うっかり日焼けに要注意!シミ、シワ、たるみの原因にも。皮膚科医が教えるスキンケア
紫外線が気になる季節。そろそろ本格的に日焼け対策を始めなくてはと思っている人も多いのではないでしょうか。けれど、せっかくのお手入れが間違っていることもあるようです。今回は、正しい紫外線対策とシミ、シワ予防について皮膚科医の慶田朋子先生に聞きました。
Case1)紫外線の浴びすぎ!? シミ、シワをどうにかしたい!
Q.シワ、シミが一気に増えた3児の母です。ふと鏡を見ると、外遊びによる紫外線浴びっぱなし…、しかも学生時代の部活も陸上部だったのに焼け止めクリームなど一切しなかったので顔がシミまみれ。おまけにほうれい線がくっきりとシワに。このままじゃ、本当にただのおばさんです。正しい美容法を教えてください!
A. まずは日焼け止めを塗って紫外線対策、次にしっかり保湿を
紫外線を繰り返し浴びていると、皮膚の細胞や遺伝子を傷つけシミやシワ、たるみ、イボだけでなく、最悪の場合は皮膚がんの原因になることも。シミやシワがあるのは、すでにかなりの量の紫外線を浴びている証拠。特に、お子さんと外遊びをするのであれば、なおさらしっかり日焼け止を塗りましょう。親子で帽子や長袖の上着を着用するなど日差しをブロックすることが大切です。
日焼け止めを塗る時に注意したいのが、使用量です。皆さんの日焼け止めを使っている量をうかがうと、意外に少ないことが多いです。たとえ紫外線カット指数が高いSPF50 PA++++を使用したとしても、少ない量をさっと1度塗りくらいでは残念ながら効果を発揮できないことも。多少白くなったとしても、しっかり二度塗りし、汗をかいたら2時間に1度は塗りなおすことが大切です。顔は、日焼け止めを化粧下地として使い、ファンデーション、白粉と重ねるとさらに日紫外線防御の効果が高くなります。
家の中で過ごすことが多い時も、紫外線は窓ガラスを透過してふり注いでいるので、日焼け止めは必ず塗りましょう。
すでにできたシミ、シワ、たるみは化粧品では残念ながら治すことはできませんが、化粧品で目立たなくすることや、予防することはできます。毎日の紫外線対策、肌の汚れをとる正しい洗顔、肌の乾燥を防ぐための化粧水、乳液、保湿クリームをかかさないようにするなど、スキンケアで予防しましょう」
[正しい方法]
・日焼けしやすい、顔、手足、首などにしっかり塗りましょう。首横や、首の後ろ(うなじ)、耳、デコルテも日焼けしやすいので塗り忘れに注意して。汗をかいた時は塗りなおしましょう。2時間に1度くらいを目安に。
・乳液タイプの日焼け止めは、1度塗ってなじんだら、さらに重ねて2度塗ります。1回の量は、500円玉くらいの大きさが目安。スプレータイプの日焼け止めを使用する時は、1度軽く吹きかけるくらいでは、紫外線対策にはなりません。2、3度重ねましょう。
Case2)毎日、シートパックするとそばかすやシミ予防に効果があるの?
Q. 最近、シミやそばかすが増え始めました。お風呂上がりは毎日、朝は時間があればたまにシートマスクをしています。なるべくそばかすやシミはつくりたくないので、お手入れしていきたいなと思っています。シートマスクはそばかすやシミに効果があるのでしょうか?
A. 毎日、シートマスクをしても、シミやそばかすを消す効果は期待できないので、利用するは週1、2回くらいに
「毛穴が引き締まった感じや、化粧のりがよくなることから人気のシートマスク。手軽なことから、家事や育児をしながらお手入れをしている人が多いのではないでしょうか。けれども、残念ながら、シミやそばかすを消す効果は期待できません。
シートマスクの成分は、ほとんどが水分と保湿成分、美白成分など。肌の潤いを高め、シミを予防する効果はありますが、その浸透性の高さゆえに、間違った使い方をすると、かえって肌に刺激を与えることも。
というのは、肌は長い時間ぬれたままにしておくと、肌の潤い成分である皮脂膜や天然保湿因子『セラミド』が流れ出し肌のバリア機能が低下させるため、パックに含まれる成分でかぶれることがあり、逆に乾燥や炎症を招く場合もあるからです。
使用するのであれば、できだけ保湿効果が高く1枚ずつ包装されたもので選び、週に1、2回、規定通りの短時間ですませましょう。
[正しい方法]
・大容量のシートマスクは防腐剤が多めに入っている場があるので、保湿効果が高い1枚ずつ梱包されたシートマスクを選んで。肌の調子がいい時に使用しましょう。
・長い時間シートマスクをはったままにしておくと、どんどん肌から水分がうばわれていきます。使用は5〜15分くらいの短時間で、週1、2回くらい。肌を柔らかくするので、化粧前に使用と化粧のノリがよくなりオススメ。
紫外線が降り注ぐ時期になりました。外出しなくても、屋内のうっかり日焼けがシミやシワ、たるみの原因になるので要注意です。つい近所だから、家にいるから、ちょっとくらいなんて言い訳しがちですが、しっかり日焼け止めを塗らなくちゃですね。(文・酒井範子)
慶田朋子先生
銀座ケイスキンクリニック院長。メスを使わずに若返らせる施術に患者からの信頼が厚い皮膚科医として活躍。わかりやすいスキンケアや正しい美容法についての説明に定評があり、女性誌やテレビなどでも人気。新書『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)が好評。
■文中のコメントは『ウィメンズパーク』の投稿を再編集したものです。