ジカ熱、デング熱......。米軍開発の虫よけ「ディート」って?
ジカ熱、デング熱、日本脳炎など、赤ちゃんにとって虫さされはこわいもの。たかが虫さされと思わずに、山や草原に行くときは長袖、長ズボンでできるだけ防備を。また、虫よけ剤も効果的です。ただし、赤ちゃんに使用する際は注意が必要です。
蚊やダニ、ブヨ、アブに効果大のディート!
蚊の発生が心配される季節になってきました。
赤ちゃんが虫に刺されると大人よりかなり症状が重くなり長引くことをしっていますか。それは、赤ちゃんは虫刺されの経験が少ないため、刺されると体が過剰に反応してしまうためです。
赤ちゃんが虫に刺されないようにするために、室内でも屋外でも虫よけ対策が必要になりますが、虫よけグッズに使われている「ディート」という薬剤のことを知っていますか?
「ディート」は化学名をジエチルトルアミドという、アメリカ軍が兵士をジャングルなどの奥地の虫から守るために開発した化学物質です。
蚊やダニ、ブヨ、アブといった血を吸う虫や、その虫が媒介する病気から人を守るために現在では虫よけグッズに使用されています。日本でも過去40年にもわたって、ディートを含有する医薬品等が使われてきました。
日本では副作用の報告はありませんが、アメリカやカナダ等では、まれに神経障害や皮膚炎を起こす報告があったため、安全性についての再評価が行われ、カナダでは子どもへの使用について厳しい規則が設けられました。
日本でも厚生労働省が注意を喚起。赤ちゃんに使う際は気を付けて。
日本でも、平成17年に厚生労働省において「ディート(忌避剤)に関する検討会」が開催されて、小児に対しての使用方法を注意することになりました。
●漫然な使用を避け、蚊、ブユ(ブヨ)等が多い戸外や、必要な場合にのみ使用すること。
●12才未満の小児に使用させる場合には、保護者等の管理のもとで、以下の回数を目安に使用すること。
・6カ月未満の乳児には使用しないこと。
・6カ月以上2歳未満は、1日1回
・2歳以上12歳未満は、1日1~3回
●顔には使用しないこと
●目に入ったり、飲んだり、なめたり、吸い込んだりすることがないようにし、塗布した手で目をこすらないこと。万一目に入った場合には、すぐに大量の水又はぬるま湯でよく洗い流すこと。また、具合が悪くなる等の症状が現れた場合には、直ちに、本剤にエタノールとディートが含まれていることを医師に告げて診療を受けること。
などとされています。
これを読んでこわい! と思った方も多いかもしれません。が、2015年千葉県において生後11か月児が、蚊が原因の日本脳炎に罹患したことが報告されたこともあり、蚊やブヨ等にさされてかかる病気や皮膚トラブルも注意すべきものと覚えておいてください。
赤ちゃんのすべすべのお肌とそして健康を虫から守るためにも、虫よけ対策はしっかりと行いたいものです。
文/ひよこクラブ編集部
※この記事は「たまひよONLINE」で過去に公開されたものです。