子どものイヤイヤ期、親はどう対処したらいい?発達心理の専門家に聞きました
ネガティブなイメージが先行する、イヤイヤ期。子どもがイヤイヤをする理屈やしくみを知っておけば、むやみに恐れる必要がなくなります! イヤイヤ期の悩みや疑問について、発達心理の専門家、井戸ゆかり先生に回答していただきました。
Q:イヤイヤはいつまで続くの?
9カ月ぐらいから始まり、2才でピークを迎えるイヤイヤ期。いったいいつまで続くのでしょうか?
「個人差はありますが、3~4才くらいで収まるのが目安。感情のコントロールがうまくできるようになってくると、徐々に落ち着きます。またこのころになると気持ちを言葉で表現できるようになり、ママも対処しやすくなります」(井戸先生・以下同)
Q:イヤイヤしたときの基本の対処法は?
子どものイヤイヤを親が受け入れることで、伸びる能力もあるのだそう。そこで親はある程度子どものイヤイヤを受け入れる必要があるようです。ただ、頭ではわかっていても、なかなかうまく行かないのが現状。どうしたらいいのでしょうか?
赤ちゃんの気持ちに共感して
「“○○がイヤだったのね”“○○したかったね”と赤ちゃんの気持ちに寄り添い、言葉で代弁してあげましょう。自分の気持ちに気づくきっかけになります」
楽しい雰囲気で気分転換を
「おもちゃを見せる、音楽を流すなど視覚的・聴覚的に楽しく気分転換をさせましょう。“着替えたらお散歩しよう”など、楽しい提案も効果的です」
激しく泣いていたらスキンシップを
「激しく泣いてイヤイヤしているときは、クールダウンが先決。“大丈夫だよ”と声をかけ、スキンシップをして安心させてあげましょう」
そのほかもろもろ「イヤイヤのギモン」
イヤイヤ期が始まる前のママのギモンから、まっただ中のママのギモンまで、先生に具体的に答えてもらいました。
Q:イヤイヤしない子には問題がありますか?
「イヤイヤの表現が強い子、弱い子はいますが、まったくしない子はいません。実は赤ちゃんがイヤイヤしているのに、ママが気づいていない場合もあります。また、イヤイヤの表現の強弱が、成長や性格に影響することはありません」
Q:言葉の発達の早い子のほうがイヤイヤは少ないの?
「イヤイヤの強さ・弱さは赤ちゃんの気質によるもの。言葉の発達の早い・遅いはあまり関係ありません。ただ、言葉の発達が早い子は、イヤイヤの理由がママにも伝わりやすく、お互いに衝突することが少ないことは考えられます」
Q:公共の場でのイヤイヤ、どう対処するのがベスト?
「ママがあせって頭ごなしにしかると、さらに赤ちゃんのイヤイヤが激しくなりがち。周囲の目が気になるなら『すみません。騒がしくて』と謝り、赤ちゃんに『シーッね』と短く注意を。気持ちを切り替えるために、抱っこして外に連れ出したり、音の出ないおもちゃや絵本を見せるのもいいでしょう」
なんでもイヤイヤされてしまう時期は、本当に困ってしまうもの。子どもの気持ちを受け入れてあげるには、ママ側の気持ちの余裕も必要ですね。ただ、「子ども自身や他人に危険が及ぶときや、人に迷惑をかけるときは、“ダメ、危ないから”と短くわかりやすい言葉で、理由も添えてしかりましょう」と井戸先生。ママもうまく気分転換をしつつ、子どもと向き合ってあげてくださいね。(取材・文/ひよこクラブ編集部)
■2017年『ひよこクラブ』5月号「共感&切り替えで乗り切る9カ月からのイヤイヤ期攻略法」より
■監修:井戸ゆかり先生
東京都市大学 人間科学部 教授。発達臨床心理学、保育学が専門。乳幼児期からの子どもの心身の発達や、親子関係などを研究し、講演会などを行う。2人のお子さんのママでもあります。