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一人っ子ときょうだいありはどっちがいいの? 2人目出産を迷った理由は?

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アジアの母と公園で赤ちゃん
itakayuki/gettyimages

今回のテーマは一人っ子についてです。子どもは授かりものなので、何人欲しいなどと思い通りにいかないものですが、それでも夫婦で「1人がいいかな」「2〜3人は欲しいな」などと話し合うことも多いと思います。
今回は、2人目出産を考えながらも一人っ子に決めたというママたちの声を、口コミサイト「ウィメンズパーク」から集めてみました。また、家庭教育協会「子育ち親育ち」代表の田宮由美さんに一人っ子ときょうだいの違いや良さについて、アドバイスをもらいました。

理由は様々。家庭ごとに理想はあるもの

――子どもは1人という家庭のママの意見を聞いてみましょう。

■ 出産後が辛くて。目の前のことでいっぱいに
「夫は2人目を希望していましたが、我が家は一人っ子になりました。
妊娠中はつわりもほとんどなく楽でしたが、産後が辛くて出産はしばらくいいやと思ったことと、出産後すぐに遠方へ転勤となり、目の前の赤ちゃんでいっぱいいっぱいになってしまったからです。それでも、我が子が小学生になるまでは揺れていました。そして、入学してからは吹っ切れて一人っ子を決意し、夫にも宣言しました。
その子も今は大学生です。話がそれましたが、私は一人っ子で良かったと思っています」

■ 自分に余裕や余力を残したいと思ったのが決め手
「余裕や余力を残したいことが決め手でした。
第1子は切迫流・早産の末に生まれた子どもだったので、2人目もそうなったら誰も面倒を見てくれる人がいないこと、夫が2年ほど単身赴任だったことなど、理由はいろいろとあります。
また、在宅で復帰した仕事がやっと軌道に乗ったことも大きかったです。
子どもが幼稚園に入ってからも、役員の負担が大きすぎるなど『もう無理無理無理〜』という状態です」

■ 育児が大変で、もう一度繰り返せない
「育児が大変で、もう一度繰り返せないと思い一人っ子を選びました。
親の選択で、子どもにきょうだいをつくらないのはエゴなのかと思いつつ、どんな家庭でも親の子どもへの向き合い方次第で幸せにも不幸にもなるのだろうと思い、頑張っています。
1人なら育児も余裕を持ってできるし、経済的なゆとりもできるので、全力で子どもと向き合って、制約なく自由の中で育てたいと思います」

■ 収入が決め手。ウチは収入も体力もなかった
「子ども2人を育て上げるだけの収入が保証されているのなら、迷わないと思います。
コロナ禍で減収してダブルワークをしている知人を知っていますが、子どもに教育費がかかりだした頃のダブルワークはきついでしょう。
私は妊娠中、つわりがひどく、最後は血を吐いて点滴入院しました。だからよけいに、収入面でも体力的にも、1人で良かったと思っています」

■ 経済的理由。夫の希望で一人っ子に
「私は2人目が欲しかったのですが、夫の希望で一人っ子です。経済的理由です。
今思うと、私の2人目が欲しかった理由は、『みんな産んでるから』だったなと。経済的にゆとりのある生活を希望するなら一人っ子かな。今は一人っ子育児を満喫しています」

■ 一人っ子育児を満喫している先輩の姿を見て
「『お金のかかり方も違うし、外に遊びに行く時も身軽だよ』という先輩ママの話しを聞いて、私も一人っ子の子育てをしたいと感じていました。
でも、子どもの人数に、正解も不正解もないですよね。1人でも複数人でも、それぞれに良さがあります。ただ、その選択に能動的に責任をとって全うするために、どうしたいかをよく考えて、最終的な判断をしたら良いと思います」

■ 上の子がある程度大きくなってから決めても?
「子どもが小さいうちは、出産の記憶もあるし、今が手一杯でしんどくて、2人目を考えられない人が多いのは不思議ではないと思います。2人目が欲しい場合、上のお子さんが幼稚園に入ってから考えるという方法もあると思います」

そもそも、きょうだいはいたほうがいいの?

