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赤ちゃん(新生児)がけいれんを起こしたとき考えられる病気は?

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赤ちゃん(新生児を含む)がけいれんを起こしたときはさまざまな病気が考えられます。おうちで様子を見ても大丈夫な場合もあれば、至急受診が必要な場合もあり、赤ちゃんの状態から見極める必要があります。

赤ちゃん(新生児)はけいれんを起こしやすい?

新生児期もけいれんを起こすことがありますが、かなりまれです。けいれんのように見える生理的な反応もあるので、正しい情報を知っておきましょう。

新生児けいれん

新生児期に起こるけいれんは、生まれつきの病気や出産時の障害が原因で引き起こされることがほとんどです。けいれんの形も年長児とは異なっています。

●モロー反射
大きな音に反応して「ビクッ」として両手を広げることをモロー反射といいます。刺激に対して無意識に反応する「原始反射」の1つで、けいれんのように見えることもありますが、生理的な反応なので、心配いりません。

●新生児ミオクローヌス
寝る前などに手足を震わせたり、体を震わせたりすることがありますが、これは新生児期によくみられるもので、病気ではありません。

けいれんを起こす病気の種類

赤ちゃんに多いのは、熱が出てから24時間以内に起こる熱性けいれんや、激しく泣いて興奮したときに起こる憤怒(ふんぬ)けいれんですが、至急治療が必要な重い病気が原因のこともあるので、正しい情報を知っておきましょう。

熱を伴ってけいれんを起こす病気

熱の上がり際にけいれんを起こしたときは熱性けいれん、高熱を出して意識障害を起こしているときのけいれんは髄膜炎(ずいまくえん)や急性脳炎・急性脳症の可能性が高いです。後者は一刻を争うので、迅速な対応が欠かせません。

●熱性けいれん
発熱後24時間以内に起こることが多く、ほかにけいれんの原因となる病気がない場合を熱性けいれんといいます。急に白目をむいて手足をつっぱるなどの症状が見られますが、発作が終わると元の状態に戻ります。典型的な熱性けいれんの発作は長くても5分以内で、1回の発熱で発作は1回が大部分ですが、数回起こることもあります。

<対処法は?>
5分以上けいれんが続く、けいれんを繰り返す、意識が戻らないときは救急車を呼んで。5分以内に治まった場合も、初めてけいれんを起こしたときはできるだけ早く受診します。けいれんを起こすのが2回目以上で、熱性けいれんと診断がついている場合は、医師の指示に従って様子を見てもOK。

〇けいれん重責(じゅうせき)
けいれんが5分以上続くか、短時間の間に何度も繰り返し、その間、意識が回復しない状態の場合、特別な処置が必要になり、発作が治まってもしばらく注意して様子を見ていきます。


●ウイルス性胃腸炎に伴うけいれん
ノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなどによる胃腸炎のときにけいれんを起こすこともあります。発熱はないことも多く、けいれんをくり返すことが多いのが特徴です。

<対処法は?>
一般的なけいれん止めが効かないこともあり、けいれんをくり返すときには急いで受診してください。

●髄膜炎
脳や脊髄を覆う髄膜に炎症を起こす病気で、細菌性とウイルス性があります。けいれんのほかに機嫌が悪い、発熱、激しい頭痛、嘔吐、首の後ろがかたくなる・曲げにくいなどの症状が見られます。ウイルス性より細菌性のほうが重症化しやすく、命にかかわることもあります。いずれにしても至急受診が必要です。
<対処法は?>
髄膜炎の診断が確定したら入院して治療します。 

●急性脳炎・急性脳症
ウイルス感染(インフルエンザ、突発性発疹、ロタウイルスなど)が原因で、脳に炎症や急激な腫れが起こる病気です。高熱、頭痛、嘔吐、幻覚や奇声、けいれん、意識障害などが起こります。
<対処法は?>
治療が遅れると重い後遺症が出たり、命にかかわることもあるため、けいれんや意識障害などが見られたら、すぐに救急車を呼んでください。

熱を伴わずにけいれんを起こす病気

熱がなく元気な赤ちゃんが突然けいれんを起こすことがあります。とくに頭部打撲のあとにけいれんを起こした場合は、一刻を争う事態です。

●憤怒(ふんぬ)けいれん(泣き入りひきつけ)
激しく泣いたりかんしゃくを起こした最中に呼吸が止まったようになり、意識を失います。生後6カ月ごろから4才ごろまでの子が起こします。チアノーゼで顔色が紫色になったり、けいれんを起こすことがありますが、たいていは1分以内で収まり、治まったら普通の状態に戻ります。後遺症はありません。
<対処法は?>
初めて起こしたときは、憤怒けいれんであることを確認するために受診を。2回目以降で憤怒けいれんという診断がついている場合は、おうちで様子を見て大丈夫です。

