妊娠中の腸活はメリットしかない!妊婦のための便秘解消テク基本のキ【専門家】
妊娠すると腸内環境が乱れやすく、お通じが出にくくなることも。便秘は体や心の不調を招き、おなかの張りと区別しづらいなど、デメリットが多いです。妊娠中にとり入れやすい腸活について、疋田裕美先生に聞きました。
妊娠中はホルモンや子宮の圧迫で腸の動きが低下しやすい
妊娠してから便秘や、中には下痢に悩む人も少なくありません。これらは、黄体ホルモンの影響が大きな要因で、中期以降は子宮が大きくなることで腸が圧迫され、腸のぜんどう運動が弱まるために起こります。また、妊婦さんは、体調不良やおなかが大きくなることが関係して、運動量が低下しがちに。それも腸の動きを悪くする原因の一つでしょう。
自分の生活にとり入れやすい腸活テクを試してみよう
腸内環境が乱れ、便通が滞ると、おなかの張りと区別しづらい、体重が増えやすい、むくみやすい、体調が崩れやすいなど、さまざまなデメリットを招きます。
妊娠したら、それまで以上に腸内環境を整える生活を意識しましょう。ポイントは、自分の生活にとり入れやすいものを選ぶこと。たとえば、腸活におすすめの発酵食品のみそを使ったみそ汁は、具だくさんにすれば食物繊維もとれて一石二鳥です。でも、具材の準備が大変であれば市販の「乾燥タイプの具」を使ったり、朝が無理なら夜に回してもOK。無理なくできるテクをとり入れましょう。
不要なものを排出して体にいいものをとり入れよう
腸が正しく機能すると、体に不要な老廃物をしっかり排出し、必要な栄養はきちんと吸収されるように。そのため新陳代謝がアップして、むくみ予防などにもつながります。腸がスッキリすることでイライラが軽減されるなど、腸活は妊婦さんの体や心へのメリットがいっぱいです。
ママの腸内環境が整うと赤ちゃんにもメリットが!
赤ちゃんは、分娩時にママの腸内細菌を受け継ぐといわれています。また、妊娠中から腸にいい食生活が習慣化できれば、産後、同じ食卓を囲む赤ちゃんにとってもいい影響があるのは必然。妊娠中に腸活を始めると、赤ちゃんのメリットにもつながるのです。
先生おすすめテク&アドバイス
疋田裕美先生が実際に行っている、おすすめの腸活を紹介します。
手作りキムチ
乳酸菌などの善玉菌が豊富な発酵食品は、腸活におすすめの食材。わが家では、乳酸菌の効果をより得るために手作りキムチを常備。市販品でももちろんOKですが、乳酸菌の効果を考えるなら、専門店での購入がおすすめです。塩分のとりすぎには注意しましょう。
白いものより茶色いもの
腸内細菌のエサになる、食物繊維も意識してとりましょう。“白より茶色”を意識すると、自然と食物繊維がとりやすくなります。玄米や全粒粉パスタ、ライ麦パンなど、主食を茶色っぽい食材に置き換えると、血糖値の上昇も抑えられるので体重管理的にもおすすめ。食べ慣れないときは、もち麦をお米に混ぜたり、砂糖不使用のシリアルを試したりしてみて。
腰を回す運動
私は基本的に便通がいいほうですが、ストレスがたまると滞りがちに。そんなときは、腰を回す運動で腸に刺激を与えてぜんどう運動を促します。ヨガやストレッチのように、呼吸を意識してゆっくりと動かすのがポイント。調理の合間や歯磨きのときなど、 “ながら”でとり入れるくらいが続けやすくておすすめです。
※エクササイズ中におなかが張った場合はすぐに中止しましょう。
妊娠中の便秘薬についてもチェック
排便は、毎日あることよりスッキリ感が大切です。ただ、1週間近く排便がないと便がカチカチになってしまい、下剤で対処しなければいけない事態にも。そうならないために、排便してもスッキリしない、便が少量でかたい、3日以上出ないなどが続いたら早めに主治医に相談を。妊娠中でも飲める、酸化マグネシウムなどを処方してもらえます。
監修/疋田裕美先生(芍薬レディースクリニック恵比寿 院長) 文/早田佳代、たまごクラブ編集部
便秘が続くと、おなかの張りと区別しづらい、体重が増えやすい、むくみやすいなどのデメリットを招きます。無理なくできる腸活テクをとり入れて、腸内環境を整えましょう。それでも難しい場合は、早めに主治医に相談し、薬を処方してもらうことも大切です。
参考/『たまごクラブ』2021年11月号「妊婦の便秘解消、私のベストテク!」
※掲載している情報は2021年11月現在のものです。