当方、子育て経験あり。よかったらお手伝いしましょうか?の輪が広がる世界に 【マキシマム ザ ホルモン・ナヲさん】
ロックバンド「マキシマム ザ ホルモン」のナヲさんは、昨年Xで「(自身の)子育てに手がかからなくなってきて、赤ちゃんの面倒見たり遊んだりしたい!」「街で子育て中の人に声をかけられる『当方、子育て経験あり。お手伝いしましょうか?』みたいなカードがあったらいいのに…」と、子育てを応援したい思いを投稿し、大きな反響を呼びました。この発信をしようと思ったきっかけと、その後の反響についてインタビューしました。
「子育てはみんなで」その思いの原点
「スーパーで買い物していると、赤ちゃんを抱っこしながら上の子をあやしているママを見かけることがありますよね。あの頃の自分を思い出すと、本当に大変だったなって思うんです。」
と、ナヲさんは、自身の子育て期を振り返りながら語ります。二人のお子さんが大きくなって手がかからなくなった今、周囲のママたちを見守る気持ちが自然と芽生えたのだそうです。
「あの頃って、赤ちゃんが泣いたり、上の子が駄々こねたり、わぁわぁ言いだすと、もう『ごめんなさい!ごめんなさい!』ってつらく思っちゃってたんですよね。でも自分がその立場から卒業して傍から見ると、まったく気にならないんです。むしろ、経験があるからこそ、『ちょっと買い物してきなよ、私、上の子見てるから』って言いたくなる」
「ママたちには気にしないでと言いたい。おばちゃんたちは、赤ちゃんに吸い寄せられてくる。そのかわいさ、ちょっとおすそ分けしてくれないかな?みたいな。おいしいとこ取りになっちゃうかもしれないけれど、その間少しだけでもママがほっとひと息つけて役に立てるなら、もうこの上ない。そんなやりとりがガチでできたらいいと思ったんです。
でも、知らない人に声をかけるのって、今の時代はむずかしいですよね。じゃあどうしたらいいんだろう、という話を最近ずっとママ友たちとしていて、それをSNSに投稿しました」
「声をかけたいけれど…」時代の壁にアイデアがひらめいた♩
コンプライアンス意識の高まりで、善意の声かけがむずかしくなっている現状についてもこう触れます。
「以前に比べて、人に声をかけることのハードルが上がったと思います。知らないおばさんが急に話しかけてきたら、びっくりしますよね。良かれと思ってやったことが、相手にとっては嫌なことかもしれない。意識が高まって相手を思いやるからこそ、かんたんに声をかけづらい面も。コロナ禍を経て感染予防の意識も高まったから、赤ちゃんに触れることもむずかしくなったし…。」
そんな中でナヲさんが考えたのは、「子育て経験あり、よかったらお手伝いします」という意思表示ができるしくみ。
「例えば、身分証明付きのカードとか、自治体公認のマークとかがあれば安心ですよね。『ヘルプカードの逆バージョン』みたいなもの。私、こういう者ですから安心してちょっとお任せください。少しの間、抱っこしてあげるとか、荷物を持ってあげるだけでも、ママが一息つけるならすごくいいと思ったんです。」
必ずしもこのマークがなければいけないということではなく、世の中が声をかけてもよい、手伝いますよ!という雰囲気になることが大事と言います。それはナヲさんご自身の子育て期の体験に原点がありました。
「子育て真っ最中のとき必死すぎて、イライラしたりとか、眉間にしわが寄っちゃうようなときでも、知らない人に『赤ちゃんかわいいわね』なんて声をかけられると、なんか、ピリピリしていた気持ちが溶けていくようになったことがあったんです。『いちばんかわいいとき、今しかないわよ』なんて言われると、『そっか、あとでそう思えるんだ』と冷静になったり。子どもを介してだと、近所の人とも初めて会話ができることがあるんですよね」
SNSの反響は⁉ 「赤ちゃんは世界平和」― 子育てを卒業した今だからこそ
発信後、SNSには「いいね」がたくさんつき、拡散されました。
「子育て経験者からは、私もやりたいという声をたくさんかけてもらいました。『実際にはどうする?どうしてる?』みたいな会話が広がるんですよ。
最近空港で、たまたま前にいたお子さんと目があって変顔したりしてあやしたら、『先ほどはありがとうございました』ってお礼の連絡をもらったこともあります。お母さんは気づいていない風にしてくれたけど、気づいてたんですね」
またときどき「赤ちゃんが足りない!」と知り合いの赤ちゃんに会いに行くことも。
「最近、後輩の赤ちゃんが生まれたんですけど、もうたまんないですね。ミルクの匂い嗅いで、抱っこして、謎に揺れちゃう(笑)。子育て経験ある人って、過去の自分を思い出して、体が自然にゆらゆら揺れちゃうんですよ。私がゆらゆらしていると、抱っこしていないママまで一緒にゆらゆらしちゃって、お互いを見て笑っちゃう! 赤ちゃんって世界平和だなって思います。」
子育てを終えたからこそ、赤ちゃんのかわいさを「おすそ分けしてほしい」という気持ちも強くなると話します。だからこそ、ママ・パパも周りを頼って子育て期を楽しんでほしいとも。
「子育てって本当に一瞬。あの頃は必死で写真も撮っていなくて、今振り返るともっと撮っておけばよかったなって思います。ママも一緒に写っている写真、絶対残したほうがいいですよ。」
振り返ると、自分が子どもの写真を撮るばかりで、子どもと一緒に写った写真が少なかったというナヲさん。このインタビューでは、数少ない子育て真っ最中の写真を公開いただきました。
「子育てをみんなで」は笑顔で見守ることから
最後に、ナヲさんが提案する“子育てをみんなで”の第一歩はシンプルです。
「最初から抱っこはお互いにハードルが高いと思う。でもまずは、笑顔で『大丈夫だよ』ってメッセージ送るだけでも、ママ・パパは救われると思う。子どもがいるいないにかかわらず、賛同する人はみんなやったらいいと思う。近所で挨拶する、声をかける、そういう小さなことから始めたいですね。」
そして力強くこう締めくくりました。
「赤ちゃんは宝物。子どもはみんなで育てるものだから。私もこれから、ビビらず、もっともっと声をかけていこうと思います。」
ナヲさんからのメッセージ
「子育てをしている人に、『見守ってるよ』っていう空気がもっと広がって伝わるといいな。たまひよさんの「チーム育児」の取り組み、すごく素敵だと思います。子育てがひと段落した人向けのたまひよOG・OBマークとか、自治体と連携したり、安心して頼れるしくみができたら最高ですね。私もたまひよOGだから(笑)」
プロフィール
マキシマム ザ ホルモン ナヲ
1975年生まれ。東京都出身。ロックバンド「マキシマム ザ ホルモン」でドラムと女声と姉を担当。15才と9才の女の子の母。2人目のお子さん妊娠前の2015年には妊活休業を発表し、ライブ活動を休止したことも話題に。過去に『たまごクラブ』連載や『妊活たまごクラブ』でのインタビューにも登場。
文・たまひよ編集部
写真提供:ナヲさん


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