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突然の出血...、胎動が減った...?妊娠中のトラブルを見つけるためのチェックポイント!

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妊娠時期によっても違う、出血があった場合の対処法は?

 妊娠中はおなかの中の赤ちゃんの様子が見えないだけにちょっとした体調の変化でも不安になりますね。気になる症状や不安なことがあれば、担当医に確認することが基本ですが、妊娠中のママに気にかけてほしいいくつかのポイントをお伝えしたいと思います。

 まず、出血です。突然出血があるとビックリしてしまうかもしれませんが、妊娠時期によって原因は違います。

 妊娠初期の出血は、妊娠に伴い起こる生理的なもの、がん検診などによる刺激や子宮腟部(子宮の入り口)のびらん面がこすれて起こるもの、子宮頸管ポリープ、絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)などが考えられます。

 また出血が続いて自然流産になってしまうこともあります。しかし妊娠12週以前の初期流産は、染色体異常など胎児側に原因があり、残念ながらほとんどは救えないものです。そのため妊娠初期に出血があったとしても治療はできず、経過をみるしかありません。しかし、子宮内の妊娠が確定できていない場合には、異所性妊娠(子宮外妊娠)の可能性がありますので、痛みを伴う場合には早めに受診しましょう。

 妊娠中期に入り、妊娠18週~20週の胎動を感じるころになると、胎盤も完成して出血はほとんど起こらなくなります。妊娠中期以降に出血が起こった場合は、子宮頸管(しきゅうけいかん)での炎症などなんらかの原因があるはずですから、早めに受診するのが大切です。

 妊娠26~28週を超えていれば、赤ちゃんはすでに1000gを超えるほどの大きさになります。万が一、胎盤早期剥離(たいばんそうきはくり)などの深刻な状況であっても、緊急に対応できれば赤ちゃんを助けることができます。

どんな時期であっても出血があると、とても不安になると思いますが、時期別にどんなことが考えられるのか、少し頭に入れておくと必要以上にあわてることはないと思います。

胎動は赤ちゃんからの大切なサイン

 赤ちゃんが動いているのを直接感じることができる胎動。初産の場合には、だいたい妊娠20週前後には感じられるようになるでしょう。その胎動も赤ちゃんの健康状態を知るためには欠かせない大切なサインです。

 胎動を感じられるようになったら、ママがリラックスしているとき、横になって寝る前、あるいは食後などに、赤ちゃんが動いていることを意識する習慣をもつといいですね。仕事で忙しいママは、昼間は気にする時間もないかもしれません。赤ちゃんは短い周期で寝たり起きたりしていますので、胎動を感じられないタイミングもありますが、日中に胎動が少なく感じたり弱いと感じたら、食後に胎動を意識してみるといいでしょう。

 そして、今までと違うなと感じたら、早めに受診することをおすすめします。胎動減少は胎盤早期剥離のサインの可能性もあります。ただ、先ほども述べたように妊娠26~28週を超えていれば、赤ちゃんを救命することができるのです。もし受診して、赤ちゃんに特に問題がなかったとしても、決して恥ずかしいことではありません。ママが体の変化に敏感になることは、赤ちゃんを守るために必要なことなのですから。

日常生活ではここをチェック!

 妊娠中はおなかの中で赤ちゃんを育てていることを忘れずに、自分の体の変化を理解し、体をいたわり大切にしましょう。3食をきちんと食べ、適度な運動、排便、睡眠など規則正しい生活を心がけて、体調を管理することもママの仕事です。

 体重や血圧など妊婦健診で毎回チェックしている項目については、自分でも日常に気をつけるようにしましょう。過度な体重増加は、「妊娠高血圧症候群」や「妊娠糖尿病」の原因となったり、悪化させたり、また巨大児となり難産になったりしやすいなど分娩にも影響を及ぼす可能性があります。

 また、妊娠前から血圧が高めのママや高年齢のママ、両親が高血圧のママは、自宅でも測定器具を購入して自宅血圧を測ることを習慣にするといいでしょう。

 今まで感じたことのない痛みや体調不良があったときには、なんらかのトラブルの可能性もあります。受診のタイミングに悩むこともあると思いますが、安静にしても症状が改善されないのであれば、早めに受診するようにしましょう。




笠井靖代 先生
日本赤十字社医療センター 第三産婦科部長

専門は高年出産や出生前の遺伝カウンセリング、母乳育児。著書「35歳からのはじめての妊娠・出産・育児」(家の光協会)「はじめての妊娠・出産 毎日ケアBOOK」(朝日新聞社)など。NHK「すくすく子育て」のコメンテーターとして出演。 「出産はゴールではなく、長くつづく育児のスタートラインにたつことでもあります。妊娠出産の経過はひとそれぞれ違いますから、あまり他の人とくらべすぎずに、ご夫婦で主体的に出産にするという意識を持つことが大切です。そして、楽しく希望を持って育児をしていただきたいです。」

※この記事は「たまひよコラム」で過去に公開されたものです。

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