赤ちゃんの寝かしつけ「背中スイッチ」なぜ? 発達脳科学の専門家に聞く
多くのママ・パパが一度は悩む赤ちゃんの寝かしつけ。「なかなか寝ないのはどうして?」「すぐに起きてしまうのはなぜ?」などの疑問をQ&A形式でお届けします。
まずは0~8カ月ごろの赤ちゃんの寝かしつけに関する気がかり編です。赤ちゃんの睡眠についてのママ・パパのお悩みに、発達脳科学の専門家である成田奈緒子先生が答えます。
3カ月ごろから昼夜の区別がつき始め、 徐々に日中の活動量が増えてきます
新生児期は1日の7割を眠って過ごし、1カ月を過ぎると起きている時間が少しずつ長くなります。昼夜の区別はまだありません。3カ月ごろになると少しずつ睡眠リズムが整ってきて、徐々に昼夜の区別がつき、日中の活動時間が長くなります。お世話に余裕が出てきたら、“添い寝でトントン”など毎日継続できそうな入眠儀式を試してみましょう。5~6カ月ごろは離乳食が始まるため、生活リズムを整えやすくなります。7カ月以降になるとさらに日中の活動量が増えて昼寝の時間が短くなり、夜間の睡眠時間がまとまってくる子が多いです。
Q1 日中寝ている時間が長く、夜間に目がぱっちり! 昼夜逆転している?(1カ月)
A1
まだ昼夜の区別がはっきりしていない時期。昼夜逆転している子もいるでしょう。昼夜逆転をしていても、日中は日の光を浴びせ、就寝前になったら部屋を暗くするようにして。大人が昼夜のメリハリを意識すると、2カ月ごろから徐々に改善していくでしょう。3カ月ごろからは、お散歩を日課にするのがおすすめです。
Q2 抱っこでは寝るのに、布団に下ろすと起きちゃう! どうしたらいいの?(3カ月)
A2
寝入りばなは眠りが浅いので、布団に下ろすと起きてしまいがち。深い眠りになってから下ろすといいでしょう。体が脱力してずっしりしている、口元を触ってもほとんど反応しない、唇をめくると舌が奥に引っ込んでいるなどの様子が見られたら深く眠っています。抱っこから下ろすと毎回起きてしまうようなら、添い寝しながらトントンするなど寝かしつけの方法を見直すのも手です。
Q3 寝るときにいつも指しゃぶりをしているのが気になる…。やめさせたほうがいいの? (5カ月)
A3
今はまだやめさせる必要はないですが、寝入ったら口から指をはずしてあげましょう。1~2才になって、日中外で遊んだり、手遊びができるようになると、自然と日中の指しゃぶりが減っていき、寝入るときや寝ている間も指しゃぶりをしなくなる子が多いです。ただ、中には指しゃぶりで安心感を得る子も。4才ごろまでは見守ってOKです。
Q4 添い寝で寝かしつけ。寝入ったと思って私が離れると起きちゃう‼(6カ月)
A4
お気に入りのタオルやぬいぐるみなど、添い寝以外の“こだわりねんねアイテム”をつくるのがおすすめ。ママと赤ちゃんの間にこだわりアイテムを置いて眠れるようになれば、赤ちゃんが寝入ったあとにママがそれらを持って離れても起きることが減っていくでしょう。
Q5 手遊び歌の入眠儀式で興奮⁈ なかなか寝てくれません…(8カ月)
A5
入眠儀式は、落ち着かせて眠りを促す行動がおすすめ。手遊び歌を歌う入眠儀式もいい手ですが、興奮してしまうようなら違う方法を試して。就寝時間の少し前からテレビを消して静かな音楽を流したり、部屋を薄暗くするなど、落ち着く環境を整えてから、絵本などの読み聞かせをしてみましょう。
(取材・文/ひよこクラブ編集部)
赤ちゃんの月齢によって寝かしつけの悩みは変わるもの。今回は睡眠リズムが未発達な0~8カ月ごろの悩みを取り上げました。睡眠には発達段階があり、個人差も大きいもの。成長とともに解決する悩みもあれば、新たな気がかりが生まれることも。ママ・パパはゆったり構えて、赤ちゃんにぴったりの寝かしつけ方法を見つけられるといいですね。後編では9カ月~2才ごろの気がかりを取り上げます。
ひよこクラブ2020年3月号では「寝かしつけワザ・泣きやませワザ」特集があります。
■監修/成田奈緒子先生(「子育て科学アクシス」代表・文教大学教育学部教授)
医学博士・小児科専門医。発達脳科学の専門家でもあります。赤ちゃんの睡眠の変化や寝かしつけについて科学的な視点からアドバイスをもらいました。