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コロナ禍に558gで生まれた小さな命。はじめてのおむつは、低出生体重児用の6Sサイズ…!今はそれが家族の宝物に【体験談・医師監修】

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島根県に住む小林祥子さん(34才・会社員)は、夫の照聖さん(33才・会社員)、時生(ときお)くん(2才)、樹生(いつき)くん(8カ月)の4人家族。次男の樹生くんは、2021年11月2日(妊娠27週)に558gで生まれました。産後から現在までの樹生くんの成長について、祥子さんに話を聞きました。上の写真は生後67日で初めてカンガルーケアをしたときの様子です。

コロナ禍で面会は週1回15分。もっとそばにいてあげたかった

面会できない間、看護師さんたちが毎日つけてくれた成長日記

――妊娠24週で羊水がたりないとわかり、島根大学医学部附属病院で子宮への人工羊水注入の処置を経て、妊娠27週で樹生くんを帝王切開にて出産したとのことですが、産後に樹生くんに面会したときのことを教えてください。

祥子 出産の翌日、看護師さんに車イスでNICUまで連れて行ってもらいました。光の刺激を軽減するため部屋は暗く、樹生は目にカバーをされていましたが、私が近づくと看護師さんがカバーを取って顔を見せてくれました。生後72時間は脳出血などのリスクがあるため看護師さんもケアのとき以外は極力触らないようにしていて、樹生もほとんど動きませんでした。あらためてその姿を見て、かわいいけれどこんなに小さくて、たくさんの管などにつながれて、本当に生きていけるのかと不安になりました。

初めて樹生に触ったのは産後4日目。保育器にいる樹生の頭をなでなでさせてもらいました。そのときの肌のぬくもりは今も覚えています。本当はずっとなでたかったけど、負担になるのが心配ですぐ手を離しました。5日目にはホールディングといって、保育器の中に手を入れて、樹生の体を包むようにタッチをしました。

――ママの退院後の面会などはどうでしたか?

祥子 私は産後7日で退院しました。その後、3カ月ほどは、面会は親1人につき週1回に15分だけ。私が平日に、夫が土日の休みに面会に行っていました。そのほかにリモート面会が週2回15分ずつ。リモート面会はビデオ通話で看護師さんが樹生を映してくれて、その日の様子を教えてくれました。

やっぱり、会える時間が少ないことが本当にさみしさかったです。家から病院までは車で1時間半の距離があるんですが、それでも毎日会いに行きたかった。どんな処置をしてもらっているのか見たかったし、樹生が苦しいときにはそばにいたかったし、樹生の成長の初めてを、全部そばで見届けたかったです。

それに、赤ちゃんがいない中で、夜中も3時間おきに搾乳をするのが体力的にも精神的にもつらくて…。上の子のときは夜中にぐずったらあげる、という感じで…ママって赤ちゃんが泣くと条件反射で目が覚めると思うんですけど、アラームをかけて起きるのはしんどかったです。でも、週1回の面会のときに、樹生が飲む母乳を届けるためにどうにか頑張りました。その時期は、お兄ちゃんの存在に助けられたと思います。お兄ちゃんが私に向けてくれる笑顔を見てなんとか気持ちを切り替えて頑張れた気がします。
生後4カ月からは、私は面会制限なしになりました。

――つらい気持ちのとき、周囲の人のサポートで励まされたことはありますか?

祥子 ときどき、突然どうしようもなく悲しくなって、涙が出たこともありました。その気持ちを夫にぶつけると、夫はゆっくり話を聞いてくれて、「そうだよね、自分もそう思ってるよ」って私の気持ちに寄り添ってくれて…。いつも前向きな言葉をかけてくれることに励まされていました。義理の両親や私の両親、姉も、通院時にお兄ちゃんを見てくれるなどいろんな面で私たち家族を助けてくれたのでとても感謝しています。

紙おむつのサイズアップは樹生が頑張った証し

低出生体重児用の紙おむつ。左から6Sサイズ(〜800g)、5Sサイズ(〜1000g)、4Sサイズ(1000〜2200g)、3Sサイズ(3000gまで)、新生児サイズ(〜5kg)

――初めて樹生くんを抱っこしたのはいつごろですか?

祥子 生後64日、待ちに待ったカンガルーケアをしました。胸の上の樹生の温かな体温に命の力強さを感じました。週に1回しか会えない、そばにいてあげられないさびしさが吹き飛ぶくらい幸せでした。
その3日後、生後67日には夫が初めて樹生を抱っこしました。夫も実はその日にカンガルーケアをする予定だったんですが、ちょうど新型コロナウイルスの感染者が急増している時期で、濃厚接触を避けるために抱っこに変更になりました。夫は「ちっちゃいな~!でもおっきくなったな。壊れちゃいそうでこわいけど、かわいかった」ととてもうれしそうな様子でした。

――NICUで過ごしていた樹生くんの健康状態はいかがでしたか?

