テレビで見た箱根駅伝で下田裕太選手にひと目ぼれ。猛アタックの末、結婚。卵巣過剰刺激症候群で即入院することになり・・・【タレント・金久保芽衣】
2025年7月に第1子を出産した俳優でタレントの金久保芽衣さん。夫は元陸上長距離選手の下田裕太さんです。青山学院大学陸上部に在籍していた下田さんが、箱根駅伝第8区で富士山をバックに激走する姿をテレビで見て、ひと目ぼれしたという金久保さん。その瞬間、「この人と結婚する」と、確信したそうです。出会いから結婚、そして計画的にすすめた妊娠までのことについて聞きました。全2回インタビューの前編です。
富士山をバックに箱根駅伝を懸命に走る“のちの夫”にひと目ぼれ!
――2022年9月5日に当時GMOインターネットグループ・陸上部所属の下田裕太さんと結婚されました。どんなきっかけで結婚にいたったのでしょうか?
金久保さん(以下敬称略) 2018年、私が21歳のとき、お正月に箱根駅伝を見ていて、青山学院大学の選手として8区を走る下田選手(以下、夫)の姿をテレビで見てひと目ぼれしたことがきっかけです。富士山を背に独走する彼の姿を見たときに「私、この人と結婚するんだろうな」と感じました。当然、そのときはまだ出会ってもいない状態です。
――「結婚したい」ではなく「あ、結婚するな」と、直感で思ったわけですね。
金久保 箱根駅伝の中継は本当にたまたま見たんです。そこで夫を見て運命を感じました。いわゆる「ビビっときた」という感じです。でも、そこから劇的な出会いがあったわけではなく、コロナ禍もあり3、4年の月日があっという間に過ぎてしまいました。
――その後、どうやって下田さんと出会ったのでしょうか?
金久保 私の家族はとても仲がいいのですが、私自身も家族は絶対にほしいと思っていました。24歳を迎え、そろそろ結婚を意識する相手と出会いたいなと考えていました。そしてあたりまえではありますが、結婚するならば自分が一番好きな人がいいと・・・。そこで数年前にテレビで見た夫の顔が浮かび、なんとかして連絡先を知りたいと思ったんです。でも、共通の知り合いはいません。そこで思いきってSNSで連絡をしました。
――すぐに下田さんからアクションがあったのでしょうか?
金久保 最初からぐいぐいといったら怖いだろうなと思い(笑)、私なりに節度はわきまえようと考えていました。でも知ってもらわないことに始まらないので、その後も何度も投稿しました。名づけて『私を知ってよ大作戦』です。投稿に気づいた夫は「ありがとうございます。応援してくれる方がいると僕も頑張れます」と反応をしてくれて、フォローも返してくれました。本当にうれしかったです。
――次はどんな作戦を考えたのでしょうか?
金久保 SNSでつながることはできたので、夫が自己ベストを出す度に「おめでとうございます」とメッセージを送りました。また、夫のSNSの投稿をさかのぼって、夫の好きなアニメを見てはそれについてつぶやいたりも・・・。趣味が同じだと親近感がわくかな? と思ったからです。名づけて『以心伝心大作戦』です。
「家事は苦手」だったのに“アスリートフードマイスター”を取得
――下田さんの師匠でもある原晋監督の『〇〇大作戦』のように、作戦を練って少しずつ距離を縮めていったわけですね。
金久保 何度かやりとりし、私のことを認識してもらえるようになったのでダイレクトメッセージで連絡先を送り、実際に会うことになりました。新宿駅で待ち合わせをしましたが、新宿駅で会った夫はとても輝いて見えました。新宿駅があんなに輝いて見えたのは初めて (笑)。本当にキラキラしていました。合流後すぐに、「なんで連絡してくれたの?」と聞かれたので「世界で1番かっこいいから」とストレートに伝えました。
――下田さんの反応はいかがでしたか?
金久保 最初はだまされているんじゃないかと思っていたみたいです(笑)。でも私のSNSのフォロー先を見ると、陸上選手でフォローしているのは自分だけだったので純粋に応援してくれているんだなと感じたらしいです。ほかの選手のことも好きで、フォローをしていたら陸上ファンということになるし、ファンの人とおつき合いをするようなことはよくない・・・と躊躇したかもしれない、とのことでした。私が自分のことだけを応援していることがわかり、安心したみたいです。
――そこからおつき合いに進展したわけですね。
金久保 私は最初から結婚を意識していました。だからなるべく自分の素を知ってもらおうと思い、会ったときから取りつくろうことはしませんでした。だから「家事は苦手です」と正直に話しました。将来、家事を外注できるくらい稼げるように仕事を頑張ろうと思っていることも伝えました。
――とはいえ、「アスリートフードマイスター」の資格も取得されたと聞きました。下田さんを「支えたい」という心境に変化した経緯を聞かせてください。
金久保 「家事はいっさいしません」と宣言して結婚しました。実際、夫には専属の管理栄養士の方がいたので、料理は作らなくてもよかったんです。でも、途中から練習の拠点が変わり、自炊が必要になりました。夫はもともと料理ができますが、毎日トレーニングもあり、大変そうでした。そんなとき、大きな大会で一生懸命走る夫の姿を見て、心から感動して涙が出てきました。毎日苦しみながらも頑張っている夫を支えたい、私のできることはなんでもしてあげたいという気持ちに変化していき、料理を勉強することにしたんです。
結婚して最初の2年間は“子どもをつくらない”と決めた。そのワケとは?
