【医師監修】臨月に入った妊婦さんの正しい過ごし方 やっていいこと・ダメなこと!
臨月に入ると、妊婦さんの体はお産に向けて準備を始めます。出産予定日まであと少しとなり、ママは楽しみであると同時に不安でもあると思います。でも必要以上に神経質になることはありません。出産に向けて変化するママの体や赤ちゃんのこと、臨月ならではの過ごし方について、ポートサイド女性総合クリニックビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。
臨月とは? ママの体と赤ちゃんはこう変化します
妊娠36週になり臨月に入ると、赤ちゃんはいつ生まれてもいい状態まで成長します。外の世界に出ていくために背中を丸め、手足を前で組んだような姿勢になり、少しずつ骨盤の中に下りてきます。ただし、正期産は37週以降のため、臨月に入ってもあと1週間は産まれないように気をつける必要があります。
一方、出産が近づいて赤ちゃんが骨盤内に降りてくると、ママは胃の圧迫も解消され、食事もとりやすくなるでしょう。ここまできたらリラックスしてゆったりと出産を待ちましょう。ラストの1カ月で赤ちゃんの体重もぐっと増え、より重みを感じるママも多いはずです。中には、足のつけ根や恥骨(ちこつ)痛に悩むママもいるかもしれません。おなかの張りも頻繁になり、トイレが近くなる、おりものが増えるなどの変化も出てきます。臨月に入っても、体調がよければどんどん動きましょう。妊娠37週を過ぎれば、いつ陣痛や破水が起きてもおかしくありません。いつお産になってもいいように、入院の準備はもちろん、心の準備もしておきたいですね。
臨月に入ってからの正しい過ごし方
体調がよく、妊娠経過が順調な妊婦さんは、臨月に入ったからといって、家でじっとしている必要はありません。いつも通りの日常生活を送りましょう。自分の体調と相談しながら、無理のない範囲で家事などを積極的にしたり、適度なウォーキングなどで体を動かしたりしましょう。ただし出かけるときは、遠出をするのはNG。外出時はいつでも産院に連絡できるようにしておく、母子健康手帳を携帯するなど、いつ陣痛が来てもいいように万全の準備をしておきましょう。
臨月に入ると食欲も増し、気が緩んで急激に体重が増えてしまう妊婦さんもいます。最後まで気を抜かず、食生活にも気をつけ、早寝早起きなど規則正しい生活をしましょう。
臨月に入ったらやっていいこと、ダメなこと
臨月に入ってから、やっていいこと、ダメなことにはどのようなものがあるのでしょうか。「日常生活」編と「お出かけ」編に分けて説明します。
臨月にこれやってOK?NG?「日常生活」編
・家事
基本的に無理のない範囲でいつも通り行って構いません。ただし、足元が冷える場所で長時間立ちっぱなしになるような作業や、洗濯物干しで高いところに手を伸ばす、滑りやすいところで作業する、高い場所や不安定な場所での作業などは避けましょう。お産が近くなってきたら、両手両足をついて行うふき掃除などは、股関節(こかんせつ)をやわらかくするのでおすすめです。
・食事
臨月に入ったからといって好きなものばかり食べていると、急激に体重増加することも。最後まで食事には気をつけましょう。アルコールやカフェインを避けるのはもちろんですが、お刺し身や生肉などの生ものも避けるようにしましょう。
・マタニティスポーツ
ヨガなどはお産が来る直前までやっている人もいるほどです。気持ちがよければやってもいいでしょう。マタニティスイミングは臨月までやっても構いませんが、体が冷えないように注意して行ってください。また、マタニティエアロビクスも体調がよければOKですが、37週未満ではおなかが張ったら休むなど、自己管理をしっかりすることが大切です。
・美容院
ヘアカラーやパーマなどは、頭皮が敏感になっている可能性があるので、できれば控えましょう。いずれにしても長時間座ったままになるなど同じ姿勢で過ごさなくても済むように、短時間で済ませるようにお願いしておきましょう。
・整体、マッサージ
出産前に体のケアをしておくのはとてもいいことですが、妊婦さんでも施術できる専門の施設で行いましょう。事前に必ず妊娠中であることを伝えておくことも忘れずに。
臨月にこれやってOK?NG?「お出かけ」編
・乗り物
バスや電車は長距離でなければ構いません。ただバスは揺れることが多いため、座って乗ることをおすすめします。車は、自分で運転するのはNGです。同乗する場合も後部座席に乗り、必ずシートベルトを締めましょう。また飛行機を臨月になってから乗る場合、ほとんどの航空会社で、医師の診断書や同意書の提出が必要に。利用する場合は必ず事前に航空会社に問い合わせてください。
・コンサートや映画館
人が多いところで長時間立ちっぱなしでいるようなコンサートは体に負担がかかるため、おすすめできません。また映画を見る場合は近所であることと、心が穏やかになるような内容のものならいいでしょう。
・旅行
臨月に入ったら、遠出は日帰り旅行であってもNGです。体調がいいときに、ごく近所を無理のない範囲で出かける程度にしておきましょう。
・冠婚葬祭
冠婚葬祭は人が多く集まり、慣れない食事を食べるなど無理が重なりがち。体調を崩してしまう可能性が高いので、「臨月なので…」と事情を伝え、ていねいにお断りするのが無難です。
・里帰り
里帰り出産の場合、臨月に入ってから帰省するのでは遅すぎます。原則として34週までには帰省しましょう。里帰り先では医療環境も違うので、万が一のときの医療のバックアップ体制も調べておくと安心です。
出産まで約1カ月。健診の頻度も高くなり、もうすぐ赤ちゃんに会えるうれしい気持ちと不安が入り交じる時期でもありますね。ママは気持ちはゆったりと持ちながらも、最後まで気を緩めずに赤ちゃんと会える日を迎えたいものですね。
(文/たまごクラブ編集部)
先輩ママ達の臨月の過ごし方は?【ママ体験談】
先輩ママたちが臨月でしていたことしなかったこと。この時期だからこそのあるある体験談を集めてみました!
