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「トイトレ」を始めたら、行動の60秒以内にほめよう。「応用行動分析」の考え方トイトレに挑戦【ママ泌尿器科医】

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●写真はイメージです 写真提供/ピクスタ

男の子と女の子2人のママであり、泌尿器科医である岡田百合香先生の連載。今回は「応用行動分析で考えるトイレトレーニング」、全3回シリーズの2回目をお届けします。「応用行動分析」とは行動の変化を促すために科学的なアプローチをすること。療育の現場などで多く使われています。「お母さん・お父さんのためのおちんちん講座」ママ泌尿器科医#58です。

▼<関連記事>第1回を読む

行動のあと、できるだけ早く、60秒以内に「ほめる」ことが大切

岡田 前回に引き続き、特別支援学校で教員をしている亀田准季先生に、「応用行動分析」の観点からトイレトレーニング(以下、トイトレ)についてお話を聞きたいと思います。よろしくお願いします。

亀田 よろしくお願いします。さて、前回はトイトレを開始する際に、“2つの作戦を立てるといい“という話をさせていただきました。

岡田 「届くほめ言葉/ほめ方を考えよう」と「目標を分割しよう(課題分析)」でしたね。

亀田 そうです。「応用行動分析」では、子どもがとった行動の後に、本人にとっていい結果を与えることで、その行動を増やすことを狙います。ここで言う“いい結果“とは「ほめられる」ことです。そのため、「ほめ方」というのはとても重要になってきます。

岡田 なにかポイントはありますか?

亀田 まずは、前回も述べた「届くほめ言葉」です。大人もそうですが、ほめられた本人にとってうれしい言葉であることは重要です。そして、なるべくすぐにほめるということが大切です。これは子どもがとった「行動(頑張り)」と「結果(ほめられる)」を結びつけるために必要です。

岡田 具体的にはどれくらいがいいのでしょうか。

亀田 応用行動分析の中では「60秒ルール」があります。人間にとって60秒を超えると、「行動」と「結果」が結びつきにくいとされています。もちろん、60秒内でも早ければ早いほどいいです。

岡田 そうだったのですね。つい「後でほめよう」と後回しにしてしまうことがあります。

亀田 忙しい育児の中だとなかなか難しいですよね。無理のない範囲で大丈夫なので、ぜひ意識してみてください。

「挑戦した事実」をほめて次につなげる、「試み強化」も大切

岡田 ほかにもポイントはありますか?

亀田 そうですね。やはり、「ほめられるタイミング」が増えると子どものモチベーションは上がります。そこで「試み強化」という方法を取り入れてもいいかと思います。

「試み強化」とは、たとえ課題を達成しなくても、「挑戦した事実」をほめて、次につなげる方法です。私の二男は現在トイトレ真っ最中で、トイレを怖がってしまっています。“トイレに入ること“が目下の課題ですが、調子によってはそれすらも嫌がる日もあります。たとえ、入れなかったとしても、トイレの扉に近づいただけで「怖いのに近づけたね、すごいな」と言葉をかけるようにしています。

岡田 目標を達成しなくてもほめていいのですね。

亀田 目標を達成できないことが続くようであれば、「スモールステップの再設定」はする必要があるかもしれませんが、それは大人が考えることです。子どもには挑戦するモチベーションをもってほしいので、「挑戦している以上、絶対ほめる」くらいの気持ちでいいと思います。

子どもをほめるには親の努力も必要。親同士でほめあったり、自分へのごほうびを準備して

岡田 トイトレにおいて「ほめ」が鍵を握っていることがよくわかりました。一方で、ほめるには親のコンディションも重要ですよね。疲れていたり、ストレスが蓄積した状態だと、上手くほめられないこともありそうです。

亀田 そうですね。とくに「60秒ルール」や「試み強化」は意識しないと難しいので、ちょっと負担がありますね。だからこそ、トイトレにおいては親もほめられる必要があると思っています。

「ほめるという親の努力」を理解して、「今日もたくさんほめられていたね」「60秒以内を実践できていてすごい!」「挑戦したことをほめていてすばらしいよ」など、パートナー同士でほめ合ったり、自分へのごほうびを用意したりしてください。

繰り返しますが、トイトレは、“親子での挑戦”です。主役は子どもかもしれませんが、ママやパパも努力を認められて質の高いサポートを続けることが大切です。

岡田 本当にそのとおりですね。子どもだけでなく、親も頑張っていることを認められる必要があると思います。

お話・監修/亀田准季先生、岡田百合香先生 文/岡田百合香先生 構成/たまひよONLINE編集部

次回、「トイレトレーニング×応用行動分析」の3回目は、「トイトレを成功に導く技」について引き続き岡田百合香先生と亀田准季先生の対談をお届けます。

亀田准季先生

PROFILE
愛知県出身。これまで特別支援学校(肢体不自由、知的障害)を中心に、小学校特別支援学級や高校通級などで多様な特別支援ニーズのある子の教育に携わる。その中で得た知識や経験をもとに、特別支援教育について学ぶサークルを立ち上げ、多くの学校関係者等とともに、地域の特別支援教育の推進に努めている。
専門は応用行動分析、ペアレントトレーニング。3児の父。

●記事の内容は2025年2月の情報で、現在と異なる場合があります。

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