つわりのときの「少しでも食べる・飲む」ためのコツ【専門家】
つわりのときは、何か口に入れていないとムカムカする「食べづわり」の症状が出たり、食べると吐いてしまったり、食べ物のにおいがダメになったり、偏食になったりと、食生活に支障をきたすことが多いもの。そんなとき、少しでも食べる・飲むためのコツを、つわりの軽減を目的とした研究を行っている、関西医科大学看護学部・岩國亜紀子先生に教えてもらいました。
吐いてしまってもかまわないので、食べたいもの、食べられるものを食べる
つわりの時期は、低血糖や脱水を防ぐことが何より大事なので、食べられそうなものがあれば何でも食べてみましょう。妊婦さんは消化の働きが弱まっているため、消化に時間のかかる脂っこいものや食物繊維の多いものを一度に食べると、吐きけを起こすことも。ただ、何がいいかは試してみないとわからないので、食べられそうなものを少しずつ様子を見ながら食べましょう。
どんな食べ物を選ぶといい?
妊婦さんは、消化の働きが低下していたり、味覚や嗅覚が敏感になっていたり、低血糖になりやすく食後は血糖が急激に上昇しやすい、などの状態にあります。そうした変化の中でも食べやすいものがおすすめです。
●消化しやすいもの
なるべく消化しやすい、水分を多く含むもの。果物、トマト、おかゆ、お茶漬け、スープなど。
●消化に必要なミネラルを含むもの
【ナトリウムを含むもの】わかめ、梅干し、しらす干しなど。
【マグネシウムを含むもの】ごま、きな粉、納豆、バナナなど。
【カリウムを含むもの】昆布、アボカド、ほうれん草など。
●少しずつ何度もつまみやすいもの
クッキー、クラッカー、おにぎり、パン、ゼリーなど。
●血糖を維持できるもの
クッキー、クラッカー、おにぎり、パン、めん類などの炭水化物、りんごなどの食物繊維。
●味がしっかりしているもの
好みによって、ソース味、ケチャップ味、果汁ジュース、いちごミルク、コーヒー牛乳、乳酸菌飲料など。
●味のないもの
好みによって、水、お茶、紅茶など。
●スッキリするもの
あめ、グミ、ガム、氷、炭酸飲料など。
●冷たいもの
プリン、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルトなど。
●高タンパク質のもの
きな粉、いわし、鶏ささ身肉、プロセスチーズ、油揚げ、納豆、ゆで卵など。
なるべく気持ち悪さを軽減するために、食べ方・飲み方のコツを押さえて
つわりの気持ち悪さを軽減するには、何を食べるか・飲むかだけでなく、食べ方や飲み方にも注意が必要。下記を参考にいろいろ試して、少しでもラクになる自分のパターンを探してみて!
少量ずつちょこちょこ食べる
妊婦さんは消化の働きが弱まっており、低血糖になりやすいという特徴が。そのため、少量ずつ(腹7~8分目)、頻回に(1~2時間に一度)食べ、消化不良や低血糖を抑えましょう。
飲み物はストローや氷で
飲めるものを少しずつ口に入れましょう。飲みにくい場合は、ストローを使ったり、温めてすすったり、氷をなめるのもおすすめ。
電子レンジ調理や、冷ましてにおいを避ける
電子レンジで調理したり、食べ物は湯気が立たないように冷まして。ごはんや汁物なども冷たくしておくと、口にしやすいでしょう。
食べづわりの人は、すぐ食べられるものを常備
空腹時に気持ち悪くなりやすいので、すぐに食べられるものを持ち歩いたり、枕元に置いて寝ましょう。グミやクラッカー、クッキーなど。
ほかの人が作ったものを食べる
自分で調理するのはしんどくなるので、なるべく家族に作ってもらったり、調理されたものを買う、外食するなどしましょう。
気を紛らわしながら食べる
食事のことを考えるのもダメになる人も。テレビを見ながら食べる、人と話しながら食べるなど気を紛らわして。
食後は横になる
食後は横になるなど、消化しやすい姿勢を。吐きそうなときは、上体を起こすと吐きにくくなり、つわり症状がマシになることが。
監修/岩國亜紀子先生 イラスト/德丸ゆう 取材・文/たまごクラブ編集部
つわりの症状には個人差があるので、妊婦さんが自分に合ったつわり軽減方法を見つけることが効果的です。食べ物・飲み物に関しても、症状が少しでもマシになりそうなものをいくつか試して、選ぶときは「これを食べたら・飲んだらラクかも!」という感覚が大切。あせらず「見つかったらラッキー」くらいの気持ちで! そして、つわりのときは体を休めることが何より大切なことを忘れずに。
『初めてのたまごクラブ』2021年夏号には「つら~いつわりを少しでもラクにするコツ!」特集があります。
参考/『初めてのたまごクラブ』2021年夏号「つら~いつわりを少しでもラクにするコツ!」