「ママじゃなきゃダメ!」な後追いどうすればいい?やっていいこと・ダメなことを専門家が解説
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後追いが始まると、どこに行くにも何をするにもついてきたがり、ママはイライラしてしまうことも。でも。「ママじゃなきゃダメ!」な時期を乗りきるポイントを子どもの愛着形成のエキスパートである、東京大学大学院教育学研究科教授の遠藤利彦先生がわかりやすくまとめてくださいました。
後追いは、ママへの愛着がより強くなることで始まる
「はいはいができるようになると、赤ちゃんは自力で移動することが可能になります。そのため、ママが少しでも自分のそばを離れようとすると、ついていこうとします。これが後追いです。後追いは、ママへの愛着がより強まっている証でもあります」(遠藤先生・以下同)
1歳以降に落ち着く子もいれば、後追いが激しくなる子も。
「個人差はありますが、赤ちゃんは9~10ヶ月ごろから後追いを始めます。その後、1歳以降になると、赤ちゃんの行動範囲が広がり、興味の対象が増えてくることで、後追いが落ち着いてくる子も多いですが、なかにはより後追いが激しくなる子もいます」
不安が強いときに後追いをする
「実は、赤ちゃんは不安が強いときに後追いをします。たとえば、トイレにまでついてきたり、少しでも離れると泣いたり、パパがいるのに、ママの方へ行きたがったりするのは、ママがそばにいなくて不安になるから。ですが、これも一時的なもの。赤ちゃんの気持ちを理解して、なるべくそばにいて安心させてあげることで、後追いは徐々に落ち着いていくでしょう」
後追い中にやっていいこと・ダメなことは?
「後追いする赤ちゃんへの対応キーワードは『安心感』。赤ちゃんは見通しがつくことで安心します。赤ちゃんの予測を裏切ることはせず、どういうときにママがそばにいてくれるかを示してあげると、赤ちゃんは安定していきます」
こうしよう①まずは抱っこで不安を取り除く
「赤ちゃんは不安だから後追いをしています。不安を取り除いてあげるためにも、まずは抱っこして安心させてあげることが大切です。赤ちゃんの要求に対してママが確実に答えてあげると、赤ちゃんも見通しがつくようになり、しだいに後追いも落ち着いてきます」
こうしよう②離れるときは一声かけて見通しがつくようにする
「赤ちゃんのそばを離れるときは、必ずひと声かけてあげましょう。泣くことがあっても、ママがちゃんと帰ってくることがわかるようになり、待てるようになっていきます。そっといなくなるのは赤ちゃんの不安を強くし、よりママに執着するようになるので逆効果です」
これだけはやっちゃダメ!:日によってママの対応が違う
「赤ちゃんから離れるときに声をかけることもあれば、黙ってこっそり離れることもあったり、泣いたときに抱っこしたり、しなかったり…など、ママが日によって違う対応をすると、赤ちゃんはいつまでも見通しがつかず、不安になってしがみつくようになることもあります。その日の気分で対応を変えるのはやめましょう」
「赤ちゃんが求めるときにしっかりとくっついて、たっぷりと安心感を与えてあげることが、遠回りに見えて最良の対応法です。また、離れるときは必ず声をかけて、赤ちゃんを安心させてあげられるといいですね」(取材・文/ひよこクラブ編集部)
■監修:遠藤利彦先生
東京大学大学院教育学研究科教授。専門は発達心理学、感情心理学。子どもの愛着関係の形成や社会性の発達に関する研究を行っています。
■参考:『ひよこクラブ』2018年10月号「人見知り・後追いどうすればいいの」より
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