SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 赤ちゃん・育児
  3. 赤ちゃんの病気・トラブル
  4. 「今の私があるのは、低身長だから」。希少疾患をもつ身長123㎝の大学生モデル。夢は子ども向け番組に出ること【2型コラーゲン異常症】

「今の私があるのは、低身長だから」。希少疾患をもつ身長123㎝の大学生モデル。夢は子ども向け番組に出ること【2型コラーゲン異常症】

更新

友だちと東京ディズニーランドへ。

高校1年生のときに2型コラーゲン異常症と診断された、大学3年生でモデルとしても活動する星来(せいら)さん。2型コラーゲン異常症の多くは2型コラーゲン遺伝子変異により発症し、軟骨や目の硝子体、内耳などに症状が現れる骨の病気です。
星来さんは、低身長、X脚などの症状があり、現在、身長は123cm。
星来さんに、大学生活や将来の夢、障害のあるモデルをめざした理由を聞きました。全2回のインタビューの後編です。

▼<関連記事>前編を読む

自身の入院経験から、大学では医療保育を学ぶ

小学校に入学したとき、身長は88cmで2歳児の平均身長ぐらい。

星来さんは、現在大学3年生。大学では医療保育を学んでいます。

――大学で医療保育を専攻した理由を教えてください。

星来さん(以下敬称略) 私は2型コラーゲン異常症の中の先天性脊椎骨端異形成症(せんてんせいせきついこったんいけいせいしょう)と診断されています。2型コラーゲン異常症には、さまざまな症状がありますが、私は低身長と背骨が曲がる側弯症があります。

小学6年生のとき、側弯症の手術を受けました。9時間におよぶ大きな手術で、手術前に全身麻酔をして意識がなくなることや、背中の上から下までメスで切って、金属の棒を入れるという説明を聞いて、本当に怖くて不安で。「全身麻酔をしたら、もう目が覚めないのでは?」と思うと涙が止まらず、手術当日は、担当医も驚くくらい抵抗しました。

術後も、傷が痛くて痛くて寝返りも打てず、ずっと「痛い」「痛い」と泣いていました。そのとき私を支えてくれたのが、チャイルド・ライフ・スペシャリスト(以下CLS)です。CLSは、入院中の子どものストレスを軽減し、安心して病気や治療と向き合っていけるように心理社会的ケアを提供する専門職です。

私が入院していた病棟には、CLSが1人いたのですが、私は彼女にどれだけ救われたか! たわいもないおしゃべりをしたり、元気になってくると「星来ちゃん、一緒に遊ぼう」とボードゲームに誘ってくれたりして、治療のつらさを忘れさせてくれました。あのときの思い出がずっと心に残っていて、成長するに従い、私も病気と闘う子どもたちの役に立ちたいと思うようになりました。
そのため大学で、医療保育について学ぼうと思いました。

――大学で行った、実習について教えてください。

星来 幼稚園、保育園、児童養護施設で実習をしました。
幼稚園の実習初日に、私が担当したクラスで「私は、生まれたときから病気があって小さいんだよ」と自己紹介をすると、子どもたちが「先生は小さいから秘密基地で一緒に遊べるね!」と笑顔で言ってくれました。

でも、私が担当していないクラスの子どもたちは、私が小さい理由を知らないので、私を見ると指をさして「あの先生、小さいね」「小さい先生、嫌だな」と言うんです。
子どもたちの反応の違いは、性格によるものではなく、なぜ小さいのか理由を知る機会があるかないかの差だと感じました。

――中学校や高校、大学での友だち関係はどうでしたか。

星来 中学校、高校のクラスメイトには恵まれていたと思います。少人数制の中高一貫校に通っていたこともあるかもしれません。人数が少ないから、みんな私の疾患のことを理解してくれていたし、学校も必要な配慮をしてくれました。
大学生になってからの話ですが、一緒の高校に通っていた子から、突然連絡をもらいました。その子は高校からの入学で、共通の友だちを通じて話したことはありましたが、特別親しかったわけではありませんでした。でも「実は前から星来ちゃんともっと仲よくなりたかったけど、『ヘルプマーク』をつけているし、どんなふうに接していいかわからなかったんだ」と言うんです。
低身長は見た目でわかりやすい障害なので、当時の私は説明することをおこたりがちになってしまっていました。でも、私自身が障害をどのように捉えていて、どのように接してほしいと思っているかは、私の口から伝えない限りわかりません。新たなコミュニティに入るときには、よりていねいに伝えていきたいと思いました。

――大学卒業後の進路についてはどのように考えていますか。

星来 できたら大学院に進んで、インクルーシブ教育について学びたいと考えています。

ずっと医療保育士を目指していたのですが、私自身、外に行くとジロジロ見られて居心地が悪いこともあります。また先ほど話したように、実習先での子どもたちの対応の違いにも衝撃を受けました。

そうした経験を積み重ねるうちに、子どものうちから、多様な人たちが自然にまわりにいる環境の大切さを痛感するようになりました。
どのようなカタチになるかは、まだわかりませんが、将来は、子どもたちが多様性への理解を深められるような仕事をしたいと考えています。

