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空気が乾燥する秋・冬はウイルスが活性化! 小児が気をつけたいウイルスとその予防法【小児科医監修】

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空気が乾燥する秋・冬はウイルスが活性化する季節です。アルコール消毒をはじめ2才以上の子や大人はマスクの着用が定着していますが、こうした感染対策でインフルエンザやウイルス性胃腸炎なども防げるのでしょうか。帝京大学医学部附属溝口病院の小児科医・黒澤照喜先生に、9月29日現在でわかっている秋冬に気をつけたい感染症と正しい予防について聞きました。「新型コロナだけじゃない、秋冬の感染症対策」連載2回目です。

乳幼児は、新型コロナよりもRSウイルスなどに要注意

秋冬、乳幼児が気をつけたい感染症は、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザだけではありません。RSウイルス感染症、ウイルス性胃腸炎にも注意が必要です。ウイルスの主な流行時期の目安は、次のとおりです。ただし流行時期がずれたり、年によって流行の程度に差が出たりします。また風邪は、通年を通して見られます。

【11~12月】
RSウイルス、ノロウイルス

【12~2月】
インフルエンザウイルスA型

【2月~】
インフルエンザウイルスB型、ロタウイルス

「とくに今秋、乳幼児に気をつけてほしいのはRSウイルスです。
RSウイルスは、例年は夏から流行しますが、今年はほとんど発症しませんでした。しかし一度流行が始まると、赤ちゃんは呼吸困難を引き起こすこともある厄介なウイルスです。新生児でもうつる可能性があります。上の子がいて、風邪気味のときは要注意です」(黒澤先生)

秋冬の感染症は、飛沫と接触が主な感染経路

新型コロナウイルスの流行で、ママやパパも感染対策の意識がかなり高まっています。秋冬の感染対策は、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。

「ウイルスの主な感染経路は飛沫感染、接触感染、空気感染、経口感染です。感染症別の主な感染経路は次のとおりです」(黒澤先生)

〇よくある △たまにある ×ほとんどなし
 

*1/感染者が嘔吐した場所に近づいたり、トイレのふたを閉めずに下痢便を流したときなどにより、感染することがあります。
*2/一部では空気感染が確認されていますが、普段の生活では過度に心配する必要はありません。
*3/新型コロナウイルスは、ものの表面にウイルスが付着すると数日単位でウイルスが生存することが確認されています。

アルコール消毒は、ウイルス性胃腸炎をもたらすノンエンベロープウイルスには効果なし

新型コロナウイルス予防に、アルコール消毒が定着しています。アルコール消毒は、インフルエンザ予防などにも有効ですが、秋冬に流行するすべての感染症に効果があるのでしょうか。

「ウイルスはエンベロープウイルスと、ノンエンベロープウイルスの2つに分類されます。

アルコール消毒の効果は、ウイルスの構造によって異なり、効くのは、エンベロープウイルスです。
エンベロープは封筒という意味ですが、ウイルスの外側が封筒のようなもので覆われているエンベロープウイルスには、アルコール消毒が有効です。ノンエンベロープウイルスには効かないので、アルコール消毒が万能と考えるのは間違いです」(黒澤先生)

エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスの特徴は、次のとおりです。

【主なエンベロープウイルス】
・インフルエンザウイルス
・RSウイルス
・新型コロナウイルス など
鼻水、せき、のどの痛みなどの上気道炎を起こすウイルスに多い。
●アルコール消毒/効果あり

【主なノンエンベロープウイルス】
・ノロウイルス
・ロタウイルス
・アデノウイルス など
・ウイルス性胃腸炎を起こすウイルスに多い。
●アルコール消毒/効果なし

秋冬の感染症から家族を守る!予防ポイントは7つ

秋冬の感染症予防は、手洗い、マスク、アルコール消毒だけではありません。次の7つの予防を意識しましょう。また続けることが大切と黒澤先生は言います。

「厚生労働省では石けんで10秒もよく手を洗ったあと、流水で15秒すすぐのを2回繰り返すと、ウイルスが100万分の1に減らせるとしています。しかし子育て中で、忙しいママやパパにとっては、現実的ではありません。そのため負担にならない程度で大丈夫。手荒れ予防のスキンケアも忘れずに。こまめに続けることが第一です」(黒澤先生)

