乳幼児期にマイホームをゲット!その後の家計見直しポイント
念願のマイホームをゲット!したのはいいけれど、多くの人にとって住宅は人生最大の買い物。購入前と購入後では、家計が大きく変わります。これから赤ちゃんが成長すれば教育費もかかるし…と不安が募るママ・パパも多いのではないでしょうか。そこで、ファイナンシャルプランナーの竹下さくら先生に、住宅を購入した乳幼児ファミリーが気をつけたい、家計のポイントを教えてもらいました。
マイホーム購入後の家計見直しポイントは3つ!
あこがれのマイホームをゲットできたら、これを機会に家計の見直しをしましょう。ぜひしてほしいのが、「保険の見直し」「住居費の見直し」「使途不明金の見直し」の3つです。これらを一度見直して整理することで、節約はもちろん、安心して暮らす土台を築くことができますよ。
【1】保険を見直そう
ローン契約を結ぶ際に、「団体信用生命保険」や「火災保険」などに半強制的に契約したのではないでしょうか。これにより、必要な保険の内容が変わってきます。
今まで加入していた保険の保障(補償)内容や月々の負担額を「本当にこれでいいのか」見直していきましょう。
生命保険は保障額を減額してOK!
住宅ローンを組むときに「団体信用生命保険」に入りましたね。世帯主に万一のことがあった場合、家が残ってローン返済は免除、というこの保険に入ることで世帯主死亡後の「遺族の生活費」のうち、住居費はほとんどかからなくなります。つまり、そのぶんだけ自分で入る生命保険は少なくてもいい、ということになります。
就労不能になったときの保険をプラス
世帯主が死亡、ももちろん大変なのですが、実はもっと大変なのは世帯主が生存しているのに病気やけがなどで収入がない状態が長期に続くときです。なぜなら、住宅ローン返済は免除されない上に、治療費がかかったり、収入がダウンしたりする可能性があるからです。
生命保険を減らすぶん、就労不能になったときの保険をプラスするのがおすすめです。保険の種類は4種類あります。
1 就業不能保険
2 所得補償保険
3 長期所得補償保険
4 疾病保障つき団信
就業不能保険は生命保険会社、②③は損害保険会社の商品です。
「疾病保障つき団信」は、団信に所定の疾病保障を加えた保険です。団信による死亡・高度障害時の保障に加え、所定の病気になったり、病気が原因で就業不能になったりしたときにも、保険金でローン残債がゼロになったり半額免除になったりする点が大きな魅力です。ただ、この保険はローン契約時にしか入れません。途中から入りたい場合は、借り換えのとき契約するしかなく、しかも入れるのは50才まで。かなりコストパフォーマンスのいい保険なので、興味のある方は検討してみてください。
火災保険の補償内容をもう一度チェック!
団信と同様、半強制的に加入した火災保険ですが、補償内容はしっかりチェックしましたか?
住宅購入でローンを組むときに契約するのは「建物の補償」であり、多くは「家財の補償」は含まれていません。
保険料は増えてしまいますが、できれば家財の補償がついた火災保険に加入したほうが安心です。なぜなら、万一火災が発生したとき、建物の補償だけでは再建費用がたりないかもしれないからです。
貯蓄が少ない人ほど地震保険を検討して
地震保険については、ローン契約時に半強制的な加入のすすめはなかったでしょう。地震保険は火災保険の保険金額の30~50%の範囲内で加入できます。保険料は増えてしまいますが、貯蓄が少なく、地震に備えるお金が十分といえない場合は検討するといいですよ。
【2】住居費を見直そう!
住宅費の見直し方法はいろいろありますが、ここでは、「修繕維持費」に注目します。賃貸生活ではかからなかった費用なのでよくわからない、という人が多いと思いますが、どれくらいかかるのかまずは把握することが大切です。いざというときのために備えておきましょう。
マンション:「修繕積立金」以外にリフォーム費用が必要
毎月、マンションの修繕積立金として、どれくらいかかっていますか?国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」によれば、ひと月一戸あたりの平均額1万2268円というデータがありますが、これですべてを維持できるわけではありません。修繕積立金は、あくまでエレベーターや廊下など共有部分の修繕にあてるお金です。自分たちが住む専有部分のリフォームをしたいときや給湯器など設備故障の修繕費用は別途お金がかるので、計画的に貯蓄することが大切です。
また、修繕積立金ですべて工事費用をまかなえないケースもあり、20年目など大規模修繕時に修繕積立一時金として、お金を徴収されることもあります。修繕積立金を払っているから大丈夫、というわけではないので注意が必要です。
戸建て:10年ごとにどんなリフォームをするのかイメージして
戸建ての場合、積立金というものはありませんが、不具合が生じた場合はすべて自分たちで何とかしないといけません。外壁の塗り替え、白アリ予防工事など、ちょこちょことメンテナンスが必要になります。修繕の目安は10年ごととされていますので、10年ごとにどんなリフォームをするのか、それにはどれだけお金がかかるのか計画を立てること大切です。
また、戸建ては一般的にはマンションに比べて土地による評価部分が大きいので、そのぶん固定資産税がかかってきます。土地が広いだけ負担が増えるので、きちんと家計に組み込んでおきましょう。
【3】使途不明金をなくそう!
家計簿の中でいちばん危険なのが「使途不明金」です。使途不明金はその場の現金払いが多く、中でも子どもの教材費や遠足代などにありがちです。領収書がないことが多く、意識しないまま消えてしまいがちなのです。
使途不明金を出さないようにするポイントは、生活費と切り離した教育費専用口座をつくること。子どもの教材費などを家計からではなく、専用口座だけから出すようにします。
必要なぶんだけ引き出すようにすれば、通帳で管理することができるのでおすすめです。(取材・文/岩崎緑、ひよこクラブ編集部)
いかがでしたか?とくに保険については、家を購入したことで大幅な見直しが必要なママ・パパが多いのではないでしょうか。教育費がほとんどかからない乳幼児期の今こそ、家計の見直しをするチャンスです!
■監修/竹下さくら先生
(ファイナンシャル・プランナー)
大学生、高校生の母でもある経験に基づいたアドバイスに定評があります。『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など著書多数。
■参考文献/『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』