出産前から一人っ子と最初から決めていた人、後から決めた人といろいろなケースがあるようです。どちらにせよ、できるだけ後悔のないように、家庭教育協会「子育ち親育ち」代表の田宮由美さんに、きょうだいのいる・いないによる違いや、2人目出産をどう考えたらいいのかなどについて聞きしました。

「きょうだいがいるか、一人っ子か、それぞれにメリット、デメリットがあるでしょう。

きょうだいがいると、子ども同士で遊び、その中で意見の相違があったり、また助け合ったりと、相手との折り合いのつけ方、譲り合い方などを学ぶ体験は多いと思います。
それに対し、一人っ子は家の中では遊び相手がおらず、『親がかまってあげなければ…』と思うこともあるでしょう。
また、1人だと、その子どもに関わる親の時間も長くなり、友だち関係や学習面など把握しやすく、アドバイスやフォローもしやすくなると考えられます。
また家の中では、片づけや手伝いなど、1人で取り組むことが多いため、責任感が強くなることも期待できます。

そして、一人っ子はわがまま、自己中心のような言葉を耳にすることもありますが、それは、きょうだいがいる・いないによる影響よりも、親が相手への思いやりや感謝の姿勢を見せるかの影響の方が大きいと言えます。
『一人っ子だから』『きょうだいがいるから』という事情が、子どもの成長や人格形成を決める要因に直結はしないでしょう。

また、2人目の経済的な理由や、親の心身への負担の問題で無理が生じ、イライラしたり、子どもを怒鳴りつけたりすることの方が、ネガティブな影響は大きくなります。ですので、必ずしもきょうだいがいる方が良いとは限りません。

ですが、2023年、首相の年頭記者会見で『異次元の少子化対策』という強い表現を持って、人口減少を食い止める取り組みの発表がなされました。
少子化対策の柱は、
1 児童手当など経済的支援の強化
2 学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充
3 働き方改革の推進
の3つと言われています。

2人目の出産を考えるにあたり、ハードルになっている経済面や母親の体力面、育児の大変さを支援する取り組みに、力を入れ始めました。そして『こどもまんなか社会』の実現を目指し、2023年4月に、『こども家庭庁』が発足されました。

こどもや若者の視点に立ち、こどもにとって最善の利益を第一に考え、当事者の意見を政策に反映するという展望を掲げています。そして、こどもと家庭、福祉や健康の向上を支援し、こどもの権利を守ためのこども政策に強力なリーダーシップを持って取り組むと、明言しています。
今、子育て所帯への経済的支援プランも加速化され、また子育て中の方々が気兼ねなく様々な制度やサービスが利用できるよう、すべての人が子育て中の方々を支援するといった社会全体の意識改革を進める取り組みも行われています。

2人目の出産に関しては、各家庭の事情や環境、また夫婦の働き方のスタイルによっても違ってきます。他と比べることなく、わがやの状況としっかり向きあい、社会情勢も視野に入れ、パートナーと経済的な見通しや家事育児の分担をどこまで助けあえるかなどを具体的に相談してください。
その際、子育て世帯の支援や子どもが健やかに成長できるよう、社会全体で後押しを始めていることも念頭に置いておかれるとよいでしょう。
そして2人目出産に対するお互いの気持ちをしっかり話し合って決められるとよいですね」(田宮由美さん)

きょうだいのいる・いないが子どもの人格形成を決める要因に直結するわけではないと言われると、気持ちが少しラクになりますね。育児がつらいときに考えると追い込まれてしまいそうなので、少し余裕ができた頃に、夫婦で話し合えるといいですね。
(取材/文・橋本真理子、たまひよONLINE編集部)

田宮由美さん

PROFILE
家庭教育協会「子育ち親育ち」代表。日本子育て学会所属。保育士、幼稚園教諭、小学校教諭の資格を取得後、幼児教室、幼稚園、小学校で勤務。小児病棟への慰問や、子どもの悩み相談の公的ボランテイアなど、多方面から多くの親や子どもに関わる。現在は、執筆を中心に講演、個別指導等で活動。国内有数の子育てサイトをはじめ、新聞、雑誌、企業への執筆、監修記事は、多くの共感を得ている。テレビ・ラジオにも出演。著書の『比べない子育て』(1万年堂出版)は翻訳され台湾でも出版。他『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)などがある。

※文中のコメントは「ウィメンズパーク」(2022年1月末まで)の投稿を再編集したものです。
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
※記事の内容は2021年10月の情報で、現在と異なる場合があります。

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