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新型コロナウイルスワクチン接種、妊婦が受ける際の注意点は?

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※写真はイメージです
shironosov/gettyimages

妊娠中の新型コロナワクチン接種と現況について、医療最先端で日々、研究を続けている産科医、早川 智先生に聞きました。

新型コロナウイルスワクチン接種 妊娠中はどうすれば?

現在、新型コロナウイルス(メッセンジャーRNA)ワクチン接種が国で進められており、ワクチン接種の案内が自宅に届き始めた妊婦さんも多いと思います

ワクチン接種が具体化し始めた5月当初は、赤ちゃんの器官形成期である妊娠12週までは、接種を避けたほうがいいと学会発信されてきました。ですが6月17日に日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会が「妊娠12週までは避ける」の項目をはずし、「希望する妊婦さんはワクチンを接種することができる」という見解を出しました。多くの接種経験があるアメリカの例を見ると、今、日本で接種できるメッセンジャーRNAワクチンは、妊娠初期に打ってもママやおなかの赤ちゃんに問題がなかったという報告ばかりだったためです。

ただし臨床データは国外のもの。日本では医療関係者から接種が始まったばかりですのでデータがありません。おそらく問題ないかと思いますが、厚生労働省の「新型コロナワクチンQ&A」には“12週までは接種を避けていただく”という文言が6月現在、まだありますので、心配な方は主治医に相談し、12週までは接種を避けていただいてもよいと思います。

接種前にすべきことってあるの?

産婦人科以外で接種する際は、事前に健診を受けている産院に“自分は受けて問題ないのか”を聞きましょう。出血や高血圧症候群の傾向など心配な症状がない場合は、内科などの医療機関や集団接種を受けていただいて大丈夫です。ただ、その際も妊娠中であることは申告してください。

副反応が怖くて接種をためらってしまう!

新型コロナウイルスワクチンは、接種するメリットがデメリットを上回ると考えられているものです。流行状況によりますが、感染者数が多い地域や、人とたくさん会う職業の方は接種したほうがいいと私は思います。また、肥満や気管支喘息、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群など合併症がある方は日本でも重症化している例があるんですよ。そういう方は積極的に接種を考えることをおすすめします。

ワクチンの副反応については大なり、小なり、8割の方には何らかの症状が出ると思ってください。ただ、妊婦さんと一般の方で差はほとんどありません。むしろ、妊婦さんのほうが軽いというアメリカの報告もあります。

接種部位の痛みや発熱がある際は、妊娠中でも問題のない解熱鎮痛剤“アセトアミノフェン”が処方されるので、無理せず、早めに内服しましょう。また、接種当日の動きすぎはよくないので、当日と翌日はなるべくおとなしくしていたほうがいいと思います。

ワクチン接種後はマスクしなくていいの!?

新型コロナウイルスワクチンは、接種したら100%感染しないというわけではありません。ただ発症率や重症化がかなりの割合で抑えられます。

ワクチンの2回目を接種後、2週間以上たっていれば、マスクなし出産やパパの立ち会い出産も可能になると思います。ただ、産院スタッフも含め、かかわるすべての人が接種を完了している必要があるので、産院の方針に従ってください。もちろん、流行が完全に収まるまでは、人混みを避ける、手洗いをするなどの予防策は必要です。

●本記事の情報は2021年7月2日現在のものです。

監修/早川 智先生 取材・文/たまごクラブ編集部

感染症やワクチンの情報は日々、更新されていきます。正しい情報を知ることが不安解消への近道なので、SNSや噂話に迷わされず、かかりつけ医へ相談したり、今後の学会や厚生労働省の発表をチェックしてください。


早川 智先生
【Profile】
日本大学医学部病態病理学系微生物学分野教授。日本産科婦人科学会専門医。日本生殖免疫学会,日本産婦人科感染症学会、日本臨床免疫学会などの理事を務める。専門は生殖免疫学、産婦人科感染症。医療最先端で活躍、研究されている先生です。

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