室内時間が増える冬は、赤ちゃんの転落・おぼれ・やけどなどが増加、注意が必要【小児科医】
コロナ禍の中で、外出の機会が減っていることもありますが、とくに冬は室内で過ごすことが増える季節です。親が何気なくしていることが、実は赤ちゃんの事故やけがを招く原因にも! 小児科医三井先生に、赤ちゃんに多い事故・予防ポイントを聞きました。
絶対知っておきたい事故・けがの予防策は
赤ちゃんの事故・けがは、「赤ちゃんの動きが活発になってから起こるもの」ではありません。首がまだすわっていない時期の赤ちゃんでも、少しずつ動いてソファなどの上から落下することも! まずは、赤ちゃんの月齢にかかわらず、赤ちゃんファミリーが注意したほうがいい7種類の事故・けがそれぞれについて、予防策をチェックし、対策をしましょう。
【“転落”予防チェックポイント5】
1:ベビーベッドの柵を下げたまま、その場を離れない
2:短時間でも、ソファの上に赤ちゃんを寝かせない
3:大人用のベッドに、赤ちゃんを1人で寝かせない
4:室内の窓際やベランダに、踏み台になる物を置かない
5:抱っこひも着脱時は、赤ちゃんに片手を添える
【“転倒”予防チェックポイント4】
1:電気コードは、ひっかからないようにまとめておく
2:物につまずかないよう、床に極力、物を置かない
3:玄関など段差のある場所では、赤ちゃんを抱っこして移動する
※ママ・パパ自身がつまづかないように注意
4:屋外でつかまり立ちをさせるときは、すぐに支えられるように近くで見守る
※とくにつかまり立ちし始めの時期は
頭から後ろに倒れることも
【“溺水”予防チェックポイント4】
1:大人が頭を洗うときなど、赤ちゃんを湯船で待たせない
2:赤ちゃんに首浮輪を装着して、おふろにつからせない
3:赤ちゃんを浴室内で待たせるときは、マットに寝かせる、バスチェアに座らせるなどの方法を
4:便器に頭を入れておぼれることも。トイレのドアは必ず閉める
【“やけど”予防チェックポイント6】
1:テーブルクロスやランチョンマットの使用は避ける
※はいはい期以降、クロス類を引っ張り物を倒してやけどすることも
2:床暖房・ホットカーペットなどの上に、赤ちゃんを寝かせない
3:蒸気が出る炊飯器や電気ポットなどは、赤ちゃんが触れない場所へ
4:はいはいするようになったら、キッチンに入れないよう、ガードをつける
5:触ると熱い暖房器具をやむなく使用する場合、ガードをつける
6:はいはい時期以降、アイロンの使用は赤ちゃんが寝ているときに。使用後も手が届かない場所へ
【“挟む”予防チェックポイント5】
1:ドアにはストッパーをつける
2:クロゼットなどの扉、チェストなどの引き出しにはロックをつける
3:壁と家具の間、家具と家具の間に、赤ちゃんの指が入りそうなすき間をつくらないように配置する
4:自動車のドア・窓を閉めるときは、赤ちゃんが近くにいないか確認
5:エスカレーターやエレベーターに乗るときは、赤ちゃんの手や指、足が挟まれないように注意
【“窒息”予防チェックポイント5】
1:就寝時、ベビーベッドや布団の上に、ぬいぐるみやおもちゃなど、物を置かない
2:就寝時、赤ちゃんに添い寝する場合、赤ちゃんと大人の布団は必ず別々に
3:窓際に赤ちゃんを寝かせる場合、ブラインドのひもがベッドや布団にかからない場所へ
4:1才以降でも、ミニトマト、ぶどう、さくらんぼ、キャンディー形チーズなどは、四つ切りなどにし、まるごと食べさせない
5:ウエアや帽子は、長いひもがついていないもの、フードがついていても取り外せるものを選ぶ
【“誤飲・誤えん”予防チェックポイント4】
1:磁石、コイン形電池、ボタン形電池は、赤ちゃんの近くに置かない
2:トイレットペーパーの芯を通る大きさのものは、赤ちゃんの手の届かない場所へ
※39㎜×51㎜までの大きさのものは、飲み込む恐れがあります
3:薬は1つの箱に収納し、手の届かない場所へ
4:ゴミ箱や洗剤類は、目に触れない場所へ。扉にはロックをつける
監修/三井俊賢先生 イラスト/伊藤美樹 取材・文/ひよこクラブ編集部
赤ちゃんに多い事故・けがはこの7つ。まずは、この対策を家族みんなで確認し、室内・ベランダの環境を見直しましょう。年末の大掃除のタイミングもいい機会。何よりも“予防”する意識を持ちましょう。
三井俊賢先生(みついとしかつ)
Profile
小児科専門医。慶応義塾大学大学院 医学研究科博士課程修了。同大学医学部小児科、同小中学校の校医を務める傍ら、ミューザ川崎こどもクリニック、さくらキッズくりにっくの小児科顧問も務める。3人のお子さんのパパ。
参考/『ひよこクラブ』2021年1・2月特別合併号「赤ちゃんを病気にさせない冬育児」