コロナ禍で視聴時間が増加。スマホ内斜視も。赤ちゃん・子どものテレビ&ネットのつき合い方は?【専門家】
新型コロナウイルスの感染拡大により、テレビやスマホ・タブレットで映像などを見せる時間が増えた家庭は少なくありません。赤ちゃん・子どもに見せる際の注意点やつき合い方について、3人の専門家の先生が回答します。
【気になること01】赤ちゃん・子どもの目にはどんな影響があるのか?
いちばん多かったのは「テレビ・スマホ・タブレットを見せることで、赤ちゃん・子どもの目にどんな影響があるのか」という気がかり。赤ちゃん・子どもの目の影響について、砧ゆり眼科医院 院長の中山百合先生に聞きました。
スマホやタブレットで見ることでスマホ内斜視になってしまうことも
「赤ちゃんや子どもは両目で見る機能が未熟で、発達段階にあります。そんな赤ちゃんや子どもにタブレット端末やスマートフォンを見せることで、“スマホ内斜視“と呼ばれる内斜視(※)になってしまう子がいることがわかってきました。近くをぎゅっと長時間眺めているのが誘発の原因とされています。テレビでは、フラッシュのようなまぶしい光の点滅の連続を、近寄って見ることで気分が悪くなる場合があります」(中山先生)
※片方の目の視線が内側に向いている状態。両目の焦点が合わず、遠近感もつかみづらくなります。
【気になること02】スマホを取り上げると泣いてしまう…
見せている間はおとなしくしてくれているという理由で、赤ちゃん・子どもにスマホを見せている間に家事をすることも。便利な一方で、取り上げようとすると泣いてしまって手に負えないという声も聞かれます。どのように対処すればいいのかを、デジタルメディアと子どもの発達について研究している七海陽先生と、臨床発達心理士スーパーバイザー秦野悦子先生に聞きました。
ほかに興味を持つことを作ることと、親がしっかり管理することが大切
「スマホ以外に興味を持つことを作ってあげましょう。しばらくは泣くと思いますが、赤ちゃんや子どもに根気強く伝えていけば今からでも間に合います。しつけ・習慣づけの一環として見せる時間やタイミングは家庭内で決めておくことが大切です」(七海先生)
「スマホを見るのは刺激が強く、赤ちゃんや子どもも引きつけられます。要求に応じてずるずると見せがちになるので、親がしっかり管理をしましょう。赤ちゃんや子どもはスマホがなければないでどうにか遊び始めますから、スマホが見えない生活をしてみてもいいでしょう」(秦野先生)
お話・監修/中山百合先生、七海陽先生、秦野悦子先生 取材・文/本間勇気、ひよこクラブ編集部
今の時代、テレビやネットと完全に切り離して育児をするのは難しいもの。赤ちゃんの目への影響を考えながら、うまくつき合っていく方法を考えましょう。
中山百合先生(なかやまゆり)
Profile
砧ゆり眼科医院 院長。
日本眼科学会認定眼科専門医。2014年に日本小児科学会賞受賞。赤ちゃんの目への影響についてお答えいただきました。
七海 陽先生(ななみよう)
Profile
相模女子大学子ども教育学科 准教授。専門は児童文化学、子どもメディア論など。情報社会での育児・保育、デジタルメディアと子どもの発達について研究を行う。
秦野悦子先生(はたのえつこ)
Profile
白百合女子大学 大学院文学研究科 発達心理学専攻 教授。臨床発達心理士スーパーバイザー。わかふじ幼稚園園長。専門は保育支援、保育を通しての家族支援、幼児期のコミュニケーション。
参考/『ひよこクラブ』2020年10月号「赤ちゃん×テレビ&ネット」どうつき合うのが正解?
『ひよこクラブ』2020年10月号には「赤ちゃん×テレビ&ネット」どうつき合うのが正解?特集があります。さらにたくさんの気がかりに対して、先生たちがズバリと答えています。