手すりをつけたら9割の補助金!?お得にリフォーム・リノベできる補助金、減税制度
リフォームやリノベーションには補助金や減税制度などのお得な制度がいろいろありますが、どんなリフォームにも使えるわけではなく、制度によって条件が決まっています。今回はどんなリフォームやリノベーションにどんな支援制度があるのかをファイナンシャルプランナーの松岡紀史さんに紹介してもらいました。
松岡 紀史
ライツワードFP事務所代表
筑波大学大学院経営・政策科学研究科でファイナンスを学ぶ。20代でオーストラリアを一周した際、収入は多くないが豊かに暮らすオージーの生き方に関心し、日本にもお金と幸せに付き合う生活を広めたいという想いからFP事務所を設立。
リフォーム・リノベで受けられる補助金
リフォームやリノベーションに関してなぜ補助金が出るのかというと、国や地方公共団体が性能の高い住宅やエコな住宅を普及させたいという目的があるからです。なので、すべてのリフォームに補助金が出るのではなく、対象となる工事や性能基準、また対象期間などが制度ごとに定められています。お得にリフォームを行うためにも、前もってこれらの条件をよく確認し、リフォームを行う事業者にも補助金を利用したいことを伝えておきましょう。
介護保険からの工事費補助
手すりの取り付けや段差の解消など、バリアフリーのためのリフォームは介護保険制度の対象になり、「要支援」または「要介護」の認定を受けた人が住む住宅なら、介護認定レベルに関係なくリフォーム費用の9割が支給されます。
工事費の上限は20万円なので、最大18万円まで補助を受けることができます。また、要介護レベルが上がったとき(3段階)、転居したときは再度上限が20万円まで設定されます。
参照:厚生労働省「介護保険における住宅改修」
長期優良住宅化リフォーム推進事業
耐震性があって劣化に強く、また省エネで維持管理がしやすいなど、住宅を長く大切に使うためのリフォームをするときに利用できるのが「長期優良住宅化リフォーム推進事業」です。
リフォーム後の性能の高さによって、「評価基準型」「認定長期優良住宅型」「高度省エネルギー型」の3つの補助メニューがあり、補助限度額は評価基準型が100万円、認定長期優良住宅型は200万円、高度省エネルギー型は250万円と、性能が高くなるほど多くなります。
参照:建築研究所「長期優良住宅化リフォーム推進事業」
税金が安くなる制度も知っておこう
補助金のほかにも、税金が安くなる制度があります。今回は「住宅ローン減税」と「贈与税の非課税措置」についてみていきます。
リフォーム減税
リフォームをすると税金が軽減される制度もあります。税金が安くなると手取りが増えるので、結局家計にはプラスになります。所得税が安くなる制度は「投資型減税」「ローン型減税」「住宅ローン減税」の3つがあり、この中から1つを選びます。
リフォームにはお金がかかるため、ローンを組んで行う方も多いですが「投資型減税」ではローンを組んでいなくても利用できます。税金が軽減される「控除額」は工事費用の10%で、控除される期間は1年です。
残りの2つの制度はローンを組んでリフォームをした方が対象になります。まず、「ローン型減税」では5年以上のローンを組んでいる必要があり、バリアフリーや省エネ化など性能向上のためのリフォームの費用の2%と、年末に残っているローン残高の1%が5年間控除されます。
「住宅ローン減税」は10年以上のローンを組んでいる人が対象で、年末に残っているローン残高の1%が10年間控除されます。また、消費税10%になってからリフォームした場合、控除期間が13年に延長されています。
参照:一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォームの税制の手引き」
贈与税の非課税措置
誰かから贈与を受ける場合、本来であれば贈与税を払わなければなりません。ただし、リフォームが目的で両親や祖父母などから資金援助を受ける場合、一定の額までは贈与税がかかりません。
消費税10%が適用される取引では、省エネや耐震性がある「質の高い住宅」だと3,000万円まで、通常の住宅では2,500万円が非課税になります。ただし、質の高い住宅でも2020年4月からは1,500万円、2021年4月からは1,200万円と、契約する年が遅くなるほど非課税額が少なくなる点は注意しましょう。
参照:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」
その他の補助金も調べてみよう
上記で紹介したもの以外にも、リフォーム時に役立つ制度があります。詳しくみていきましょう。
次世代住宅ポイント
次世代住宅ポイント制度は、一定の省エネ性・耐震性・バリアフリー性能などを満たす住宅の新築・リフォームをした方に、さまざまな商品と交換できるポイントを発行する制度です。
ただし、この制度は2020年3月で終了する見通しなので、リフォームを行うなら2020年3月31日までに契約して工事に取り掛かっていることがポイント発行の条件になります。
各自治体の制度もチェック
これまで紹介した国が実施している制度とは別に、市区町村など各自治体が独自に補助金や優遇制度を設けていることも多いので、住んでいる市区町村に問い合わせてみたり、ホームページなどで確認してみましょう。ただし、他の補助金と併用できないこともあるので、どの制度を利用するのが一番いいのかは慎重に決めましょう。
参照:国土交通省「次世代住宅ポイント事務局」
リフォームやリノベーションに対する補助金や減税制度を紹介しました。これらは期限が決まっていることも多く、利用するにはタイミングが大切です。これからリフォームする方は、今後の優遇制度にもアンテナをはり、工事をする事業者とも相談することで、お得にリフォームができるでしょう。