●てんかん
脳の神経細胞の一部が異常に興奮しやすいため、全身の硬直や手足のびくつきなどの発作を繰り返します。適切な薬をきちんと服用することで、発作が起きにくくなります。
<対処法は?>
初めて起こしたときは至急受診。脳波検査で診断し、必要に応じてけいれんのタイプに合った抗てんかん薬を毎日服用し、定期的な検査を受けます。てんかんという診断がついていて2回目以降にけいれんを起こした場合は、5分以内に収まって意識が戻り、いつも通りなら医師の指示に従っておうちで様子を見てOK。

<てんかんのけいれん発作の種類>

〇強直・間代性(きょうちょく・かんたいせい)けいれん発作
強直性けいれんは筋肉が硬直することにより四肢や体幹がこわばり、体がつっぱったり、かたくなったりするけいれん。間代性けいれんは筋肉が緊張と弛緩を繰り返し、体がピクピクしたりガグガクしたりするけいれん。強直・間代性けいれんは、この2つのけいれんが合併したものです。強直性けいれんから始まり、やがて間代性けいれんに移行します。

〇欠神(けっしん)発作
5~15秒のごく短時間の意識消失発作が起こり、その間、動作を一時的に止めてじっとし、発作後は元の動作に戻ります。

〇ミオクローヌス発作
顔面、体幹、四肢などの筋肉に短時間のぴくっとしたけいれんが起こります。姿勢を保つために必要な筋肉の脱力が短時間起こるため、しりもちをついたり、がくっ頭を前にたれたりし、瞬間的な意識消失も伴います。

●打撲
赤ちゃんは体に比べて頭が大きいのでバランスが悪く、運動機能も未熟なため、よく転んだり落ちたりします。頭部、胸部、腹部、背中などを強く打ったときには、意識がなくなったり、けいれんを起こすなど、重症になることがあります。
<対処法は?>
打撲のあとにけいれんを起こしたら救急車を呼んで至急受診しましょう。

けいれんを起こしたときにするべきこと

赤ちゃんがけいれんを起こすとママやパパがパニックになりがち。でも、気持ちを落ち着かせて、赤ちゃんの様子をしっかり観察することが重要です。

けいれんを起こしている最中にすること

必要に応じて病院に連絡できるように、携帯電話やスマートフォンを近くに置いて、赤ちゃんの様子を観察します。

1 けいれんが続いた時間を確認
けいれんが続いた時間は診断の手がかりになります。けいれんが始まったら時計を確認し、何分続いたか忘れないようにメモしましょう。

2 けいれんの状態を確認
けいれんの状態も医師が診断する上で大切な情報に。けいれんが全身に左右対称に起きているか、体の一部だけか、片側だけか、白目をむいたときの瞳の位置(左を向いているなど)も観察してください。

☆衣類をゆるめ横向きに寝かせましょう
けいれんを起こしたら衣類をゆるめ、平らな場所に寝かせます。嘔吐物をのどに詰まらせないために、タオルを背中に挟んで横向きに寝かせて。

☆けいれん中、これはNG!
・抱き起こす、抱きしめる
・体をたたく、揺さぶる
・口の中に指や物を入れる
・パニックになって赤ちゃんの様子を見ない

けいれんが治まったあとにすること

けいれんが治まっても安心はできません。発熱の有無、いつもと違うところがないかなどのチェックが必要です。

1 意識の回復を確認
顔に赤みが出る、手や足のつっぱりやかたさがなくなる、目を開ける、泣くなどの様子が見られたら意識は戻っています。疲れて寝てしまった場合はそのまま観察します。

2 体温を測る
意識が戻ったら体温を測って記録。発熱がある場合は少しずつ水分補給をして脱水症状を予防しましょう。

3 けいれんを起こす前の状態を思い出す
けいれんを起こす前の状態も診断のために必要な情報。発熱があった、急に発熱した、大泣きした、何かの刺激を受けたなど、気づいたことをすべて医師に伝えましょう。

医師に伝えること

とくに緊急で受診したときはママやパパがパニックになっていることが多いもの。でも、医師に迅速な診断をしてもらうためには冷静になり、簡潔にわかりやすく赤ちゃんの症状を伝えることが重要です。

☆医師に伝えることチェックリスト
・発熱の有無  
・けいれんを起こした状況  
・けいれん中の状態(とくに左右差・目の位置)と、けいれんが続いた時間  
・繰り返しけいれんを起こした場合は頻度や間隔  
・治まったあとの様子  
・けいれんの経験の有無  
・親族にけいれんを起こした人はいるか  
・これまで使った薬  
・けいれん以外の症状

まとめ

どんな病気が原因でも、初めてけいれんを起こしたときは受診が必要。初めてのけいれんは心配なことばかりで気が動転してしまうと思います。でも、赤ちゃんの様子を冷静に観察し、医師に正しく伝えられるようにしてくださいね。(文・ひよこクラブ編集部)

監修
横田俊一郎先生
横田小児科医院院長。東京大学医学部付属病院小児科、社会保険中央総合病院(東京都新宿区)小児科部長などを経て、1993年に開業。ありふれた病気、健康増進のための医学、子育て支援をテーマに勉強を続けていらっしゃいます。

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