大学合格を機に、障害者専門芸能事務所のスクールへ

入院中、チャイルド・ライフ・スペシャリストとプレイルームで遊ぶ星来さん。

星来さんは、障害者専門芸能事務所アクセシビューティーマネジメントに所属しています。

――モデルになろうと思ったきっかけを教えてください。

星来 高校3年生の秋に、SNSで事務所のことを知りました。車いすユーザーのモデルさんを見たときに、まず私が感じたのは「この人、かわいい!」ということでした。障害者という視点では見なかったです。

自分のこれまでの人生を振り返ると、私は人に支えられてばかりでした。低身長という特徴をいかしながら、何か人の役に立ちたいと思いました。

ちょうど事務所が運営するスクールの受講生の募集があり、しめ切りが大学の推薦入学の合格発表の日でした。大学に受かったら、スクールに入学しよう!と決めて、両親に伝えました。両親は反対しませんでしたが、驚いたようです。でも私は幼いころからピアノを習っていて、ステージに立つことが好きだったので、両親は「星来は、人前に出ることが好きなんだね」と言って、見守ってくれていました。

無事、大学に合格したので、スクールに応募して、そこから私の新しい人生が始まりました。月4回、オンラインでSNSの使い方やポージング、演技指導などのレッスンを受けて、その後、同事務所のオーディションに合格して所属をしました。

――SNSでは、低身長のことだけでなく、ライブに行ったことなど、いろいろと発信をしています。

星来 「〇〇推しが、私と同じ!」「クラリネット吹いているところに親近感がわいた」など、障害以外の話題が増えてきたことがうれしくて! 障害の有無に関係なく、SNSでフラットに交流できるようになるのが目標のひとつです。

でも今の私があるのは、低身長だから。
もし「身長が伸びる薬があるよ」と言われても、私は飲まないと思います。小さくなかったら、私ではなくなってしまう気がするからです。 

――これまでの仕事と、これからの目標を教えてください。

星来 2025年の夏には、現役大学生で難聴の咲良(さくら)さんとラジオに4回出演させていただきました。障害のことだけでなく、1人の大学生として大学生活のこと、友だちや家族とのエピソード、活動の裏話などいろいろ話せて楽しい経験でした。
今後の夢は、子ども向けの教育番組に出演することです。

2型コラーゲン異常症患者・家族の会の本部委員として活動

中学の授業で、入院生活が子どもの心に与える影響について発表する星来さん。

星来さんが、2型コラーゲン異常症と診断されたのは高校1年生のときです。その後、2型コラーゲン異常症患者・家族の会に親子で入会しました。

――2型コラーゲン異常症患者・家族の会の活動について教えてください。

星来 病院で会のお知らせを見つけた中学3年生のときに親子で入会して、大学生になってからは、私は本部委員として、1人でも多くの人に2型コラーゲン異常症について知ってもらう活動をしています。

2026年3月発行を目指して、今は絵本を制作中です。絵本の主人公は、読者の子どもたちが自分と重ね合わせられるように、あえて障害のない男の子にしました。彼が2型コラーゲン異常症であるキャラクターと出会い、新たな気づきを得る物語です。大学で呼びかけたところ、協力してくれる仲間が6人以上集まり、今、頑張って制作しているところです。

「社会に貢献しようとする星来を、とても頼もしく思っています」(星来・母)

2025年1月には成人式も。

星来は七夕に生まれました。星来が生まれたときから、私は「星が連れて来てくれたパワーをもった子」「星来だからこそできることがある!」と信じていました。

子どもが成長するのは早いものです。ヨチヨチ歩いていた星来が、将来歩む道を考える年齢になりました。星来は、低身長のために不向きな仕事も多いでしょうが、これまでの経験をいかしながら、社会に貢献しようとする姿を頼もしく感じています。これからも星来のことを応援し続けていきます!

お話・写真提供/星来さん 協力/株式会社𝐚𝐜𝐜𝐞𝐬𝐬𝐢𝐛𝐞𝐚𝐮𝐭𝐲 2型コラーゲン異常症患者・家族の会 取材・文/麻生珠恵、たまひよONLINE編集部

2型コラーゲン異常症は、現代の医療では根治治療ができず、対症療法が中心です。また指定難病ではないため、星来さんも参加する2型コラーゲン異常症患者・家族の会では、指定難病の認定を目指し、小児から成人まで切れ目なく安心して医療が受けられるように活動を続けています。

「たまひよ 家族を考える」では、すべての赤ちゃんや家族にとって、よりよい社会・環境となることを目指してさまざまな課題を取材し、発信していきます。

2型コラーゲン異常症患者・家族の会のサイト

星来さん(せいら)

PROFILE
2004年生まれ。大学生。SNSで低身長のことや大学生活、芸能活動のことなどを発信。アクセシビューティーマネジメント所属。

星来さんのInstagram

アクセシビューティーマネジメント

●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2026年1月当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

赤ちゃん・育児の人気記事ランキング
関連記事
赤ちゃん・育児の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。