「赤ちゃんの寝かしつけ」遊びたがってなかなか寝ないときは? 脳科学の専門家に聞く
赤ちゃんの寝かしつけの気がかりについて、発達脳科学の専門家である成田奈緒子先生に聞きました。体力がついてきて寝かしつけに時間がかかったり、就寝時間になっても遊びたがったりという9カ月ごろ~1才ごろはどんな悩みがあるのでしょうか。成長とともに寝かしつけの悩みも変化しているようです。
9カ月ごろから夜の睡眠がまとまってきますが、体力がついてきて寝かしつけに苦労することも
9カ月ごろから離乳食が1日3回になり、大人の生活リズムに近づいてきます。夜の睡眠がまとまってくるので、昼寝の時間も午前と午後の1~2回に定まってくる子が増えてきます。体力がついてきて、寝かしつけに手がかかることも。日中は外遊びなどで体を動かし、適度に疲れさせるのがおすすめ。また、好き嫌いもはっきりしてくるので、お気に入りのブランケットを握らせる、真っ暗ではなく薄暗い照明をつけるなど、その子のこだわりを見つけるといいでしょう。
Q 寝かしつけに時間がかかって大変! どうしたらいいの?(9カ月)
A
自然と眠たくなる環境を整えるとスムーズ。人間は周囲が暗くなり、体温が下がるタイミングで眠くなるもの。直前までテレビがついていて明るかったり、入浴後すぐで体温が上がった状態だと、寝つくまで時間がかかりがちです。就寝30分~1時間前くらいから部屋を薄暗くし、薄着で静かに過ごすといいでしょう。
Q 日中ベビーカーでぐっすり。そのせいか夜なかなか寝なくて…(10カ月)
A
日中にベビーカーで寝るのは問題ありません。ただし、それが夕方の遅い時間だと夜の寝かしつけに響いてしまいます。16時までに昼寝を終えるよう、お散歩に行く時間をコントロールしましょう。15時以降にお昼寝してしまったときは、30分を目安に起こすのが理想です。
Q 夜泣きのたびにすぐ授乳。控えたほうがいいのかな?(1才1カ月)
A
このころの夜泣きは、浅い眠りによる自然な覚醒の場合がほとんど。空腹が原因でないことも多いので、すぐに授乳をしないでもいいでしょう。まずは、赤ちゃんに触れず、寝たふりなどで様子を見ることをしばらく続けてみましょう。泣き続ける場合は、抱っこや声かけなどで対応してあげて。
Q 就寝時間になっても、遊びたがってなかなか寝ません。(1才2カ月)
A
「もうすぐ寝る時間だから、これをやったら一緒に片づけよう」など、見通しがつく予告をしましょう。就寝時間を過ぎても遊んでいる場合、相手をすると余計に遊びたがってしまうので、見守ることも大切。部屋を暗くしたまま大人は寝たふりをして、危なくないかだけは気をつけてあげて。そのうち「夜は暗くてつまらない。みんなは寝る時間」と理解できるようになるでしょう。
Q 断乳したのに夜中に泣く場合、食べ物を与えてもいい?(1才3カ月)
A
くせになってしまうので、夜間に食べ物を与えるのはNG。夕方ごろまでにしっかりと離乳食を食べさせ、就寝前に水分補給を。夜間に食べ物を欲しがったら「今は寝る時間だよ」と伝えて。頻繁に欲しがるようなら、就寝前に「夜間のおやつはなしよ」と約束しておくことも大切です。
時期ごとに寝かしつけの悩みは変わるもの。今回は9カ月~1才ごろの悩みを取り上げました。徐々に睡眠リズムがついてくる時期ですが、夜泣きや自己主張など新たな悩みも。保育園入園などの新生活を意識して、この時期に生活リズムを整えられるといいですね。
(撮影/もろだこずえ 取材・文/ひよこクラブ編集部)
■監修/成田奈緒子先生
(医学博士・小児科専門医)
「子育て科学アクシス」代表・文教大学教育学部教授。発達脳科学の専門家でもあります。
ひよこクラブ3月号
ひよこクラブ2020年3月号では「寝かしつけワザ・泣きやませワザ」特集があります。