つわりのとき、なるべくラクになる “過ごし方” のコツ【専門家】
つわりで吐いたりしない場合でも、妊娠初期には体がだるかったり、やたらと眠かったり、においに敏感になったりすることが多いもの。そんなとき、少しでもラクに過ごすためのコツを、つわりの軽減を目的とした研究を行っている、関西医科大学看護学部・岩國亜紀子先生に教えてもらいました。
いちばん大切なのは、休むこと
つわりの時期は、体を動かすと酔いやすくなったり、味覚や嗅覚が敏感になります。そこで、体を休めること、不快なものは避けることがとても大切です。
とにかく体を休める
つわり症状をラクにするために最も効果的なのは「休むこと」。「気の持ちようでなんとかなる」などと考えず、わがままになってOK。ラクに過ごすことを最優先に!
家事は最低限に
家事は夫など家族に頼って。また、短期間のことなので、夫や家族に弁当や総菜を買ってきてもらったり、家事代行サービスやネット宅配を利用するなどもおすすめです。
とはいえ、つわりの大変さは伝わりにくいもの。「どんなことが大変か」「して欲しいこと、して欲しくないこと」を具体的に伝えましょう。こまかいことは気にせず、してもらったら感謝することも忘れずに!
絞めつけない下着や服を着る
下着や洋服の絞めつけがなくなると、体がラクに。下着をマタニティ用に替えたり、少し大きめのブラトップを着用するなど、なるべくおなか周り、胸を絞めつけないものを。
体がラクな体勢で休む
横向きになり、クッションや抱き枕などを脚の間に挟んで少し丸くなると、おなかを含む全身の緊張が取れ、さらに骨盤のゆがみも防げてラクに。産後は授乳枕として使える抱き枕は、長く使えておすすめです。
不快なものを避ける
つわりのときは、人によってにおい、音、映像などを不快に感じ、症状が悪化することが。不快なものがあれば避ける工夫をしましょう。
気になるにおいには、マスク、換気を
調理のときマスクを着けたり、換気扇や窓開けでこまめに換気、ベランダに出たり外出する、といった対策を。アロマオイル※など好みのにおいをかぐ方法も。
※アロマオイルは、妊娠中禁忌のものもあるので、事前に確認を。ミントやレモン、グレープフルーツ、スイートオレンジなどがおすすめ。赤ちゃんに影響が見られる可能性があるラベンダー、ローズ、カモミールなどは避けましょう。
食べ物の映像や写真、不快な音を避ける
食べ物の映像を不快に感じる場合は、テレビは消して。不快な音楽も避け、外出時は耳栓を使ったり、心地よい音楽を聴くようにしましょう。
唾液の不快感は“しっかり味のあるもの”で緩和
唾液を吐き出す、口をゆすぐ、しっかり味のあるもの(ソース味、ケチャップ味、ジュースなど)をとって不快感を和らげて。
スマホやパソコンの画面を見すぎない
気を紛らわすのには有効。ただ、長時間になると眠りを妨げることもあるので、検索や動画鑑賞は寝る1~2時間前までには終え、疲れを感じたらやめて。
働く妊婦さんは、なるべく疲れないよう
信頼できる上司だけにでも妊娠初期であることを伝え、仕事の調整などについて相談できると心強いですね。なるべくテレワークや時差通勤を活用して、ラッシュや人込みを避けましょう。主治医に母性健康管理指導事項連絡カードを書いてもらい、事業主に提出しても。
●1時間に1回はあえてトイレに行き、体を動かしつつ休息を
●一口で食べられるものを手元に用意し、気持ち悪くなる前に食べる
●体調が悪いときは、場所を見つけてとにかく休む
監修/岩國亜紀子先生 イラスト/德丸ゆう 取材・文/たまごクラブ編集部
つわりのときは体を休めることが何より大切。「気の持ちようでなんとかなる」と無理してしまうと、症状を悪化させてしまうことも。わがままになってもOKなので、とにかく周囲に甘えましょう。
参考/『初めてのたまごクラブ』2021年夏号「つら~いつわりを少しでもラクにするコツ!」
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