スポーツは○生まれが有利⁉︎ 早生まれ・遅生まれにまつわるウワサを検証!
anatols/gettyimages
1月1日から4月1日までの間に生まれた「早生まれ」と、4月2日から12月31日までの間に生まれた「遅生まれ」。早生まれは○○が上手らしい、遅生まれは○○が有利らしいなど、いろんなウワサを耳にしますが、生まれたタイミングによって、違いはあるのでしょうか? 子どもの社会性の発達についてくわしい、臨床発達心理士の秦野悦子先生に聞きました。
関連:発達心理学の専門家に聞く「早生まれ赤ちゃんが損するってホント!?」
「早生まれ」「遅生まれ」このウワサはホントなの?
「早生まれ」「遅生まれ」、それぞれ赤ちゃん時代には、何か違いはあるのでしょうか?ウワサに上がるあれこれのウワサを検証しました。
早生まれは肌が弱い?遅生まれはおむつはずれが早い?
冬に生まれる早生まれの子は、低月齢のころ外に出て肌を鍛える機会が少ない、遅生まれの子は、2歳前後の気候がいい時期にトイレの練習を始められるなどの理由で、このようなウワサが。
「確かに冬場に日照が少ない地域もありますし、薄着になる春~夏は気軽にトイレを始められることも。ただし、可能性の1つなので気にしすぎないで」(秦野先生)
スポーツは遅生まれのほうが有利?
2017年の奈良女子大学の調査では、プロ野球やJリーグには「遅生まれ」のほうが多く活躍していることが判明。同学年として練習や試合をすれば、相対的に「遅生まれ」の子どもがレギュラーに選ばれて活躍する機会が多く、経験を積めます。それが自信や技術の上達につながる?
「スポーツに関しては、第2子のほうが上の子を見て伸びるという例も。同様に早生まれの子があこがれを抱き、意欲を高める可能性もあります」(秦野先生)
早生まれは天才肌が多い?
スポーツ界や芸能界、経済界には、天才肌と呼ばれる早生まれの有名人も。香川真司(サッカー選手、3月17日生まれ)、武豊(ジョッキー、3月15日生まれ)、宇多田ヒカル(歌手、1月19日生まれ)など、クリエイティブな職種向きなのかも!?
「早生まれかどうかは、育ちの中の1つの要素。子どもは周囲の環境にも影響されて才能を伸ばしていくので、天才肌は遅生まれにもいます」(秦野先生)
「早生まれ」「遅生まれ」で差があるのはいつまで?
「早生まれ」「遅生まれ」で差を感じるのは、学年分けが始まる幼稚園ごろから。3歳以降の様子はどうなっていくのでしょうか。
とくに大きな差を感じるのは幼稚園入園のころ
「学年で区切られる幼稚園入園は、ママやパパが大きな差を感じるタイミング。まだ発育・発達の差が大きく、言葉や生活習慣の面で、早生まれと遅生まれでは、きょうだいのほどの差があることもあるようです。
とくに慎重なタイプの早生まれの子の場合、集団生活になじむのに時間がかかることも。ただ、いずれは追いつくので、周囲があまりあせらないで」
小学校2年生ごろになると差が少なくなってくる
「小学校2年生ごろには、生まれ月にかかわらず、発育・発達の足並みが大体そろいます。自分でお友だちをつくり、自分でやってみたい習い事にチャレンジするなど、小学校生活も楽しくなる時期。
さらに小学校高学年以降は、勉強や運動面でも、生まれ月の差を感じなくなることもあります。遅生まれ・早生まれの子いずれも、長い目で見守ってあげましょう」
関連:保活の「早生まれは損」は本当!?~保活成功のためのバースコントロールとは~
発達には個人差が大きいので、生まれ月の違いが大きな差を生むとは限らないようです。差があったとしても、ママやパパがそれを気にしないことが、先々まで影響させないポイントのようですね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
■監修:秦野悦子先生
臨床発達心理士。白百合女子大学 発達心理学専攻 教授。子どもの言葉や社会性の発達についての研究のほか、保育を通して子育て支援にも積極的に取り組む。神奈川県藤沢市の「わかふじ幼稚園」園長としても活動されています。
■参考:『ひよこクラブ』2018年2月号「早生まれちゃん&遅生まれちゃんのメリット・デメリット」