――結婚式の様子をYouTubeで拝見しました。とっても楽しそうでしたが、もともと結婚式はするつもりがなかったそうですね。
金久保 それまで結婚式に参列したことがなかったので、私自身とくにあこがれはありませんでした。しかも自分たちのために時間もお金も使ってもらうことに躊躇もありました。お披露目しなくても十分幸せだから結婚式はやらなくてもいいかな・・・って考えていたんです。でも、夫に「結婚式はしようよ。絶対にやってよかったって思うと思うよ」と背中を押されました。
――準備は大変でしたか?
金久保 夫とファミレスで何時間も打ち合わせをしたり、友人に助けてもらったりしながら準備を進めました。披露宴ではお世話になっている方々にスピーチをしていただき、とても感動しました。また、私の祖父母と弟と一緒に4人でお色直しのための中座の退席をしましたが、弟は感動してずっと泣いていました。最初は結婚式に対してネガティブな先入観がありましたが、今は夫の言うとおり結婚式をしてよかったなと心から思っています。
――下田さんとの出会いから結婚まで、計画を立てて目標に向かっている印象ですが、妊娠・出産についてはどんなふうに話し合っていましたか?
金久保 私たちは2022年の入籍時にブライダルチェックをしていました。でも、最初の2年間は子どもをつくらないと決めていました。なぜなら、夫の現役中は合宿や大会があり、何カ月も自宅を留守にすることがわかっていたからです。夫もすべて一緒に子育てをする気だったので、ひとまず現役の間は避けようと夫婦で決めました。
――子どもをもつことをしっかり計画立てていたのですね。
金久保 ブライダルチェックで、あと数年待ってからでも自然妊娠が可能な事を確認していました。子どもを授かれなかったときのことも2人で考え、たくさん話し合いました。2024年の春になり妊活の第1歩として、まずは風疹抗体検査を受けました。すると2人とも数値が低かったので、ワクチンを接種しました。
妊娠の陽性反応に喜んだものの、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の診断で即入院へ
――妊活はタイミング法から始めたのでしょうか?
金久保 はい、そうです。基礎体温つけて自分たちで管理もできますが、私たちの場合は確実に妊娠をしたいという気持ちが大きかったのでクリニックに通い、医師に診察してもらいながら計画を立て、そして妊娠することができました。
――妊娠がわかったときのことをくわしく教えてください。下田さんにはどのように伝えましたか。
金久保 妊娠検査薬で陽性が出たので、クリニックに確認に行くことにしました。合宿中だった夫には検査薬の結果を電話で伝えたところ喜んでくれました。クリニックでは妊娠していると診断されたものの、同時に女性ホルモンが増えすぎていて卵巣が腫れていると診断されびっくり・・・。そのまま大学病院に行くよう先生に指示されてしまい、移動中は不安で泣きながら母に電話をしました。
――初期の段階で何か症状はありましたか?
金久保 実はクリニックで妊娠判定の検査をする前からかなり強い腹痛がありました。でも、妊娠初期の段階だとおなかが痛くなることもあると何かで読み、がまんしてしまっていたんです。耐えずにすぐに病院に行けばよかったです。
――大学病院ではなんと診断されたのでしょうか。
金久保 大学病院の検査では、すぐに卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と診断され、そのまま入院になってしまいました。妊娠して4週と5日なのでまだ胎嚢も確認できていませんでした。妊娠が継続できるかわからない状態だったので本当に不安な気持ちでいっぱいでした。
お話・写真提供/金久保芽衣さん 取材・文/安田ナナ、たまひよONLINE編集部
夫の下田さんとの出会いから結婚があまりにもドラマチックな話しで感動しました。結婚してからもお互いを思いやり、支え合う姿は下田さんの恩師、原監督夫妻の姿を思い起こします。インタビュー後編ではOHSSと診断された金久保さんの壮絶な妊娠期の話から、産後の子育てのことを聞きます。
金久保芽衣さん(かなくぼ めい)
PROFILE
俳優・タレント。1996年3月生まれ。茨城県出身。愛称は「ぼんぼん」。2016年に「SoftBank Presents NEXTSTAR GIRLS AUDITION」のグランプリを受賞する。2017年は、フジテレビドラマ「ミステリーズ」に出演。その後も映画、ドラマ、舞台など数々の作品で活躍している。2022年に陸上長距離選手の下田裕太さんと結婚。2025年7月に第1子を出産。
●記事の内容は2025年11月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。


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