今やっているお手入れはNGかも?! 皮膚科医が教える正しいスキンケア
今回のテーマは「スキンケア」です。せっかく美肌になるためのお手入れをしているつもりが、間違ったスキンケアをしていることもあるようです。今回は、正しい美容法について皮膚科医の慶田朋子先生に聞きました。
Case1)頬やおでこの毛穴のブツブツ、黒ずみを解消したい!
Q. 気になっているのが頬、おでこ、の毛穴のプツプツと、鼻の毛穴の黒ずみです。泡をモコモコにして洗顔、水洗顔、毎日お風呂上がりにはシートパックないろいろと試しました。どれもこれも効果無し。いいお手入れ方法を教えて欲しいです。
正しい洗顔とクレンジングオイルで毛穴の汚れを除去が正解!
A.「毛穴のブツブツの角栓は、毛穴に詰まった皮脂や古い角質、汚れなどが混ざりあってできたもの。つまった状態のままにしておくと、皮脂が酸化して毛穴は黒ずんできます。
水やお湯だけ洗顔をする人の多くは、洗顔料を使うと、皮脂が落ちすぎて乾燥すると思われていますが、水やお湯だけ洗顔では、昼夜問わず分泌される肌の皮脂や汚れ、化粧油は落とせていません。毛穴に汚れがたまることで、くすみや毛穴づまりを引き起こしています。
毛穴の汚れをはがしてとる商品などは、はがすとつまっていた角栓がシートについて、毛穴のお掃除ができたように見えますが、角栓と一緒に肌の必要な角層を無理やりはがしていることに。肌のバリアが失われると、急いで粗悪な角質を作り厚くなります。これが粗悪な角栓を作り、毛穴をつまらせてしまうので逆効果です。また、皮脂の分泌量が遺伝、性別、年齢で決まっており、どれだけ除去しても皮脂腺から出続けます。これを取り過ぎることは無意味どころか、害になるのです。
毛穴の角栓や黒ずみは、正しい洗顔とクレンジングオイルでマッサージ、もしくは、酵素洗顔料でお手入れしましょう」
[正しいケア]
1 角栓や黒ずみなど気になる部分は、クレンジングオイルで1箇所につき10秒くらい指でくるくると小さな円を描くようにやさしく短時間マッサージ。顔全体で1分以内にとどめましょう。長時間マッサージは、肌を傷めるのでNG。
2 マッサージ後は、少量のお湯でクレンジオイルを乳化させて、たっぷりのぬるま湯で十分に流します。その後、泡立てた洗顔料でなでるように20秒ほどで洗い、お湯でしっかり流します。
3 洗顔後は化粧水や乳液などをつけ、クリームでしっかり保湿しましょう。
4 そのほか毛穴の角栓のお手入れは、酵素洗顔料を使う方法も。普通の洗顔料よりも、タンパク質や毛穴から出た角栓をとって、毛穴を目立たなくさせてくれます。
Case2) スキンケアは、オールインワンの化粧品だけで大丈夫?
Q.忙しいという理由もありますが、面倒で基礎はオールインワンのみ。肌の調子はよさそうなのですが、これだけでのお手入れだけで大丈夫でしょうか?
乾燥が気になるなら、保湿クリームや美容液をプラスして!
A.「子育て世代、特にお子さんが小さい場合は、化粧水、乳液、美容液がひとつになったオールインワンタイプの化粧品は手軽で便利です。ただ、人によってはオールインワンの化粧品だけでは、保湿が足りていないことがあります。
『小ジワが目立ってきた』『肌が突っ張る』『鼻周りなどがカサカサする』というようであれば、肌に潤いが足りていないサインです。オールインワンの化粧品の後に、保湿クリームを重ねて、肌の潤いを保ちましょう」
[正しいケア]
1 オールインワンの化粧品をつける時は、手にとってやさしく押し込むように肌になじませます。パチパチ肌を叩くように手やコットンでパッティングするのは、肌に刺激を与えるだけなので注意して。
2 肌がしっとりしたら、肌の潤いをクリームで覆うイメージで、指の腹を使って塗り広げて仕上げましょう。
正しいスキンケア方法はいかがでしたでしょう。せっかくお手入れしていても、肌に負担をかけて、効果がないというのはもったいないですね。特に保湿は、しているつもりでも足りていないことが多いようです。この機会に皆さんもご自身のお手入れ方法を見直してみませんか?(文・酒井範子)
慶田朋子先生
銀座ケイスキンクリニック院長。患者からの信頼も厚い皮膚科医として活躍。わかりやすいスキンケアや正しい美容法についての説明に定評があり、女性誌やテレビなどでも人気。新書『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)が好評。