急に足がつるのはなぜ?こむら返りの原因や予防ストレッチをヨガインストラクターが解説
寝ているときに急に脚がつって目が覚めた! なんて経験、ありませんか? 思わず叫んでしまうほどの痛みを感じるときもありますよね。こむら返りとも呼ばれるこの現象、家の中ならまだしも、外ではとくに避けたい症状といえるでしょう。
そこで、今回はこむら返りのメカニズムをふまえて、予防方法についてご紹介します。
こむら返りの原因
こむら返りとは、筋肉の過度な収縮により痛みを伴う痙攣が起きている状態のことです。脚の筋肉は、細い繊維が何本も集まって束になっています。脚がつっているときは、この筋繊維の一部が強く縮んでしまい、縮んでいない部分とのズレが刺激となって痛みを感じます。(※1)
では、このこむら返りは何が原因で起こるのでしょうか? こむら返りの主な原因を2つご紹介します。
栄養や水分の不足
水分不足の状態では血行不良が起き、必要な栄養が筋肉に届きにくくなることが、こむら返りの原因として考えられます。脱水状態では筋肉や神経の働きを調整する電解質(ミネラル)のバランスが崩れることがあります。そうなると、筋肉が十分に代謝を行えず、脚がつりやすくなってしまうのです。とくに、睡眠時は脱水状態になりやすいので注意が必要です。(※1)
冷え
からだが冷えると血行不良になり筋肉が収縮し、脚がつりやすくなる可能性があります。寒い冬はもちろん、夏のエアコンが効いた室内も要注意です。寝る前は温かくしていても、朝方に冷えて筋肉が緊張状態になると、こむら返りにつながる場合があります。(※1)
こむら返りになった場合の対処法
こむら返りは急に起こることが多いものの、対処法を知っていれば焦らずに済みます。応急処置としては、痛む脚をゆっくり伸ばし、つま先を反らせてふくらはぎの筋肉を伸ばしましょう。そして、痛みが治まったら蒸しタオルなどで温めてください。ただし、脚の筋肉を急に伸ばすと肉離れを起こす可能性があります。痛みを早く鎮めたいからといって無理に伸ばさないようにしましょう。
こむら返りの予防ストレッチ
ここからは、こむら返り予防のためのストレッチをご紹介します。こむら返りの予防には、ふくらはぎの筋肉を動かして血行を促すのがポイントです。手軽にできるストレッチなので、スキマ時間で行ってみてくださいね。
ふくらはぎを伸ばすストレッチ
(1)壁に手をついて、片足を大きく後ろにひく。
(2)両足のかかとを床につけて、20秒キープする。
(3)左右の脚を入れ替えて反対も行う。
後ろのかかとが床から浮かないように、また、つま先が外向きにならないように注意しましょう。
つま先立ちストレッチ
(1)両足を腰幅程度に開く。
(2)3秒ほどかけてかかとを上げてつま先立ちになる。
(3)ゆっくりかかとを下ろす。
(4)10回程度くり返す。
立ったままできるので、通勤電車の中などで行うことも可能です。ふらつく場合は、壁やテーブルなどに手をついてからだを支えてください。イスに座って行う場合は、浅く腰掛けて背筋を伸ばして行いましょう。
ストレッチ以外の対策方法
こむら返りの対策として、ストレッチ以外にも下記のような方法も意識しましょう。
・こまめに水分補給をする
「喉がカラカラだ」と感じる前に水分を補給することが大切です。とくに、就寝時はからだが水分不足になることが多いので、寝る前にコップ1杯の水を飲むのがおすすめです。
・ミネラル(カリウム・マグネシウム・カルシウムなど)を意識して摂取する
ミネラル不足もこむら返りを引き起こす原因のひとつだといわれています。日ごろから、カリウムを多く含む食材(海藻類、豆類、芋類、きのこ類など)、マグネシウムを多く含む食材(種子類、穀類、海藻類、豆類など)、カルシウムを多く含む食材(乳製品、魚介類、海藻類、豆類など)を積極的に摂取しましょう。(※3)(※4)(※5)
・からだを冷やさない
からだが冷えると血行不良になり、筋肉が収縮して脚がつりやすくなる可能性があります。とくに冬は気温が低く冷えやすいです。湯船に浸かるなどして、からだを冷やさないようにしましょう。
こむら返りの予防は生活習慣の改善から
こむら返りを予防するには、無理にからだを動かす必要はありません。「日常的にストレッチを取り入れる」「からだを冷やさないようにする」など、日ごろの生活習慣を見直すところから始めてみましょう。
<参考文献>
※1 全国保健協会 岡山支部「【令和4年4月】“足がつる”のは防げる!?知っておきたい対処法」
※2 千葉県医師会「こむら返りの予防方法」
※3 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「カリウムの働きと1日の摂取量」
※4 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「マグネシウムの働きと1日の摂取量」
※5 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「カルシウムの働きと1日の摂取量」
PROFILE
ヨガインストラクター・ライター
高橋かなこ
2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。
自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=211332f2tmhy00010111&utm_source=tamahiyo&utm_medium=referral&utm_campaign=241224