伝ってもらう
子どもに食事の準備や調理を手伝ってもらうことで、食事への興味を高めやすくします。レタスをちぎったり、プチトマトのヘタを取ったり、子どもの成長に合わせた簡単なお手伝いで大丈夫です。
その際に「ひと口で食べられる大きさにしようね」「食べやすいように食べられないところは取っておこうね」などと声をかけると、なぜこの作業をしているのか理由がわかり、食への関心を高めやすくなります。
食事の時間を決める
食事の時間を決め、生活のリズムを整えることも大切です。いつも同じような時間に食事をすることで、体内時計が安定し、食事の時間に空腹を感じやすくなります。また、食べないからといってだらだらと時間をかけるのではなく、時間を決めて食事を終えるのも重要です。食べきれなかった分はおやつで補えば栄養不足になる心配もありません。
大人も一緒に同じものを食べる
大人が同じものを食べていると、子どもも興味を持って食べやすくなります。同じ形状のものを用意したり、ひとつの皿から取り分けたりしてもいいでしょう。食べる際に「一緒に食べようね」「おいしいね」などと声をかけてみてください。家族みんなが同じ食事を楽しむことで、子どもの食事への意欲を高めましょう。
イヤイヤ期におすすめのメニュー
イヤイヤ期の子どもには、見た目で興味をひくメニューがおすすめです。プチトマトやにんじんの赤味、葉野菜の緑などを取り入れて彩りを工夫したり、型抜きを使ったりキャラクターを意識した盛り付けにしたりすると、目をひきやすくなります。また、食器やランチョンマットなどは子どものお気に入りや喜ぶものを用意するといいですね。
子どもが食べてくれないときのNGな対処法
子どもが食事を嫌がるときに、おどしたり罰を与えたりしながら無理に食べさせるのはNGです。どうしても食べてくれないときは、子どもの気持ちを尊重し、いったん切り上げるのも選択肢のひとつ。また、兄弟や友達との比較は子どもの自尊心を傷つけることがあるため、避けるようにしましょう。
イヤイヤ期の食事は頑張り過ぎない
イヤイヤ期の子どもは成長に合わせて食事環境を整え、楽しい食事の時間を提供することが大切です。ママとパパは「どうやったら食べてくれるかな」とゲーム感覚で食事の準備をしてみてください。成長とともに食べられる量も種類も増えていきます。食べないときも無理強いはせず、長い目で見守ってあげましょう。
PROFILE
あんしん漢方 管理栄養士
小原水月(おはらみづき)
管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれる食事法を発信中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010084