【医師監修】予防接種の最新知識 予防接種当日に注意すべきこと
スムーズに安全に予防接種を受けるために、接種当日はどんなことに注意すればいいのでしょう?
神奈川県川崎市の「かたおか小児科クリニック」院長の片岡正先生に教えていただきます。
授乳は接種の30分くらい前までにすませ、時間に余裕を持って出かける
――予防接種を受ける前にやっておくこと、注意点などを教えてください。
「特別な注意事項はほとんどありませんが、授乳のタイミングだけは気をつけておきたい点です。とくにロタウイルスのワクチンは口から飲むタイプなので、おなかがいっぱいになっていると、ケポッと吐き出してしまうことがあります。
授乳は、接種直前にはしないようにしてください。おなかがすきすぎてもぐずって泣いてしまうので、接種の30分くらい前までに授乳をすませておくと安心です。
赤ちゃんの服装はとくに決まりはありませんが、着脱がしやすい、上下分かれたタイプが便利です」
――接種前におふろに入れておく必要はありますか?
「昔は“接種当日はおふろに入れてはいけないから、前日に入れおくように”とか“夏は予防接種をしてはいけない”などといわれましたが、これらはすべて間違った情報です。あらかじめおふろに入れておく必要はありませんし、予防接種はどの季節に受けても問題ありません」
――家を出る前に体温を測っておく必要はありますか?
「病院や接種会場で必ず検温しますから、どうしても測らなくてはいけないということはありません。ただ、体温が37.5度以上あるときは予防接種が受けられませんので、体調に心配がある場合は測ってみましょう。
そしておむつ替えのことなどを考え、時間に余裕を持って出かけるようにすると、お母さん・お父さんも落ち着いて受けられると思います。荷物の準備や予診票の記入は、前日までにやっておくと安心ですね」
接種後30分間に何もなければ、あとはふだんの生活をして大丈夫
――接種したあとの注意事項はありますか?
「接種後はすぐに帰らず、病院の待合室などで30分は様子を見るのが基本です。医療機関によっては場所が狭くて人があふれてしまうところもあるので、そういう場合は近くの公園など、何かあったらすぐ病院に引き返せる場所で様子を見るのがいいでしょう。
その間に赤ちゃんに何も問題が起こらなければ、急激な副反応が起こる心配はまずありません。保育園や買い物などに行っても大丈夫。飲食も30分くらいしたら普通にしていいですし、接種当日におふろに入るのも問題ありません」
――注射した部位をもんだほうがいいという人もいますが、本当ですか?
「これも昔いわれていたことで、間違った情報です。注射した部位をもんではいけないわけではありませんが、もむ必要はありません。
接種した部分が赤くなったり、はれたり、かたくなったりすることがありますが、これはもんでももまなくても起こります。よほど大きく腫れたりしなければ、何もしなくて大丈夫ですし、大きくはれることはごくまれです。
現在のワクチンの安全性は高いので、接種前も接種後も注意事項はごくわずかです。ふだんの生活の中で気軽に予防接種を受けていただいて大丈夫です」
予防接種と聞くと、赤ちゃんの体調や生活のスケジュールのことなどをいろいろ考えて、つい構えてしまいがちです。でも実際に注意すべきことはほんの少し。いつもの生活の中でちょっと病院に立ち寄るくらいの気持ちで、上手に受けていきたいですね。
(取材・文 かきの木のりみ)
◆参考サイト
たまひよ生活リサーチ
●記事の内容は掲載当時の情報で、現在と異なる場合があります。
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。
初回公開日 2017/09/11
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