後悔しない幼稚園選びのための“たったひとつ”のポイント
勉強重視or自由遊び重視? お弁当or給食? 制服ありorなし? 延長保育は? 年中行事は? さまざまな特色をもつ幼稚園の中から、わが子に合う幼稚園を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。失敗しない、幼稚園の選び方について子育てアドバイザーの長島ともこさんが解説します。
幼稚園を選ぶときにママが確認しておきたいこと
幼稚園とは、満3歳から小学校入学までの幼児の教育を行なう機関を指します。少し前、働くママは、保育時間が長い「保育園」、専業主婦のママは保育時間が短い「幼稚園」に入れるという流れが一般的でした。
しかし最近は、預かり保育や放課後の課外活動を取り入れる幼稚園も増えてきており、それぞれの園の特色も多様化してきています。
幼稚園は国立、公立、私立の3つがあります。
幼稚園を選ぶときは、最低限、以下7つの項目をしっかり確認しましょう。
1.教育方針 どんな教育を実践し、どんな子どもに育むことを目標としているか
2.園の1日 子どもの1日の過ごし方やプログラムの内容
3.年間行事 運動会、学芸会などの予定と保護者の関わり
4.昼食 給食か、お弁当か
5.預かり保育 有無とその時間帯や内容
6.通園方法 園バスの有無や送迎方法
7.教育費(保育料) 入園料や月謝の金額
8.入園準備品 制服、園バッグなど入園準備品
これらはHPやパンフレットを見れば大体わかりますが、園の“生の空気”にふれるためにも、説明会や見学会に実際に足を運び、参加することをおすすめします。
地域によっては、地域の子育て支援団体が、周辺のいくつかの園に子どもを通わせているママを呼び、実際の様子を聞くことができる座談会を開催することも多いもの。そのような場に足を運び、比較検討してみるのもよいですね。
“たったひとつ”のポイント「どんな子に育ってほしい?」夫婦で話し合おう
幼稚園選びの際、上にあげた中で7つの項目の中で、いちばん大切なのは1の「教育方針」だと思います。どの園もそうだと思いますが、幼稚園は「園長先生の子どもたちへの思いが、その園の雰囲気を作っている」といっても過言ではないでしょう。
説明会などでは必ず園長先生からのお話があります。その話に耳を傾け、共感できたり、「子育てのヒントになるようなアドバイスをもらえたな」と思えたり、わが子がこの園で楽しく過ごす姿がイメージできたりすれば、その親子にとっての「よい園」だと思います。
このような判断ができるようにするために、いちばん大切なこと。それは、
・わが家が、子育てで大切にしていること
・どんな子に育ってほしいか
など、家庭での教育方針のようなものを、夫婦で共有することだと思います。
「小さいうちは、とにかくのびのび遊んでほしい」という家庭は自由を重視する園、「小学校受験を検討している」という家庭はいわゆる“お勉強系”の園など、わが子の気質や性格を鑑みながら、ある程度の方向性を決めたうえで説明会などに参加するのがよいでしょう。
教育方針のようなものを固めたうえで、ママが日中働くのならば預かり保育の有無、昼食はお弁当か給食か、などをチェックしながら候補をしぼっていきます。
見学はマスト。園児や保育者の様子で園の「空気」を感じ取る
その園の様子をもっと知るためには、やはり園に見学に行くことをおすすめします。お友達のママと一緒に足を運ぶのももちろん良いと思いますが、一人(親子1組)でも足を運んでみてください。
園の見学は、園庭で子どもたちが遊んでいる様子を見ることが多いと思いますが、
・園児たちは楽しそうに遊んでいるか
・教諭が、園児とどのように接しているか
この2つに注目してみましょう。
「みんな楽しそうに遊んでいる」
「先生が、園児の話をしっかり聞いてあげていて、頼りになりそう」
など園に流れる空気を感じとってみてください。
私は下の子の園見学のときには、下の子を連れて一人で行きました。園庭のすみっこで、園児たちが遊んでいる様子を眺めていたら、知らない男の子がかけよってきて「ねえねえ見て!どんぐり拾ったの」と声をかけてくれ、息子にそのどんぐりをくれたのです。
言うまでもなく、後日その園に入園を決めました。その子の笑顔がとても自然でやさしく、「息子もこの園に入って、この子みたいなお兄さんになってほしいなぁ」と思ったからです。
子どもの園選び。失敗したくないと思うと、どうしても肩に力が入ってしまいますよね。近所の評判や噂などに惑わされず、まずは自分の目で見て、感じることが大切です。わが家なりのぶれない軸をもち、親子が3年間笑顔で過ごせる幼稚園を選びたいものです。