ママ×医師 友利先生の子育てが楽しくなる処方箋#1「赤ちゃんは薄着がいいの?」
朝晩と日中で寒暖の差が激しい季節、赤ちゃんに何を着せたらいいか悩んでいるママも多いのでは? 現在2人のお子さんのママとして、医師として、さまざまなメディアで活躍中の友利 新先生に、ママからの疑問に答えていただきました。
家で赤ちゃんに薄着をさせていたら、義母から注意されて…
<ママからの質問>
「まだ少し寒い日も続きそうですが、息子の通っている保育園では薄着が推奨されており、肌着と薄い長袖+ズボンで過ごしています。家でもそれにならって薄着で過ごしていたら、義理母から『手足が冷たいからもっと厚着をさせたほうがいい』と言われてしまいました。薄着と厚着、どっちが正しいの? おすすめの着せ方などあれば教えてください」(1才7カ月の男の子ママ)
大人より1枚少ないくらいでOKです
「確かに日本では、真冬でも子どもが半ズボンを履いていることが多く、これはヨーロッパの服飾文化から由来されていると言われています。一見、寒そうに見えますが、実は子どもは大人よりも代謝が良く、体温が高く、皮膚から熱を放出させなくてはならないので、大人が思っているほど寒く感じていないこともあります。
生後5~6カ月になると体温調節機能も整ってくるので、心配しすぎて厚着をさせてしまうと、かえって汗をかいてしまい、そのことによって体が冷えてしまうということもあります。これは赤ちゃんも同じなので、厚着をさせるよりも、大人より1枚少ないくらいでいいでしょう。大人がみて寒そうだからかわいそうという判断よりは、本人が元気で快適そうであれば基本的には問題ありません」(友利先生・以下同)
脱ぎ着させやすい衣類で調節をしましょう
「巷では、”薄着だと自律神経の働きがよくなり、免疫力が高くなるので風邪をひきにくい”と言われることも多くあります。確かに、体には体温を一定に保つ働きがあり、寒さを感じれば毛穴を収縮させて、体温を逃がさないようにします。しかし、そのことが実際に自律神経の働きを高め、風邪を引きにくくなるという医学的データやエビデンスはありません。体温が高めの赤ちゃんですが、逆にすぐに体温が奪われてしまうことも多く、極端な薄着は推奨できません。
お出かけには、暑ければ脱ぐことができて、体が冷えてきたらすぐに着せられるような着脱しやすいアウターを持っていくことをおすすめします。なかなか難しいですが、まずは自分のお子さんをしっかり観察して、お子さんが快適そうであれば問題ないと思って安心してくださいね」
ついつい赤ちゃんには厚着をさせてしまいがちですが、大人より薄着くらいを目安に考えるとちょうどいいようです。お出かけのときは着脱しやすいアウターを持参してみて。(取材・ひよこクラブ編集部)