私はアクティブ妊婦でした
後輩に「産前の産休中、何して過ごしました?」と聞かれ、「緊張感ゼロのアクティブ妊婦でね~、よく電車に乗って近場に出かけてたね~、まぁ生まれてからはすっかり出不精になっちゃったけど」なんて会話をしてたのですが、コロナ禍前でしたし本当にアクティブに過ごしていました。
臨月に何してたかな?と思い、携帯の過去の写真を検索してみたら、歌舞伎座で歌舞伎観て、その帰りにスイーツを食べてる写真が出てきました!出産直前になにやってんだ私~(笑)
予定日過ぎても陣痛が来ず、家の中をグルグル歩いてました
初産婦で予定日を2日過ぎても産まれる気配がなく、「初産婦は予定日より遅れるから大丈夫だよ」と言われるのですが、私の周りの友人や知り合いはみんな予定日より早めに出産または予定日に出産してる人しかいなくて、気にしても仕方ないと思いつつ不安で仕方ありませんでした。また、義家族からの 【産まれた?】の連絡なども結構辛かったです。正直、いちばん気にしてるのは私なのに…。
1日30分〜1時間を目安に家の中をグルグル歩き回ったり、軽い運動をしたり、マッサージしたりとできる事はやってるのに、なんでまだ生まれてこないの?っていう不安と焦りからイライラすることも増えてしまい…。赤ちゃんのタイミングがあるから私はリラックスして待つしかないと思うようにしてました。
産休を全うしたかった!
1人目は37週、2人目は39週、3人目は…2ヶ月も早かった。3人目の時は最後だから今度こそ6週以上休む!と、有休と夏休み分の休暇使ったのに…休みに入った途端に出産。
1人目の時はおなかが張ってたのであまり動けなかったし、2人目の時は年末年始&上の子もいたのでゆっくりもしていられなかったし。3人目、休みに入ってなかったら、会社で伝説になっていたかもしれない (産気づいたのが夕方)。そう思えば、休みに入ってからでよかった、としか言えないのですが…一度くらい、産前休暇全うしたかったなぁ。
マタニティフォトを残しておけばよかった!
臨月にやり忘れたことがひとつだけ。マタニティフォトまではいかなくとも、大きなおなかの写真を撮っておけばよかったなあと思います。
初産だしまだ産まれるのは先かなぁなんて思ってた36週に破水。陣痛も順調にきて、破水から5時間で出産。急におなかがしぼんで少し寂しくもありました。
妊娠中に動画で胎動でぽこぽこしているおなかとか、写真でパンパンのおなかとか自分が見る用に残しておけばよかったなーとたまに思います。
我が子との限られた一心同体時期を楽しみました
臨月あたりはちょっと体重増加ぎみで「いっぱい歩いてね」と言われていたので天気がいい日は毎日お散歩をしていました。あとはたまに半身浴とマッサージ。
栄養を考えながらも食べたいものを食べて、家事もできるだけ減らしての〜んびりすごしていました。生まれてからはしばらく行けなくなくなるであろう屋外カフェとかお買い物とかも行ったりして。
おなかをトントンしてキックやパンチで返事をしてもらうゲームとかもよくしていました(頻繁にやってるとけっこう返事してくれるようになります笑)。
一人しか産んでないので、妊娠体験も一回きり。今考えると我が子と本当の意味で一心同体でいられたあの時期って本当に不思議で貴重な時期だったなぁと思います。
あ!あと後期〜臨月ですごく大事だなと思うのは保湿用のクリーム!
わたしは友だちからお勧めされたものを中期くらいから毎晩必ず塗るようにしていました。おなかだけでなくお尻と太ももにも。そのおかげか妊娠線もできずツル肌のまま出産することができました。お尻と太ももはノーケアで気がついたら線だらけってこともあるみたいなので、太くなりそうなところ全部に塗るといいと思います!
※体験談は、ベネッセの口コミサイト(ウィメンズパーク)に投稿されたものを中心に再編集したものです。