SHOP

内祝い

  1. トップ
  2. 妊娠・出産
  3. 妊娠中の暮らし
  4. ばあば世代とこんなに違う!医師が解説【妊娠・出産】今の常識

ばあば世代とこんなに違う!医師が解説【妊娠・出産】今の常識

更新

iStock.com/KatarzynaBialasiewicz

妊娠や出産に関して、義母や実母に言われたことで「あれ? 今の常識と違うかも」と感じたことはありませんか? それは、時代の変化とともに、妊娠・出産の常識も変化しているから。ばあば世代から言われがちなことについて、その真相や今の常識を、愛育病院・産婦人科部長の山下隆博先生に教えてもらいました。

ばあば世代と大きく変わっている「妊婦の食生活」

ばあば世代からのアドバイスでとくに多いのが、食事に関すること。

「『しっかり栄養をとってほしい』という願いからか、『二人分食べないと!』とか『つわりがつらくても赤ちゃんのために食べないと!』などと言われることが多いようですが、今の産院の指導とは違うこともあります」

また、カフェインやビタミンAなど、過剰摂取に気をつけたい食品については、「気にしすぎよ~。私たちは普通に飲んだり食べたりしていたけれど大丈夫だったわよ」と言われることが多いとか。

「これは、医学や研究の進歩で、胎児に影響を及ぼす食品があることがわかってきたから。神経質になりすぎる必要はありませんが、避けられるリスクから赤ちゃんを守ることも大切なことです」

ごはんは二人分?つわり中も無理して食べたほうがいいの?

「『赤ちゃんの分も二人分食べなさい』と言われるのは、食糧が不足していた時代に、妊婦さんに優先して食糧がいくように言われていた名残でしょう。今は、自分の体格に合った増加体重を知って、自分に合った量を食べるように指導がされます。

つわりのピークである妊娠初期は、赤ちゃんがまだ小さく、必要な栄養も少ないため、母体にもともと蓄えられている栄養分でたりると考えらえています。水分をとっていれば、無理に食べなくてOKです」

レバーやひじき、カフェインを気にしすぎ?

「昔は今ほど、注意すべき食品について指導されていなかったかもしれません。でも、今はレバーに含まれるビタミンA、ひじきに含まれる無機ヒ素が、妊娠中に過剰摂取すると胎児に影響があることがわかっていて、とり過ぎには注意が必要な食品とされています。

また、今は、カフェインには血管収縮作用があり、大量に摂取すると胎児に影響があることがわかっています。でも、1日に、紅茶なら2~3杯、コーヒーなら1~2杯は問題ありません」

生ものを控えるのは気にしすぎ?

昔はとくに指導がされていなかったので、「私たちのときは普通に食べていたのに!」と驚くばあば世代が多いようです。

「今は、トキゾプラズマやリステリア菌が心配な生肉・生ハム・スモークサーモン・輸入されたチーズは、妊娠中は避けるようにいわれています。また、食中毒が心配な刺し身・すし・魚卵などは、鮮度に十分注意するように指導がされています」

冷やしたらダメ?働いたらダメ?陣痛に耐えないとダメ?の真相は…

食事のアドバイスに次いで多いのは、「冷やしたらダメ」「働いたらダメ」「運動はダメ」など、「あれしたらダメ、これしたらダメ」攻撃。

妊婦さんには「体を大事にしてほしい」という思いからなのでしょうが、自分のやることを全部否定されてしまったら、悲しいですよね。

また、「陣痛に耐えて産まないと母性が育たないからダメよ」と、お産のスタイルについてあれこれ言ってくるばあば世代もいるようです。本当にダメなのか、山下先生に聞きました!

体を冷やすと流産することがある?

「体が冷えて流産することはありません。体の中心は37度くらいあり、体が冷えても子宮の温度は変わりません。ただ、体が冷えることで抵抗力が弱くなって風邪をひきやすくなったり、冷たいものをとりすぎると胃腸の調子が悪くなることがあるので、健康面に影響が出る場合も。体は冷やさないほうがいいですが、『冷えると流産する』というのは間違いです」

妊娠中の仕事や運動はよくない?

「お産時や産後のための体力・筋力を維持するためにも、妊娠経過に問題がなければ、安定期に入ったらウォーキングやマタニティエアロビクスなど、軽めの運動をするのがおすすめです。昔の人は家事が重労働だったので、運動しなくても適度に動けていたのかもしれません。

また、妊娠したからといって仕事をやめる必要はありません。ただ、ハードワークや仕事のストレスがおなかの張りにつながることもあるようです。通勤時間・勤務時間・業務内容が負担になっているのなら、医師に相談し『母性健康管理指導事項連絡カード』を書いてもらい、事業主に提出しましょう」

痛い思いをして産まないと母性が育たない?

「『陣痛の痛みを経験してこそ母性が育つ』と考えるばあば世代もいるようですが、陣痛に耐えたから母性が育つわけではありません。妊娠・出産で大量に出るホルモンや、お世話をしているうちに芽生える愛情で、母性が育つのではないでしょうか。お産の方法は関係ありません。どんなお産スタイルでも自信を持ってください」

ばあば世代に言われがちなことをまとめてみました。参考になりましたか?
「たまごクラブ」 2018年1月号では、切り取ってばあばたちに渡せる仕様で、「妊娠・出産のこと」「育児のこと」に分けて、さまざまな「今の常識」を解説しています。そちらもぜひチェックして!(文・たまごクラブ編集部)

■監修/総合母子保健センター 愛育病院 産婦人科部長 山下隆博先生

参考:「たまごクラブ」 2018年1月号「妊娠・出産・育児 今の常識はコレ!」

■関連記事
義母が子育てに口を出したら...やり手妻の上手なかわし方
毎年頭を悩ませる...「年末年始、義実家or実家どちらで過ごすか?」問題
妊娠中は【家事シェア】を見直すベストタイミング!

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

妊娠・出産の人気記事ランキング
関連記事
妊娠・出産の人気テーマ
新着記事
ABJマーク 11091000

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第11091000号)です。 ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら→ https://aebs.or.jp/

本サイトに掲載されている記事・写真・イラスト等のコンテンツの無断転載を禁じます。