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子どもの睡眠不足は【精神・知能・身体】に影響大! 

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AGrigorjeva/gettyimages

近年、「日本人の睡眠時間は短い」とよく耳にしますが、それは大人だけの問題ではないと、国立青少年教育振興機構 理事長の鈴木みゆき先生は指摘します。実は、子どもの睡眠不足は大人以上に恐ろしかった!?その影響とは……?鈴木みゆき先生にお話をうかがいました。

子どものイライラや学力低下の原因となる睡眠不足

「子どもが理由もなくイライラしていたり、無気力になっていたりすることはありませんか?もしかしたらそれは、睡眠が足りていないからかもしれません。全国約1200名の保育者(幼稚園教諭・保育士)に尋ねたところ『朝ぼーっとしている』『無表情』など、子どもの睡眠が足りていないと感じる人は8割にものぼりました。

科学的にも、睡眠が足りていないと、感情のコンロールをしたり意欲的に物事に取り組んだりする働きを担う前頭連合野の働きが弱まることがわかっています。気分が落ち込みやすい、すぐに疲れる、注意力散漫などは睡眠不足が原因のことが少なくありません。

また、『早寝で睡眠時間が長い方が、成績がよい』という調査結果(※1)も出ています。これは当然といえば当然で、寝不足になると脳の働きが落ちるため、集中力や記憶力、意欲が低下し、知的な面でも大きな打撃を受けるのです。

加えて、早寝早起きで十分な睡眠時間が取れていないと、基本的な生活習慣が身に付けられません。規則的正しい生活が身に付けられなかったことが、結果的に高校中退の要因になったという調査結果(※2)もあります。」

性の早熟化、肥満化など、寝不足は子どもの成長の大問題

「睡眠不足は、体にも大きな影響を及ぼします。それは、疲労快復がはかれない、免疫力が低下するなどの、大人が経験から感じるような実害だけではありません。

睡眠中に分泌される重要な物質として、メラトニンがあります。メラトニンは、がん細胞の働きを抑制したり、老化を防いだりする大人にとっても重要な物質です。そして、0歳〜7歳の間は『メラトニンシャワー』と呼ばれるほど、大量のメラトニンが分泌される時期です。
このメラトニンには、思春期が始まるまで第二次性徴をおさえるという役割があります。つまり、メラトニンが大量に分泌されているから、乳幼児期にヒゲが生えたり胸が大きくなったりしないのです。

しかし、睡眠時間が少ないと、メラトニンによる抑制がうまく機能しないのではないかと案じられています。初潮の前掲現象にも影響しているのではないかと懸念する声もあります。
また、『3歳の頃の睡眠時間が10年後の肥満発生率に影響する』という調査結果も出ています(※3) 。3歳の時点で十分な睡眠を取っていないことが、ティーンエイジャーの時太りやすい傾向になるということがわかってきたのです。」

子どもの生活改善 夜すんなり眠り、朝スッキリ目覚めるには?

「睡眠不足が子どもにいかに大きな影響を与えるか、おわかりいただけたかと思います。では、どのようにしたら子どもの睡眠を守れるのか【就寝の5つのポイント】と【目覚めの5つのポイント】をお伝えします!」

【就寝の5つのポイント】

(1)夕食・お風呂の時間を決める
(2)TVやゲームは寝る1時間前に止める
(3)親の小言は8時まで!
(4)寝る前30分は部屋を暗くする
(5)明日休みでも、いつもより2時間以上の夜更かしはしない


「夕食やお風呂、遊びの時間、さらにはママパパの小言の時間までもタイムマネジメントすることで就寝時間が一定になります。そして、寝る前は体に夜が来たことを知らせる必要があるので部屋を暗くします。最後に、早寝早起きのリズムは崩れやすいものなので明日休みだからといって、2時間以上遅く寝ないようにしましょう。」

【目覚めの5つのポイント】

(1)朝目覚めたらカーテンを開けよう
(2)朝食はしっかり食べる
(3)家を出る1時間前には起きよう
(4)元気に家族で挨拶をしよう
(5)日中身体をよく動かそう

「太陽の光で体はスッキリ目覚めます。カーテンをしっかり開けて陽の光を取り入れましょう。そして、起床時は一番基礎体温が低く、活動開始にはパワーが必要ですから、朝食をしっかり摂ります。太陽を浴びる、朝食を食べるとなると、1時間前には起きていたいですね。日中外で体を動かすことで夜の良質な睡眠につながります。
朝と夜のメリハリある生活を心がけて、子どもたちの睡眠を十分に確保していきましょう。」

この記事では、2017年11月に開催されたイベント「たまひよカレッジ」で行われた立青少年教育振興機構 鈴木みゆき先生の「赤ちゃんの成長を促す睡眠〜早寝早起き朝ごはん! 赤ちゃんに快適な環境を脳科学から考える〜」の内容を抜粋してご紹介しました。

「たまひよカレッジ」は、「ママになっても・パパになっても学びたい!」を実現する学びの場です。
今年も9月30日(日)に実践女子大学 渋谷キャンパスで開催決定!
午前・午後の2部制です。ママとパパが赤ちゃん連れで大学で学ぶ1日。興味のある方は、こちらをチェックしてください。(文・たまひよカレッジ運営事務局)

■講師/鈴木みゆき先生
国立青少年教育振興機構 理事長

お茶の水大学大学院家政学研究科修了。医学博士。和洋女子大学人文学群こども発達学類教授を経て現職。
専門分野は保育学・睡眠学。手遊び・リズム遊びの創作やTV・雑誌での育児相談などのほか、文部科学省の委員を歴任。

●調査結果
(※1)「アメリカの高校生を対象にした調査」Wolfson & Carskadon, 1998
(※2)東京都教育委員会「都立高校中途退学者等追跡調査 報告書(2013)」
(※3)3歳児の睡眠時間と10年後の肥満との関連 関根道和

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