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新型コロナだけじゃない、赤ちゃん・子どもを守るために知っておきたいウイルス・細菌のこと【小児科医】

※写真はイメージです
Sasha_Suzi/gettyimages

ウイルス・感染症というと新型コロナウイルス感染症ばかりに目がいきがちですが、秋冬はインフルエンザなどの流行も! 乳幼児がいる家庭は、予防が第一です。帝京大学医学部附属溝口病院の小児科医・黒澤照喜先生に、8月24日の時点でわかっている、インフルエンザ情報や予防について聞きました。「新型コロナだけじゃない、秋冬の感染症対策」連載1回目です。

ウイルス感染のほうが一般的には軽症、 特効薬はほとんどありませんが自然に治ることが多いです

感染症の原因は、主にウイルス性と細菌性があります。乳幼児に見られる代表的な感染症は、次のとおりです。

[ウイルス性の感染症の主なもの]
●風邪、上気道炎(インフルエンザウイルス、RSウイルス、新型を含めたコロナウイルス)
●胃腸炎(ロタウイルス、ノロウイルス)
●突発性発疹(ヒトヘルペスウイルス6型、7型)
●水ぼうそう(水痘ウイルス)
●おたふくかぜ(ムンプスウイルス)

[細菌性の感染症の主なもの]
●気管支炎、肺炎(インフルエンザ菌*、肺炎球菌)
●中耳炎(肺炎球菌)
●尿路感染症(大腸菌)
●菌血症・敗血症・髄膜炎(インフルエンザ菌*、肺炎球菌)
*インフルエンザ菌は、インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスとは別の病原体です。

ウイルス性と細菌性の感染症には、症状などに大きな違いがあるのでしょうか。

「子どもの感染症では細菌感染は比較的少なく、ウイルス感染が多いです。一般的にはウイルス感染のほうが軽症で済むことが多いです。細菌感染は
1.高熱が続く
2.ぐったりする
などの症状が見られることもあり、入院が必要なケースも少なくありません。
また細菌感染の場合、特効薬は抗菌薬(抗生物質)ですが、ウイルス感染はインフルエンザなどを除き、ほとんど特効薬がなく、症状を和らげる対症療法が中心になります。

ウイルス感染が長引くと、細菌感染も併発するなど、混合感染を引き起こすこともあり、とくに乳幼児は注意が必要です」(黒澤先生)

国内の1シーズンのインフルエンザ感染者は現在までの新型コロナ感染者数の100倍くらい

秋・冬は新型コロナウイルス感染症が大流行するという予測もあり、つい「新型コロナウイルスのほうが怖い」と考えがちですが、本当はどうなのでしょうか。「インフルエンザのほうが怖い」という説もあります。

「いちがいにどちらが怖いとは言えないのですが、感染者数だけで見ると新型コロナウイルス感染症は、2020年8月24日現在、全国で6万3000人あまり。一方、インフルエンザの感染者数は、2019-2020年のシーズンは全国で700万人あまり。新型コロナウイルス患者はまだ増える見込みですが、2019-2020年のシーズンはインフルエンザの流行が抑えられた年です。単純に比較してもインフルエンザのほうが100倍くらいの感染者がいます。

またインフルエンザにかかると、乳幼児はせん妄による異常行動や熱性けいれんなどを起こすこともあります。ときにはインフルエンザ脳症を起こして重い後遺症を残したり、死亡することもあります。ただしインフルエンザは、予防接種で重症化を防ぐことができます。

新型コロナウイルス感染症については、まだわかっていないことも多く、これからウイルスの性質が変わる可能性も十分あり得ます。日本では乳幼児は、比較的新型コロナウイルスには感染しづらく、万一、感染しても重症化しづらいと言われていますが、海外では幼児の重症化例も報告されています。そのため秋以降は、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの両方の予防が必要です」(黒澤先生)

インフルエンザとコロナは飛沫、接触感染を防ぐのが有効! インフルエンザは予防接種を

昨シーズンは、新型コロナウイルス感染症の流行で、手洗い、マスクでの予防を徹底したため、インフルエンザの爆発的な流行が抑えられました。しかし今年は!?

