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泣き止まない、発達が遅いかも、かわいいと思えない…育児の悩み。ママパパが役割分担しない「かたまり育児」で解決!【小児科看護師papaPANDAインタビュー】

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家事育児は「できるほうがやる」と決めたのに、結局ママばかりが負担しているという夫婦も多いのでは。そんな夫婦への処方箋「小児科看護師が寄り添うはじめてのかたまり育児」では、育児を「かたまり(2人)でやる」スタイルを提唱しています。そこで、同書の著者であり、小児科看護師で2児の父でもあるpapaPANDAさんにインタビュー。家事育児を「かたまり」で行う方法やメリットを、お悩み別に聞きました。

▼<関連記事>前編を読む

「かたまり育児」でしんどさを半分こしよう

――papaPANDAさんは、著書内で育児を「できるほうがやる」ではなく、「かたまり(2人)でやる」という「かたまり育児」を提唱しています。「かたまり育児」の具体的なシーンを教えてください。

papaPANDAさん(以下敬省略) たとえば、「赤ちゃんが泣きやまない」「なぜ泣いているのかわからない」というシーン。抱っこして、おむつを替えて、授乳して、それでも泣きやまないと、ママまたはパパはツラくなりますね。この過程を2人「かたまり」で行うのが「かたまり育児」です。

もし、ママが抱っこして困っているなら、パパは自分の頭の引き出しからアイテムを渡してあげてください。「抱っこを代わる」も、もちろんアイテムの1つですし「縦抱きより横抱きのほうが落ち着くかも」「昨日は、この揺らし方で泣きやんだよ」など、泣きやむための情報提供もアイテムです。そうしながら、しんどさを半分こするんです。また、「僕が抱っこを代わるから、向こうでコーヒーを飲んでおいで」といったいたわりのアイテムも持っていてほしいと思います。

――泣きやまないときは、ただ抱っこを交代するだけではなく、夫婦という「かたまり」で解決していくんですね。ほかにも、「かたまり」だからこそ解決できる例を教えてください。

papaPANDA 子どものかんしゃくも、いい例です。子どもは、かんしゃくを起こしたとき、自分で原因をうまく言葉にできないので、大人が「これが嫌だった?」「これがしたかったの?」と子どもの気持ちを代弁して選択肢を差し出しますが、なかなか当てられないと苦労します。このとき、ママパパが2人で選択肢を出していけば、選択肢は2倍。当たる確率が上がるわけです。夫婦で「かたまり」になって、子どもの気持ちをどんどん言語化してあげましょう。

同様に、「ほめ方がわからない」「遊び方がわからない」というお悩みにも、ママパパが「かたまり」で子どもと接することが有効です。それぞれ得意な方法で「遊ぶ」「ほめる」をするだけで、バリエーションは2倍になります。

想定外のお悩みも「かたまり」で立ち向かう

――発達の遅れが心配といった想定外のお悩みはどうでしょうか。「かたまり」育児では、どのように対応できるでしょうか?

papaPANDA ここで重要になってくるのが、育児の“初期設定”です。初期設定とは、「わが子にどういう人になってほしいか」など、夫婦が「かたまり」でめざす育児の方向性。想定外のときは、この初期設定を思い出してほしいんです。

わが家の場合、長男は歩き出すのが遅く、言葉が出たのは4歳でした。発達が遅いとわかったとき、戸惑いはありましたが、悲観的にはなりませんでした。なぜなら、わが家の初期設定は「この子の可能性をしっかりと見よう。彼が困ったときは夫婦で助けよう。主人公は彼」というもので、夫婦ともにわが子の可能性を信じていたからです。このような想定外のときこそ、夫婦「かたまり」になって初期設定に立ち返りましょう。

――想定外のお悩みとして、「子どもをかわいいと思えない」という人もいます。かたまり育児なら、どのように解決できますか?

papaPANDA 地域とも「かたまり」になりましょう。ワンオペ育児だったり、子育てに必死になると、子どもをかわいいと思う余裕がなくなるかもしれません。そんなときは、一時保育などの地域のサービスを利用して、子どもと離れる時間も必要です。

