【せやろがいおじさん インタビュー】育休の「休」を変えたらいいかもに共感
今月半ば、小泉進次郎環境相が「育児休暇」を取得すると表明したことに多くの批判の声が上がり、たまひよONLINEはさまざまなことを考えざるを得ませんでした。そんななか編集部が観た一本の動画、それが、お笑いコンビ、リップサービスの榎森耕助さん(32才)、通称「せやろがいおじさん」の「育休を取った小泉進次郎に一言」でした。前編『進次郎の育休は是か非か? 頭が固まっている人は「せやろがいおじさん」をみて!』に引き続き、インタビュー後編をお届けします。
昨年6月に厚生労働省が発表した男性の育児休業取得者の割合は6.16%。前年度比は1.02ポイント上昇したとはいえ、2016年6月の閣議で決定した政府目標2020年13%にこのペースで届くのか…。編集部では数字がアップすればいいと思っているわけではありません。赤ちゃんを育てる、ひいては赤ちゃんの環境をよくするにはどうすればいいのか。
「おーい進次郎 大臣のくせに何育休とっとんじゃー 的なこと言おうと思ったのに 調べれば調べるほど 進次郎ナイス! と言わざるを得んやないかい」
約5分のせやろがいおじさんの動画(前記事で詳しく解説)は、多くの人のヒントになる情報がぎゅっとまとまっています。
育休の「休む」がバカンスと、捉えられていないか?
――動画の中で「育休の休むという字が絶妙にバカンス感があってアカンと思うねん」ということを言ってましたが?
榎森 育休取っても旦那はなんもせえへんし、って声がいっぱいあると思うんですが、それに対しての僕なりのアンサーというか。あと実際、取材で旦那さんも育休中何したらいいかわかってないんじゃないかという声にいきあたって、そうだろうな、と。
わかってないからダラダラしちゃう。育休中に何をしたらいいのか訓練を産前教室とかでアプローチしたらいいんじゃないか。で、言葉からまずは『育児ブートキャンプ』とかに変えたらいいんじゃないかなと思います」
――動画で工夫した点など教えてください。
榎森 この動画にかぎらずなんですけど、お笑い芸人なんで、笑いとセットでやりたいって思ってるんです。批判して終わりじゃない。そこからどうしたらよくなるか、笑いならできることもあるかもしれない。
――今回も謎のポーズや、冷たい水にとびこんだりといろんな意味で目が離せませんでした。
榎森 笑いながらやったほうが、見る人の頭に入っていくなと思うんです。
急な取材依頼にもかかわらず、丁寧に答えてくれた榎森さん。榎森さんのオンラインサロンの参加者に「働き方改革を推進している人や、育休コンサルをしている人がいて、いろいろ教えてくれたことがきっかけのひとつ」と話してくれました。
榎森さんが参考文献としてあげている書籍などは「協力してくれた人たちが選んでくれた」ととのこと。偏りや思い込みがないようさまざまな視点でこの問題をとらえているのが伝わってきます。
進次郎氏は国会や閣議のない日を選び、できるだけ公務に支障のない日、土日を含んでの2週間。しかもテレワークなどで休暇中も仕事を優先するとのこと。実質の休暇は計何日なのか…。2週間よりかなり短くなるのではないかと推察されます。それでも、多くの批判が集まるのはなぜでしょうか。
育休を大臣が取らないということは、たとえるなら年金を納めてと旗を振る人が納めていないような、予防接種を打ってと啓発する人が打ってないような、そんな声もあります。
それでもかつて男性の育休がここまで注目されたことはないことを考えますと、せやろがいおじさんと同じく、進次郎氏に「ナイス!」と言いたいと思いました。
(文・たまひよONLINE編集部)
せやろがいおじさん
榎森 耕助(えもり こうすけ)/えもやん
プロフィール
1987年生まれ。奈良県出身。お笑いコンビ「リップサービス」を金城 晋也と結成。オリジン・コーポレーション所属。Youtubeチャンネル「ワラしがみ」では『せやろがいおじさん』として笑いを通して社会問題に物申す。オリンピックのボランティアに関する動画や金足農業の侍ポーズを禁止した高野連に関する動画など注目を集めている。赤いふんどし、赤いハチマキがトレードマーク。ラストに放つ「せやろがい」が特徴。