育休復帰して毎日大変… 先輩たちに「実践している “ひと工夫”」を聞いてみた!
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育休復帰後の毎日は困りごとの連続。家庭と両立しながら円満に働くためには、どうすればよいのでしょうか? 育休から復帰して働いている先輩ママパパに経験談を聞きました。
大切なのは「習慣づけ」と「ポジショニング」
4歳と1歳の男の子のパパIさんは、妻が育休に復帰する1〜2ヶ月前からフレックス勤務を活用し、週に2回、早く帰るようにしたそう。
「早く帰る曜日は夫婦で相談して決めました。妻の復帰前から実施することがポイントです。上司や同僚にも慣れてもらえたと思いますし、共働き生活をスタートする前に“新しい働き方”として習慣づけられたのがよかったです。」
その結果、職場で周囲と協力してテンポよく仕事を進められるようになり、妻の育休復帰をスムーズに乗り越えられたそうです。
また、1歳11ヶ月の男の子のママIさんは独身時代が長く、出産は39歳の頃。
出産前までは時短で帰る同僚を見て、「私も今夜は婚活に行くから早く帰りたい」「そろそろ妊活をしたいのに……」と思うこともあったそう。
でも出産し復帰してみて、時短で帰る側のつらい気持ちもわかるようになりました。
「時短で先に帰ることを申し訳なく思って謝るばかりの毎日は、予想以上につらいものでした。でも、時短でもそうでなくても、自分の業務をしっかりとこなし、職場に貢献することが大切だと気づいたんです。」
そこで、短時間でも存分に能力を発揮するために意識したのが“職場でのポジショニング”です。
「大切なのは働く時間の長短ではなく”いかに職場に貢献できるか”だと思うようになり、職場における自分の位置づけを見直しました。自分が得意なことを明確にして周囲に伝え、得意な業務を得られるように、自分をポジショニングしたんです。得意な業務が増えて短時間でも成果を出しやすくなり、時短の罪悪感も減りました。」
復帰後は「進捗&家庭事情」を積極的に話す
2歳と5歳の子どもを育てているママOさんは、育休復帰後に一工夫。仕事の進め方を変えました。子どもの病気や怪我で突然帰らなければならなくなっても迷惑がかからないように、自分から仕事の進捗を報告するようになったそうです。
2歳の男の子のパパKさんも、ママOさんと同じく進捗共有派。さらに、普段から進捗だけでなく子どもの様子も職場で話すようにしています。パパKさんのお子さんは生まれつき体が弱く、入院することもしばしば。何かあったときすぐ周囲に理解してもらえるよう、家庭の事情を職場の同僚にも伝えています。
「息子は急な発熱が多く、何度も救急車に乗っています。その話を周囲にしたところ、『大変なんだね』と声をかけてもらえるようになり、早退や休みを申請するハードルが下がりました」
緊急事態発生! 夫婦で対応?シッターに依頼?
しかし、入念に準備をしていても、突然子どもが病気にかかってしまうこともあります。さらに会議や打ち合わせが重なり、「夫婦2人とも休みをとれない」という場合も……。そんなとき、共働きのママパパはどう対処しているのでしょうか。
パパKさんの家では、子どもが月に一度は必ず熱を出してしまうそう。朝から熱がある場合は夫婦で相談し、午前と午後で交代しています。バトンタッチの時間は13時。どうしてもバトンをつなげない場合は、シッターや義母に依頼して空白の数時間を埋めているそうです。
冒頭のママIさんも、突然の発熱にはあたふた。理解のある上司に相談して仕事を片付け、慌てて帰ることが何度もありました。しかし、子育てをするうちに、少しずつ状況を察知できるようになったそうです。
「子どもが熱を出して出勤できなくても自宅で対応できるように、嫌な予感がする日はパソコンを持ち帰るようになりました。復帰して数ヶ月経った頃から、勘が冴えるようになった気がします」
一方、夫が海外赴任中のママOさんは事前に病児保育が可能なベビーシッターサービスに加入しているため、緊急時はシッターさんに対応を依頼しています。そして職場で「今日、うちの娘が体調を崩しているんです」と家庭事情を共有。スケジュールに余裕があるときは同僚や上司が「早めに帰ってあげて」と言ってくれるそうです。
「『できる限り仕事に影響がでないように頑張っています』と普段からさりげなく伝えていたら、いざというとき、周囲が自然に動いてくれるようになりました。でも普段から無茶をして残業したりすると、『あの人は無理がきくんだ』と思われてしまい、結果としていざというときに対応できず職場により迷惑をかけてしまう場合も。これから復帰する人は自分と職場のペースがつかめるまで、頑張りすぎないように気をつけてくださいね」
この記事は、2019年3月に開催されたイベント「たまひよカレッジ」で盛況を博した「【トークセッション】夫婦で聞きたい!先輩パパママの24時間」の内容を抜粋したものです。
(文・華井由利奈)