「お友だちとおもちゃを取り合う…」行動を成長につなげるコツ
お友だちとおもちゃを取り合ったりうまく遊べないお子さんは、裏を返せば“集中力がある子”と言えるようです。
とはいえ、「お友だちとの遊びは楽しい!」と思えるように、サポートすることも大切なんだとか。最適なサポートのしかたについて、保育者育成をはじめ、お子さんやその家族への育児支援などに力を注ぐ藤原里美さんに教えてもらいました。
お友だちとの遊びを楽しく感じる時期には個人差が!
2~4歳ごろは、一人で好きなおもちゃでじっくり遊ぶという「ひとり遊び」から、数人のお友だちがいる中で同じおもちゃを使って各自が自分の遊びを楽しむ「平行遊び」へと移行する時期です。
でも、「平行遊び」を楽しいと感じる時期には個人差があり、自分の好きな遊びに没頭することを楽しむお子さんは、お友だちがかかわることを嫌がります。
そのため、自分で遊んでいるおもちゃにお友だちが興味を示すと、おもちゃの取り合いをすることも目立ちます。これは、一見短所に思えますが、集中して遊び込めるという長所でもあります。
お子さんは、お友だちと一緒に遊ぶよりも、自分の世界を堪能したいと思っているのかもしれません。
気持ちを尊重し、無理なく「平行遊び」を促すサポートを
「ひとり遊び」を存分に経験することで、「平行遊び」への移行を促すので、あせらずお子さんの成長を待つことが大事です。
「お友だちと仲よく遊ばなきゃダメでしょ」などと叱ったり、無理にお友だちと遊ばせようとするのは避けましょう。「ひとり遊び」したい気持ちを尊重し、お友だちと遊んでいる普段の様子を保育士さんに聞いてみましょう。
お子さんが無理なくできる「平行遊び」の環境を園と相談しながら探り、練習できるようにサポートを。
おもちゃの種類やお友だちとの相性などによっては、うまく遊べる場面が増えることがあります。合わせて、一人でじっくり遊べる環境づくりのサポートも園にお願いしてみましょう。
お友だちの介入が日常化すると、お子さんのストレスになります。それにより、おもちゃを取り合うことが増えたり、お友だちとうまく遊べないことがパターン化することもあるので、満足できる「ひとり遊び」を守り、情緒を安定させることが大切です。
その上で保育士さんや保護者などが仲立ちしながら、お友だちと遊ぶ楽しさも経験させていけるといいですね。
■監修:一般社団法人チャイルドフッド・ラボ代表理事 藤原里美先生
明星大学非常勤講師(障害児保育)、臨床発達心理士、自閉症スペクトラム支援士、早期発達支援コーディネーター、保育士。
■イラスト・マンガ/鳥頭ゆば(トリあたま絵日記)