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ママがダウン! さぁどうする!? パパの危機管理マニュアル

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Halfpoin/gettyimages

ママがダウン! それまでママに子どものことを任せっぱなしにしていたパパにとっては一大事。こんなとき、どうすればいいの…? いざというときに、あわてず騒がず落ち着いて行動するためのパパの危機管理方法を、3男の父親であり保育士のキャリアも持つ大阪教育大学教育学部准教授(家政教育講座)の小﨑恭弘先生に聞きました。

子どものつめ切り、していますか?

――妻が風邪でダウンしてしまいました! どうすればいいんでしょう?

小﨑先生:それは大変ですね。まずこういうときに「アカン」パパにありがちなのが、張りきりすぎてしまうことです。テンションが上がって、バタバタと大騒ぎしたり、張りきりすぎてしまったりするパパは、ちょっと落ち着いてください。何をいちばん求められているかというと、ママが安心して休める環境になっているかどうかということです。ママが安心するためには子どものお世話も重要ですよね。

――たとえば、子どもの食事なんかはパパが作らないといけませんよね。普段作っていないので不安なのですが…。

小﨑先生:別にごはんをちゃんと作らなくてもいいんですよ。そのときばかりは緊急避難的に、近所のファストフード店に連れていくのでもいいのです。手間をかける必要はありません。

――でも子どもだけなく、妻の食事も準備しないといけませんよね。

小﨑先生:それも、ママが何を求めているのか、ちゃんと聞いてから用意してください。実は僕も昔、妻が病気のときに失敗した経験があります。ガーリックチャーハンを作ってしまったんです(笑)。冷静に考えたらわかることなのですが、そんな風味の強い食べ物、体調が悪いときに食べたいと思いませんよね。でも普段料理をしていないと、いざというときにそういった想像力が働かないのです。何でもできる必要はありませんが、最低限必要なスキルは夫婦間でシェアしておくべきでしょう。

――ママのニーズもしっかり把握しないといけませんね。

小﨑先生:以前あるプレママのイベントで、プレママたちの話を聞いたら「夫はいろいろやってくれている」という声が多くありました。でも、「ずれている」と言うんです。さっきも言った張りきりすぎる男性は、ニーズを理解せずに突っ走ってしまうことがあるので、きちんとニーズを把握する必要はあります。

――普段からの夫婦間のコミュニケーションが大切なんですね。

小﨑先生:緊急時に対応できる人というのは、普段がわかっている人。そういう人は変化球に対応できます。しかし普段のことがわかっていない人は、いざというときにあたふたする。たとえば子どものつめ切り、やっていますか?

――いえ…、やっていないです。

小﨑先生:どうして?

――自分がやるのはちょっと怖くて…。妻に任せています。

小﨑先生:それ、ママも怖いんです。つめ切りはママも怖がりながらやっている。パパはそういった日常の場面でも、ママが負担している責任と気持ちを引き受けないといけません。私も、子どもが小さいころ病院に運ばれたときに、先生から子どもの生まれたときの身長や体重を聞かれて、答えられずに怒られた経験があります。そういったことすら知らないという無責任さを、まず自覚しておくことが大切だと思います。私が作った「パパの通信簿」というものがあるので、それもやってみてください。それで、いかにママに任せきりになっているのかということがよくわかると思います。

――普段からしておくべきこととして、何かいい方法はありますか?

小﨑先生:まずはパパと子どもだけで、30分でいいので出かける経験をしてみてください。それができたら一日過ごしてみる。最近は鉄道会社などがよくスタンプラリーなんかの企画をやっていますよね。パパと子でそれにチャレンジするのもいいでしょう。パパと子のやりとりを増やしておくことで、ママの緊急事態にも対応できるようになります。できれば2日くらいはパパと子だけで生活できるようなスキルは持っておくべきです。

「パパの通信簿」をつけてみよう!

小﨑先生考案の「パパの通信簿」をつけてみよう! 自己採点したら、ママにもちゃんと見せましょう。甘い自己評価は必ず見破られるので気をつけて!

以下の4つで自己採点
◎…ばっちり
○…だいじょうぶ
△…ちょっと自信がない
×…ダメ

<遊び>
□子どもの好きな遊びを知っている
□子どもが泣いているとき、機嫌の悪いときに笑顔にできる
□子どもの好きな絵本、遊びを知っている

<食事>
□子どもの好き嫌いを知っている
□子どものごはんを作ることができる
□子どもにお箸を使わせることができる

<排泄>
□うんちの対応ができる
□おしっこのサインがわかる
□紙おむつやパンツの値段を知っている

<清潔>
□子どもと一緒におふろに入る
□つめ切り、耳掃除ができる
□子どもの服のサイズを知っている

<社会>
□子どもと仲のいい友だちを知っている
□出産祝い、お年玉の相場を知っている
□小児科、耳鼻科、内科、外科、眼科、歯科、夜間診療の医院がどこにあるかを知っている

<お出かけ>
□家の近くの公園や遊び場に行ったことがある
□お出かけグッズをすぐに用意できる
□子どもと一緒に行けるお店を知っている

子どものことが大好きで、たっぷりの愛情を注いでいるつもりでも、「パパの通信簿」をつけてみると、「実はママに任せきりだった!」と猛省するパパも多いのではないでしょうか?(いや、多いハズ!)。せめて全項目で○(だいじょうぶ)以上にしておきたいですね。いざというときにあわてないよう、普段からママなしでも子どもと一緒に行動できるようにしておきましょう。(取材・文/香川 誠、ひよこクラブ編集部)


監修/小﨑恭弘先生
大阪教育大学教育学部教員養成課程准教授(家政教育講座)。西宮市初の男性保育士として活躍したのち、大学の准教授やNPO法人「ファザーリング・ジャパン」の顧問として活動中。3男の父。

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