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育休復帰3ヶ月で両立崩壊~起業!”0か100”ではなく”10、20”からでも復帰できる社会を

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さまざまな職業の人たちが同じ空間を共有しながら働くための場所「コワーキングスペース」。近年、託児サービスつきのところも増えてきていて、自宅ワーカーやフリーランスのママ・パパたちの利用が増加。働くママ・働きたいママに新しいワークスタイルを提案してくれそうな可能性を秘めています。
今回お話を聞いたのは、東京・立川市で保育園併設型コワーキングスペース「シーズ立川」を運営するシーズプレイス社長の森林育代さん。
現在は起業家としてだけでなく、地域活動も精力的にこなしていますが、ここに至るまでは、仕事と育児のバランスがうまく取れないこともあったそう…。

関連:子どものそばで働ける!?保育園併設型「コワーキングスペース」のメリットとは?

産後、職場復帰するもワークライフバランス崩壊でリタイア

――森林さんはなぜ、コワーキングスペースを立ち上げようと思ったのでしょうか?

森林:私はシーズ立川を立ち上げる前から、東京の多摩地域の女性活躍支援や地域活性化に取り組む「ダイバーシティコミュ」という特定非営利活動法人(NPO法人)の代表を務めています。その法人で公的施設の運営と管理をしてきましたが、公的施設にはできないことが多々ありました。

たとえば、営利目的での使用はできないので、民間の英会話スクールがそこで教室を開くことはできません。民間施設ならもっと自由に使ってもらえるし、自分たちの収益にもつながる。ひいては地域の女性の自立にもつながると考えて、レンタルスペースを備えたコワーキングスペースをつくりました。その際にはもちろん、保育施設をつくることが外せない条件でした。

――コワーキングスペースの経営は難しいと言われます。どのようにして安定経営をめざしていますか?

森林:たしかに家賃収入だけで施設を維持していくのは簡単ではありません。でも、私がやりたいのは不動産屋さんではなく、子育て中の女性が一歩踏み出すきっかけをつくること。
もちろん、理念だけでやっていけるものではないということもわかっていますので、こういう施設を運営していることを社会にアピールしながら、関連性のある幅広い仕事を取って、複合的に事業展開をしています。

――森林さんご自身は、どのようなキャリアを歩んでこられましたか?

森林:私は20代まで、ミュージシャンとして活動していました。30代で音楽活動をやめて就職、結婚、出産、育児と仕事復帰をするのですが、当時は育児中の時短勤務が認められにくく、マタハラも珍しくない時代でした。

私は産後7ヶ月で職場復帰しましたが、残業や土日出勤も当たり前の生活で、保育園のお迎えを義母にお願いすることもよくありました。しかしそんな生活が長続きするはずもなく、3ヶ月ほどで仕事を辞めざるを得なくなってしまいました。

いきなり100でやろうと思っては何もできない

――そこで働くことをあきらめてしまったのでしょうか?

森林:その後は定時で帰れる「9時5時」の仕事を探して、近場で派遣の事務の仕事をするようになりました。

子どもが小学校に上がるころ、いわゆる「小1の壁」(子どもを預けられる場所がなくなり子どもの留守番が増える問題)を考えて、子どもに「いってらっしゃい」と「おかえり」が言えるように直行直帰の仕事をしていました。
仕事と家事育児が両立し始めてからは、まわりのことも考えられるようになり、保育園で父母会長、小中高校でPTAの役員も務めました。

――いろいろなことをこなしながら、視野が広がった?

森林:ミュージシャンだった20代のころは、「ラブ・アンド・ピース」の世界をずっと生きてきました。だからもともと広い世界を見ているつもりでした。
でも、その世界と自分がくっついているわけではなかった。言ってしまえば、自分さえよければいいというのが20代でした。

でも子どもが生まれてからは、
「この子の保育園をよくしよう」、
「この子の学校をよくしよう」、
「この子の住む地域をよくしよう」と、身近な世界と自分がくっつき始めたのです。まわりのことを考える意識も芽生えてきました。「視野が広がった」というよりも、「視野がはっきりとした」と言ったほうがいいかもしれません。

――仕事の復帰に不安を抱えるママに、メッセージをお願いします。

森林:働けるか働けないか、0か100で考えてしまうと、「働くのは無理だ」とあきらめてしまうことになります。
でも、いきなり100で働く必要はないと思います。10%でも20%でもいいから、最初はできる範囲で働くのだっていいでしょう。ちょっとずつステップアップしていくために、このような場所を利用してもらえたらうれしいですね。

ママが子育て中心に生活する時間というのは、10年から長くて20年。子離れしたあとの自分の人生を考えて、どういう社会人になりたいのかをもう一度考えてみるのはどうでしょうか。そうすれば、子どもも家族も社会も、みんなハッピーになれると思います。

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お子さんが大きくなった現在、自身の音楽活動も再開。森林さんは仕事をバリバリとこなす一方で、ギターを持ってライブステージに立つこともあるそうです。新しい働き方ができる時代だからこそ、新しい復帰のしかたというのもこれから増えていくのかもしれません。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)

■監修/森林育代さん
シーズプレイス代表取締役社長。短大卒業後、20代でバンドのギタリストとしてプロデビュー。バンド解散後、30代で就職、結婚、出産。子育てと仕事をしながら、さらにさまざまな地域活動も行い、2012年に地域で多様性を推進するNPO法人「ダイバーシティコミュ」を設立。16年にシーズプレイスを創業、現職に。

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