「今年のインフルエンザの流行予測は、まだわかりません。しかし新型コロナウイルスは飛沫感染、接触感染によってうつりますが、インフルエンザも同様で飛沫感染、接触感染でうつります。
“新しい生活様式”を守りながら、
1.3密の回避
2.人との距離は2mを目安に開ける
3.手洗い・マスクの着用をする(2歳未満のマスク着用は控える)
ことで、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザの感染を防ぐこともできます。
ただし感染リスクはゼロではないので、インフルエンザワクチンの接種もしましょう。乳幼児は2回接種が必要なので、計画的に受けてください。
早起き・早寝、栄養バランスとのとれた食事など、規則正しい生活も大切です」(黒澤先生)

インフルエンザ、コロナ、風邪の見分けは医師でも困難

これからの季節心配なのが、もし熱が出たり、せき込んだりしたときの対処法です。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症は、感染力が非常に強いので、部屋を分けるなどの早期の感染対策が必要ですが、「もしかしたら風邪かな?」と思うことも。見分けるポイントはあるのでしょうか。

「一般的に、新型コロナウイルス感染症の主な症状はせき、のどの痛み、発熱、倦怠(けんたい)感などですが、なかには軽い風邪程度の場合もあります。またインフルエンザの主な症状は、急な高熱、倦怠感、せき、鼻水などです。
以下に新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、風邪にみられる小児の典型例を紹介しますが、実はこの3つの病気は医師でも検査をしなければわからないこともあります。また診断のカギとなるのが地域や生活圏での流行状況なので、保育園や幼稚園などでインフルエンザが流行していたり、新型コロナウイルスの濃厚接触者に該当したりする場合は、必ず医師に伝えてください」(黒澤先生)

[新型コロナウイルス感染症の場合]
一緒に住むパパが新型コロナウイルスに感染。子どもは元気で、発熱、せきはほとんどなし。しかしPCR検査を受けたところ陽性と判明。

[インフルエンザの場合]
保育園でインフルエンザが流行。39~40℃の発熱が続き、翌日、病院で検査を受けてインフルエンザと判明。抗インフルエンザ薬を飲んで、翌日には解熱。しかし解熱と同時にせきや鼻水が出始め、完全に治るまでに2週間ほどかかった。

[風邪の場合]
3歳の上の子にせき、鼻水の症状が。しばらくして下の子も39℃の発熱とせき、鼻水が出始める。夜になると熱が上がり、朝は37℃台まで下がる。3日目ぐらいに平熱に戻るが、せき、鼻水が1週間以上続く。

このように乳幼児は新型コロナウイルス感染症になっても軽症のことが多いため「軽い風邪」と勘違いするケースもあります。また朝は熱が下がるけれど、夜になると熱が上がることも珍しくありません。そのためママやパパからは「保育園や幼稚園を休ませる目安がわかない」という声も聞かれます。

「平熱よりも0.5度以上高い体温が続く、せきが止まらないなど顕著な症状があるときはもちろんですが、次のような症状があるときも、今の時期は念のため休ませましょう。
1.せき、鼻水がひどい
2.朝は熱が下がったものの、前日の夜、熱が出ていた
3.食欲がない、いつものように元気がない、機嫌が悪い、眠りづらい
4.かかりつけの医師が園を休むように提案したとき
“急には、仕事が休めない”というママやパパは、万一に備えて病児・病後児保育室を探しておくといいでしょう。ただし病児・病後児保育室を利用するときは、かかりつけ医とよく相談してください」(黒澤先生)

お話・監修/黒澤照喜先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

新型コロナウイルスの感染を心配して「インフルエンザの予防接種を受けに行くのが不安」と思うママやパパもいるのではないでしょうか。しかし黒澤先生は「予防接種専用の時間帯や別室を設けている小児科はたくさんあります。そうした時間帯などを利用すれば感染を過度に恐れる必要はありません。それよりも予防接種を受けずに、インフルエンザにかかったときのリスクのほうがはるかに高いと思います」と言います。また予防接種を受けに行くときは、つきそいはできるだけ大人1人で。マスクを着用し、待合室でも人との距離を保ち、大声で話さないようにするといった予防策をとることが大切です。

黒澤照喜先生(くろさわてるよし)
Profile
帝京大学医学部附属溝口病院・小児科。小児科医。東京大学医学部卒業。都立小児総合医療センターなどを経て、現在は帝京大学医学部附属溝口病院小児科に勤務。3人のお子さんのパパ。

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