つわりで吐いてしまうとき、なるべくラクになるコツ【専門家】
何かを食べるとえずいたり、吐いてしまう「吐きづわり」。吐かないまでも、吐きけが続くだけでもつらいですね。そんなとき、少しでも食べるためのコツや、食べるといいもの、吐くときのコツを、つわりの軽減を目的とした研究を行っている、関西医科大学看護学部・岩國亜紀子先生に教えてもらいました。
吐いてしまってもかまわないので、食べたいもの、食べられるものを食べる
吐いてしまうからといって食べたり飲んだりしないと、低血糖になったり、脱水になり、つわりが悪化しやすくなります。吐くとわかっていても、まずは食べられるものをなんでも口にしてみましょう。
どんな食べ物を選ぶといい?
消化の働きが低下しているため、消化しやすいものを選ぶのが基本。吐きけがある場合は、のどを通りやすいもの、吐きやすいものがおすすめです。
●水分を多く含むもの
豆腐、アイス、スープ、ところてん、雑炊、おかゆなど水分を多く含むものは、食道を通りやすく、おすすめ。あまりかまずに食べた場合でものどに詰まりにくく、吐きやすいと考えられます。
そうめん、うどんなどめん類も水分を多く含み、食道を通りやすいです。長いめんがのどに詰まらないようによくかんで食べましょう。しょうゆなどで味つけされていると、吐いた後味がマシになるかも。
ゼリーも水分を多く含み、吐きやすいでしょう。ただ、柑橘系など酸味のあるものは、吐くときに胃酸と相まって後味の悪さを感じやすいことも。
●小さいもの、小分けにしやすいもの
小さめのおにぎり、一口サイズのゼリーなどは、比較的、のどや食道を通りやすいです。
●粘りけがあるもの
納豆、オクラ、めかぶ、とろろなど粘りけのあるものも◎。水分と一緒にとりましょう。何を食べても吐いてしまう場合は、すぐに吐いてしまってもいいので、このようにラクに出せるものを選んで。
しょうがは、吐きけの軽減に効果的
しょうがの成分は弱った消化の働きを調整し、吐きけの軽減が期待できます。おろししょうがティースプーン1杯程度を3日以上食べると効果的。しょうが湯や、炭酸水に入れても。
なるべくつらさを軽減するために、食べたあとや吐き方にもコツが
えずいたり、吐いてしまうのは、心身ともにつらいもの。少しでもつらさを軽減するためには、吐き方に気をつけることも大切です。下記を参考に、少しでもラクになる方法を探してみて!
胃に何か食べ物を入れてから吐く
胃の中に何もない状態で、消化液だけを吐くのはつらいもの。できるだけ胃に何か入れてから吐きましょう。
我慢せずに食べてすぐでも吐く
食べてすぐでも、吐きたいときは無理に我慢せず吐いてみるのも一つ。多少の水分や栄養は吸収されているはず。
吐いたあとはうがいをする
吐いたあとは後味が悪いうえ、胃酸によって歯がダメージを受けることがあります。しっかりうがいをしましょう。
吐いたあとはガムなどをかんで唾液を出す
ガムなどをかむと唾液が出ます。唾液は、胃酸による歯のダメージを防ぎ、修復を促すのに効果的。
食後は横になる
吐きそうで吐かないときは、食後は右を下にして横になるなど、消化しやすい姿勢を。食べ物が逆流する場合は、左を下にして横になったり、上体を起こすと吐きにくくなり、つわり症状がマシになることが。
監修/岩國亜紀子先生 イラスト/德丸ゆう 取材・文/たまごクラブ編集部
つわりのときは、無理せずなるべく休むことがいちばん。食べたものを吐いてしまっても、多少の水分や栄養は吸収されています。ただし、尿の回数が減って濃くなった、体重が妊娠前より5%以上(体重50kgの人なら2.5kg以上)減った場合などは、点滴による水分投与が必要な場合も。症状が見られたら受診しましょう。
参考/『初めてのたまごクラブ』2021年夏号「つら~いつわりを少しでもラクにするコツ!」
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