【Point1/うがい・手洗い】水うがいでOK。うがいができない子はミルク・水・お茶を飲む

帰宅後は、すぐに水うがいをしましょう。
一部のうがい薬に含まれている殺菌消毒成分のポビドンヨードは過剰摂取すると、甲状腺機能に影響を及ぼす可能性があるため、乳幼児には使わないほうがいいでしょう。
まだうがいがまだできない月齢の子は、ミルク・水・お茶などを飲んで、のどの粘膜に付着したウイルスを流すだけでも構いません。

手洗いは、大人は帰宅後や食事の前、赤ちゃんのお世話をしたあと、調理前などに石けんで洗います。子どもも大人と同じです。手洗いができない子は、水やぬるま湯で絞ったタオルで、手をふいてあげましょう。

【Point2/3密の回避】人込みはできるだけ避ける

インフルエンザや新型コロナウイルスなどの流行時期は、なるべく人込みは避けます。とくに感染症が流行している地域へのお出かけは控えましょう。
住んでいる地域で感染症が流行しているときは、児童館などの利用もできるだけ控えるのがベターです。

【Point3/マスクの着用】2歳以上からはマスク着用。使用したマスクの外側には触れない

日本小児科医会は2020年5月から「2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!」と呼びかけていますが、これは秋・冬も同様。外出時は、2歳以上の子や大人はマスクの着用を。マスクの外側にはウイルスが付着しているので、不用意にマスクの外側を触らないようにしましょう。
大人も子どもも、不織布の使い捨てマスクは、毎日交換を。洗うタイプのマスクは、こまめに洗濯して衛生的に使うことが大切です。

【Point4/予防接種】ロタウイルスの初回は3カ月半までに。なるべくインフルエンザの予防接種も

乳幼児で受けてほしい予防接種はインフルエンザ、ロタウイルスです。
ロタウイルスの予防接種は、2020年10月から定期接種になります。生後2カ月になったらすぐに、遅くても初回は3カ月半までに受けてほしいので、小児科で早めにスケジュールを相談しましょう。

また小児の場合は、インフルエンザにかかると1万人に1人が脳症になり、熱性けいれんはそれよりも多い頻度で発生します。そのためできる限りインフルエンザの予防接種は受けてください。

【Point5/手指消毒】アルコール消毒は、水に弱いのでぬれた手には使わない

ママやパパがアルコールで手指消毒をする目安は、手洗いと同じタイミングです。症状がある人と接したときも消毒しましょう。乳幼児は、手が洗えないときに消毒を。
ただしアルコールは水に弱いので、ぬれている手に使っても効果を発揮しません。また公園遊びのあとなどで手が汚れているときは、手洗いをしてから消毒してください。
アルコール消毒は、手荒れを起こしやすいのでスキンケアも忘れずに。

【Point6/身のまわりの消毒】手すりなど家族が触れる場所を中心に消毒を

秋冬は、いつも以上に身のまわりの消毒を心がけたほうがいいでしょう。気になるときは、赤ちゃんが口に入れるようなおもちゃも、次亜塩素酸ナトリウムなどで消毒してください。ただし消毒後、すぐに赤ちゃんが口に入れないように注意を。

また家庭では階段の手すり、テーブル、ドアノブなど、家族がよく触る場所を中心に消毒しましょう。
ただし消毒は、〇時間おきなど決まりがないので、ママやパパの負担にならない程度を心がけてください。

【Point7/加湿・換気】湿度は50~60%が目安。カビの発生を防ぐために換気も忘れずに

秋・冬は湿度50~60%が目安。乾燥するとウイルスが活発化しやすくなります。ただし新型コロナウイルスの予防に関しては、加湿についてデータがありません。
また加湿のし過ぎはカビの発生につながるので、秋冬でも1~2時間おきに換気を。1部屋に対して2カ所窓を開けて5~10分換気をしてください。

お話・監修/黒澤照喜先生 取材・文/麻生珠恵、ひよこクラブ編集部

新型コロナウイルスの感染予防が徹底されたため、昨シーズンは2月以降インフルエンザの流行が抑えられました。手洗い、うがい、マスクの着用などが感染症予防には効果的です。今秋・冬も予防を心がけて、家族の健康を守りましょう。

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