わが家も、地域と「かたまり」になっています。子どもと商店街を歩いていると、魚屋のおばちゃんが「今日も元気だね」と声をかけてくれたり、子どもの買い物の練習を手伝ってくれたり、喫茶店のおばちゃんがりんごをくれたり。こういった、街や地域、もっといえば国レベルで「かたまり」になれたら、そこは子どもにとって温かい世界になると思います。

――「かたまり」のパートナーは、夫婦だけじゃないんですね?

papaPANDA はい。地域もそうですし、メーカーも「かたまり」の味方です。
たとえば、母乳が出ないことに悩んだり、逆に完全母乳がツラいと感じているママは、ミルクのメーカーとかたまりになりましょう。ミルクがあれば、だれでも授乳できるし、母乳が出なくても心配ありません。
関連して、離乳食を作るのがたいへん、作っても食べてくれないというお悩みも、ベビーフードやレトルト食品のメーカーとかたまりになるという発想で解決できます。

――ベビーフードは添加物を心配するママパパもいます。

papaPANDA 日本で「ベビーフード」と表示して販売されるすべての食品は、日本ベビーフード協議会が、使用できる食品添加物を自主規格で定めています。ネットで検索するとさまざまな情報があふれていますが、ストイックにこだわり始めると、ママが食べるものの母乳移行や、じゃがいもの芽の毒、生卵の菌など、あらゆるリスクに注意を払うことになります。それは大変すぎるので、私は赤ちゃんの安心安全を70年研究してきたベビーフード協議会を信用して、メーカーとかたまりになることを選択しています。育児の助けになるものは、うまく利用していくのがいいかなと思います。

家事育児の分担にストレスを感じているママパパへ

――最後に、「かたまり」になれていない、家事育児の分担にストレスを感じているママパパへ、メッセージをお願いします。

papaPANDA 日々感じるストレスの中で、小さなストレスは意外とすぐ忘れがち。でも、これが積み重なってくると、忘れられない大きなストレスになってしまいます。ストレスは大小かかわらず、ためこまないで夫婦間で共有してください。

「相手(パパ)は私(ママ)が思うほど、私の考えていることを理解できない」という認識でいたほうがいいと思います。「長く一緒にいるから理解してくれる」という思い込みがあるから、そうならなかったときに相手を非難してしまいます。夫婦は、お互いを案外なにも理解できていません。だからちゃんと言葉で伝えるんです。

一方のパパ。「俺はママみたいにできない」と家事育児に気おくれしているなら、素直にママにそう言ってほしいと思います。パパの話を聞いてみると、「わからない」「教えて」が言えない人が多いように思います。
パパは、「俺、やったことがなくて不安なんだ」と素直にママに伝え、やり方を教えてもらうところから始めましょう。
ママも、パパにそう言われたら「こんなこともできないの?!」と言うのではなく、「私も最初は不安だったんだ」と、やさしく教えてあげてください。

お話・写真提供/papaPANDAさん 取材・文/大部陽子、たまひよONLINE編集部

「“自分はわが子をかわいがれていない”と思い悩むママパパがいたら、私が話を聞いてあげたい」とpapaPANDAさん。papaPANDAさんの著書には、このようにママパパに寄り添う言葉があふれています。育児の壁にぶつかっているママパパのみなさん、育児を「ママ」「パパ」の単位ではなく、夫婦、地域、メーカー、そしてpapaPANDAさんとも「かたまり」になろう、という発想に切り替えてみませんか。

papaPANDA(パパパンダ)

PROFILE
小児科看護師。先天性心疾患と発達特性のある長男、定型発達の二男の2児の父。小児科病棟、看護大学(小児科)教員、小児科クリニック、と15年間小児科に携わっている。「パパが世界を変える」をモットーにSNSで子育てについて発信。「お父さんが5分で書く連絡帳」がインスタグラムで大人気。SNS総フォロワー数8.5万人(2024年11月現在)。

papaPANDAさんのInstagram

●掲載している情報は2025年4月現在のものです。

小児科看護師が寄り添う はじめての「かたまり」育児

小児科看護師パパがわかりやすく解説する、子どものお世話と病気ホームケアの本。日々のお世話のコツ、病気になったときの初手、夫婦でする「かたまり育児」のススメ。papaPANDA著/1760円(ソシム)

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