祥子 生まれた直後から、心臓の動脈管が閉じるかどうかや、おなかにたまっているうんちが排せつされるかどうかなど、それらの健康状態によって医療処置をどうするか、といった心配事はつきませんでした。でも、樹生は痛いことや、苦しいことも乗り越えてくれ、少しずつ母乳を飲む量も増え、体重も増加していきました。慢性肺疾患があるので、酸素チューブはずっとつけていますし、生後2カ月のころには未熟児網膜症のレーザー治療を受けました。でもそのほかには手術などはなく、少しずつ哺乳量や体重が増え、頑張って大きくなってくれたと思います。先生や看護師さんたちが愛情たっぷりに育ててくれたことに、とても感謝しています。


――NICUでの樹生くんの成長の様子について教えてください。

祥子 毎日看護師さんたちがつけてくれる成長日記を面会のときに見るのがとても楽しみでした。私は樹生の成長をできるだけ記録しておきたかったので、面会のたびにインスタグラムに樹生の体重や健康状態や自分の気持ちを書き込んでいました。

また、紙おむつのサイズアップもインスタグラムに記録していました。生後すぐのころから、少しずつ紙おむつのサイズが大きくなっていくことも成長を感じてうれしかったです。
低出生体重児用の紙おむつはいちばん小さいもので6Sサイズ。樹生のおかげで、こんなに小さい紙おむつがあると初めて知りました。病院の売店で購入して看護師さんに渡していたんですが、サイズアップするごとに1枚ずつもらって集め、写真を撮ったんです。この紙おむつたちは樹生の頑張った証しであり、私たち夫婦の宝物。日ごとに体重が増え、紙おむつがサイズアップすることを家族で喜びました。樹生は生後4カ月で新生児サイズの紙おむつをつけられるようになりました。

生後5カ月で退院。ようやくわが家へ

生後3カ月、パパが初めて哺乳びんで母乳を与えた

――その後退院となったときのことを教えてください。樹生くんは在宅での医療ケアも必要なのでしょうか?

祥子 樹生は生後5カ月に2730gになり、2022年4月2日に退院、わが家へ迎えることができました。在宅酸素のケアが必要とのことで、機器の使い方を事前に説明を受けました。在宅酸素の機器と酸素量を測るモニターは24時間ずっとつけておかなければならず、鼻に入れている酸素チューブを固定するテープは毎日交換、足につけているモニターを固定するテープも毎日交換が必要です。また、通院するときなどはモニターも酸素も一緒に持っていきます。

そのほか退院時には、肺疾患があることと体力を消耗してしまうことから長く泣かせすぎないこと、感染症は重症化する可能性があるため風邪症状のある来客などに気をつけること、低血糖になるのを避けるため3時間以上寝ているときは起こして哺乳させること、吐き戻しがあるため授乳後1時間は右側を下にして寝かせ、バスタオルで支えてあげること、毎日薬を飲ませること、などを気をつけるようにと説明を受けました。

――現在の樹生くんはどんな様子ですか?

祥子 現在8カ月(修正月齢5カ月)になり首がすわりました。毎月1回、島根大学医学部附属病院の小児科にフォローアップ外来に通い、成長の経過を見てもらっています。6月に3回目のフォローアップ外来に行ったところ、離乳食を始めることになりました。また、酸素量を0.5リットル/分から0.25リットル/分に下げてみることに。慢性肺疾患は体重が増えて肺が大きくなると症状が軽減するらしく、在宅酸素が外れるまでには1年くらいといわれています。フォローアップ外来では、RSウイルス感染症の重症化予防のため毎月シナジス注射を打ってくれています。シナジス注射は小さく生まれた赤ちゃんや、基礎疾患があって感染に対する抵抗力が弱い子が対象となり補助が受けられるそうです。

――樹生くんと一緒に過ごして、成長にどんなことを感じていますか?

祥子 いろいろとケアには時間がかかるけれど、一緒に過ごす時間が本当に幸せです。樹生は、人を見てよく笑う子なんです。あやしたり目が合うと笑ってくれて、そんな樹生のかわいらしさに癒やされています。上の子も樹生のことが大好きで、なでなでしたり、ぎゅーってしたり、とってもかわいがってくれています。

――これから樹生くんにどんな子に育ってほしいですか?

祥子 樹生は、本当にたくさんの人に助けられてつながった命なので、大きくなったら人を助けるような優しい子に育ってくれたらな、と思います。でもまずは元気でいてくれたら、それがいちばんです。

【島根大学 小児科 山本慧先生より】家族の深い愛情に支えられ順調に育ってくれた

樹生くん生後5カ月、お兄ちゃんとお昼寝

樹生くんは558gと小さく生まれましたが、大変な治療をたくさん乗り越えて大きくなってくれました。樹生くんの頑張る姿を見て、僕も元気をもらっていました。コロナ禍で、面会制限が厳しく、ご家族の方にはさびしい思いをさせてしまいました。お兄ちゃんもたくさん我慢してくれたことがあったと思います。その中でも、ご家族からとても深い愛情を注いでいただけてありがたかったです。

小さく生まれた赤ちゃんは、ご家族の協力なしでは順調に大きくなれないと感じています。不安な思いもたくさんあったと思いますが、退院まで順調に過ごせたのは、ご両親、お兄ちゃんの協力あってこそです。
お家でお兄ちゃんと仲よく過ごしている写真を見て、うれしい気持ちになりました。これからもすくすくと大きくなっていってくれたらと願っています。



お話・写真提供/小林祥子さん 監修/山本慧先生 取材・文/早川奈緒子、ひよこクラブ編集部

コロナ禍のため、祥子さん自身の入院中は家族と会えず、退院後は赤ちゃんと会えず、不安を抱えさびしい思いをしたことでしょう。それでも、今樹生くんがそばで元気にしていることの喜びや、医療スタッフへの感謝など、前向きな言葉で話してくれました。


●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

山本慧先生(やまもとけい)

PROFILE 島根大学医学部卒業。島根大学小児科学講座に入局し県内で勤務後、埼玉医科大学総合医療センターで新生児研修。2018年から島根大学周産期母子医療センター NICUで勤務。

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