OK?NG?ここに気をつけて!妊娠中の飲み物20選
自宅以外では、常にマスクをしているせいで、移動中や職場での水分補給の機会が減っている妊婦さんも多いのではないでしょうか。無理に多く飲むことはありませんが、妊娠中は、脱水症状を防ぐためにも小まめな水分補給は大切。ただ、カフェインなどの心配もあるし、飲み物のセレクトでも注意すべきことがあります。どんなことに気をつければいいか、見ていきましょう。
お酒はNG!量に気をつければ“お酒以外”は飲んでOK
妊娠中の飲み物として、ノンカフェインの麦茶が定番になっている妊婦さんは多いと思います。でも、実はカフェイン入りのものでも量に気をつければ1杯ぐらいはとくに問題ないものも。妊娠全期を通してアルコールはNGですが、そのほかの飲み物は、どう気をつければいいのでしょうか。飲み物別にまとめました。
1【アルコール飲料】
アルコールは胎盤を通して赤ちゃんに届いてしまいます。「少しくらいなら…」といっても、どの程度なら影響しないかというのが、現在はっきりわかっていません。おなかの赤ちゃんの発育に影響を及ぼすことも考えられるため、リスクを避けるためにも妊娠中は禁酒しましょう。
2【ノンアルコール飲料】
アルコール分0.00%なら問題ありませんが、飲む量は常識の範囲内にしましょう。物足りなくなってアルコール飲料に手をつけてしまっては元も子もありません。1%未満のアルコールを含むアルコールテイスト飲料もあるので注意して。
3【コーヒー】
カフェインは長期間、過剰摂取すると、赤ちゃんや妊娠経過に影響を及ぼすといわれています。胎児はカフェインの排出機能が低いので、妊娠中のカフェイン摂取は1日、200mgまでに。コーヒーの1日の目安はカップ1杯(200mll)程度です。この量で約120mgのカフェインが含まれます。また、コーヒーはポリフェノール含有量も多いので、妊娠中の常飲、大量摂取は控えたほうがいいでしょう。
4【ハーブティー】
基本的にノンカフェインですが、妊娠中はセージ、ローズマリーなど避けたほうがいいハーブもあるので、念のため、専門店などに確認してからにして。また、通常量を飲む分には問題ないと考えられていますが、口当たりがよく人気のルイボスティーには、ポリフェノールが含まれています。妊娠後期の大量摂取で胎児に影響が出る報告例もあるため、水替わりに毎日たくさん飲むのは控えたほうがいいでしょう。
5【麦茶】
カフェインが含まれていないため、妊婦さんにはおすすめ。体を冷やす作用が気になる場合は、温めて飲んでみて。
6【そば茶】
ノンカフェインなので妊婦さんにはおすすめ。ルチン(ポリフェノールの一種)が含まれるので、妊娠中に毎日、大量摂取するのは控えたほうがいいでしょう。また、そばアレルギーの人も注意を。
7【紅茶】
紅茶はティーカップ1杯(200ml)当たり約60mgのカフェインが含まれているので、1日2杯程度にとどめましょう。市販のペットボトルを購入して飲む場合は、量を取りすぎないよう注意して。
8【ウーロン茶】
ウーロン茶は1杯(200ml)当たり、約40mgのカフェインが含まれます。飲みすぎないようにしましょう。背の高いコップに注いで何杯も飲むと、カフェインを取りすぎてしまうので注意して。
9【日本茶】
意外とカフェインが多いものもある日本茶。とくに玉露には1杯(200ml)約320mgものカフェインが。玉露は1日、半杯程度にしておきましょう。煎茶はウーロン茶と同程度のカフェイン量です。番茶やほうじ茶は、鉄分吸収を阻害するタンニンが少なめです。
10【炭酸飲料(加糖)】
コーラなどカフェインが含まれているものもありますが、コーヒーと比べれば含まれるカフェイン量は少なく、まったく飲んではいけないわけではありません。ただ、糖分が多いので、たまに飲む程度にしておきましょう。
11【炭酸水】
カロリー、糖分、塩分が含まれていないので妊婦さんにおすすめ。すっきりするので、つわり中のママにも人気です。ただ、外国製のスパークリングウォーターは、ミネラル量が多い硬水が多く、飲みすぎると腎臓に負担がかかるので注意を。
12【栄養ドリンク】
アルコールやカフェインが入っているものや、「妊娠中は控えて」という商品もあるので、表示をしっかり確認して。妊娠初期の妊婦さんはビタミンA入りのものは避けましょう。
13【牛乳】
現在、乳製品の摂取量が赤ちゃんのアレルギー発症に関係するという明確なデータはありません。ヨーグルトなど、ほかの乳製品と合わせて200gが1日の適量。
※「食事バランスガイド」(農林水産省)を参考にしています。
14【青汁】
適量を飲むのは問題ありません。ただ、栄養分が凝縮されているため、商品によっては、飲みすぎると葉酸、カリウム、ビタミンAなどを過剰摂取してしまう可能性が。茶葉が入っているものはカフェインが含まれている場合も。成分を確認して。
15【野菜ジュース】
飲むことに問題はありませんが、加糖、加塩されているものもあるので注意を。野菜は食事からとるようにして、あくまでも補助的なものととらえましょう。
16【ココア】
コーヒーほどではありませんが、カフェインが含まれています。ポリフェノール含有量も多いです。過剰に飲みすぎなければ問題ありませんが、加糖のココアは糖分のとりすぎにも注意が必要です。
17【100%果汁ジュース】
市販品もフレッシュジュースも1日1杯程度にしておきましょう。たくさん飲むと、果糖で糖分のとりすぎになることが。
18【ゼリー飲料】
糖分量に気をつけて、飲みすぎないようにしましょう。商品に記載されている、1日の目安摂取量を参考にしてください。ビタミンAが含まれているものもあるので妊娠初期の人は過剰摂取にならないように含有成分のチェックをしておきましょう。
19【カロリーオフ飲料】
人工甘味料が使用されているため、飲みすぎるとおなかがゆるくなることが。また、カロリーオフでもコーラなどには、カフェインが含まれます。
20【乳酸菌飲料】
便秘解消などに効果がある場合も。ただし、糖分が多く含まれるものもあるので、購入する際は表示をチェックしましょう。
※各ドリンクの「1杯」は、約200mlで計算しています。
※「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にしています。
監修/小川博康先生(小川クリニック院長)、小川クリニック栄養課 取材・文/たまごクラブ編集部
カフェインの心配だけでなく、ビタミンAやハーブ、果糖など、気にすることが多くて妊娠中は大変ですよね…。ですが、基本的にアルコール以外は「心配なものは1杯程度、それ以外は毎日、過剰に飲みすぎなければOK」とのこと。妊娠中の飲み物は、“適量”を心がけましょう。
参考:『初めてのたまごクラブ』2022年冬号「妊娠中の食べ物&飲み物OK・NG早わかりチェックシート」
※掲載している情報は2021年12月現在のものです。