44才で第3子を妊娠中、天使のたまご代表・藤原亜季さん「仕事と育児の両立するポイントは“罪悪感”を持たないこと!」
マタニティ&ママのため鍼灸マッサージサロン「天使のたまご」代表の藤原亜季さんは、現在44才で第3子を妊娠中! そんな藤原さんに、第3子の妊活や妊娠生活のこと、育児と仕事の両立のことなどを教えてもらいました。
第2子の妊娠・出産が幸せすぎて、産後すぐに「もう一人ほしい!」と思いました
――第2子は不妊治療が大変だったとお聞きしました。そして、今回は44才で第3子を自然に授かったとのこと! ぜひ詳しく教えてください。
藤原さん(以下敬称略)42才で15年ぶりに第2子を出産しましたが、第2子がほしいと思ったのが40才のときで、妊娠するまでに2年かかりました。
不妊治療中は異所性妊娠や流産でつらい思いもしましたし、本当に大変でした。どんどん視野も狭くなって追い込まれてしまって…。「もうこれで終わりにしよう」と思ったときに、妊娠がわかったんです。待望の妊娠だったので、とにかくうれしいという気持ちしかなくて!
第1子のときは初めての妊娠で不安と戸惑いばかりだったんですが、第2子のときは自分にもちゃんと知識があるし、産婦人科医である夫や天使のたまごのスタッフも含めて、まわりに心強い専門家がたくさんいてサポートしてくれるし、なんのストレスもなくハッピーに過ごせました。「もうずっと妊婦でいたい」と思えるくらい幸せな妊娠生活で、心身のコンディションがいいと“妊娠”に対する捉え方がこんなにも違うんだ…と実感したんです。
私は幸せホルモンと呼ばれる「オキシトン」について勉強をしていて、36才から42才までは大学の医学部で研究をしていたのですが、幸せな気持ちで安心感とともに過ごしていると「オキシトシン」がどんどん分泌されて、お産が進みやすくなるといわれています。第2子は、「オキシトシン」の力を最大限に生かして、力を抜いてリラックスして出産する自然分娩に挑戦しました。自分の理想通りの自然なお産ができたこともあって、出産してすぐに、赤ちゃんを見て、「幸せ~!かわいい!もう一人ほしい!」と思えたんです。
1人目を出産したときは、「こんなに大変ならしばらく出産は無理…」と思っていたのに、15年も年をとった今、こんな気持ちになることに自分でも驚きました。オキシトシンには、「もう一人子どもがほしくなる気持ちにさせる」という作用もあるといわれていますが、それを身を持って経験しました。
妻44才と夫55才での自然妊娠に、産婦人科医の夫も驚いていました
――産後すぐから第3子を考えていたんですか? 第3子の妊活はどのように?
藤原 私は第2子を妊娠する前に異所性妊娠で片方の卵管を切除しているので、そう簡単には妊娠できないだろうと思ったし、第2子のお世話があるから不妊治療に通うのは現実的ではないし…。夫とは「不妊治療は難しいけれど、もしも自然に授かったら幸せだね」と話し合っていて、産後に生理が再開してから、無理のない範囲で妊活をしてみることにしたんです。そしたら、なんと、自然と授かることができたんです! これにはお産の専門家でもある夫も「44才の妻と55才の夫での自然妊娠はすごい!」と、心から驚いていました。
――妊娠生活はいかがですか? 体調面や経過で不安なことはないですか?
藤原 もちろん、高齢なので、不安はあります。でも、「妊娠できただけでもすごいね」という幸せな気持ちを大事にして過ごすようにしました。ふり返ると、第2子の妊娠中からずっと穏やかな気持ちで過ごせていたことがよかったのかな…と思っています。
あとは第2子を育てながらの妊活だったので、早寝早起きで食生活もいい、健康的な毎日を過ごしていました。授乳のために妊娠中から飲んでいた鉄分のサプリなども継続していたし、離乳食をつくるために野菜や調味料なども自然なものにこだわっていたし、子どものためにしていたことが自然と自分のコンディションを整えていたのかも。
妊娠中の今も、体調はすごくいいです! トラブルもまったくなし。ただ、無理をするとよくないとわかっているので、仕事の合間に定期的に「天使のたまご」でマタニティケアを受けるようにしています。これまでの妊娠の経験や知識から、ケアの時間もしっかり仕事の中に組み込んで自己管理できるようにしたんです。
仕事と育児の両立のポイントは、子どもを預けることや家事を外注することに罪悪感を持たないこと
――子育ても仕事もして、妊娠中で、大変なことはないですか? 仕事をしながら、家事育児を回すコツはありますか
藤原 第2子はもうすぐ2才で大変な時期ではあるんですが、自分に余裕があるから、とにかくすべてがかわいい!「イヤイヤ」したってかわいいんです。それは夫も同じで、毎日溺愛しています。
高齢出産あるあるの1つだと思いますが、若いときよりもいろいろな面で余裕があるから、とにかく子どもがかわいくて毎日が幸せなんです。産後も夫婦関係が悪くなることなく、お互い感謝しながら、「幸せだね~」と言い合いながら過ごしています。妊活の話に戻りますが、お互いが思いやりを持って穏やかな気持ちで過ごせていたことも、妊娠につながったのかもしれないな…と。
家事・育児・仕事は、全部ひとりでやろうとしないことも大事。人に頼ることに罪悪感を持たないようにしています。第2子は週に2回スクールに預かってもらっていますし、家事も食事は自分で作ると決めていますが、掃除などは無理せずにアウトソースすることも。第1子のときは、「預けるなんて」「自分でできるのに」「もったいない」と罪悪感がありましたが、今は仕事とのバランスを考えながら、大変なときは無理をしないで利用したほうがいいという考えに。そのほうが私もイライラしないし、子どもの精神面も安定している感じがします。
同時に夫との分担も大事ですね。夫は料理なんてしたことがない人でしたが、ボタンを押せば料理ができる「電気圧力なべ」を買って、包丁の持ち方も教えて、ポトフなどは作れるようになりました。あとは夕食の片づけは夫の担当と決めていて、忙しくてもやってもらうようにしています。
妊娠中は無理をしないで! 赤ちゃんのためにも自分のこともケアをして
――最後に、マタニティケアの専門家である藤原さんから、全国の妊婦さんにメッセージをいただけますか?
藤原 「妊娠は病気じゃないから」という人もいますが、おなかの中に赤ちゃんがいて、体調もいつもとは違うから、決して無理はしないでほしいです。妊娠中に疲れやすくなったり眠たくなったりするのは、そういう体のメッセージなんだと思います。
私が妊婦さんと接していて感じるのは、我慢強くて頑張り屋さんの人は「大丈夫」とつい無理をしてしまいがち。とくに、私と同じような高齢妊婦さんには、「無理をしないで!」「我慢しないで!」「ストレスになることは避けて!」と言いたいです。
「心地いいな、幸せだな」と感じてオキシトシンが分泌されると、ストレス反応が抑制されることもわかっているので、自分が心地いいと感じることを探して実践してみてください。好きな音楽を聴く、おいしいものを食べる、ゴロゴロする、パートナーとスキンシップする、きれいな景色を見る、マッサージを受けるなど、どんなことでもいいんです。特別な時期だから、自分の心や体がしんどかったら、自分で整えてあげて。
これは、産後に育児をしているときにも大事なことで、ママが穏やかな気持ちでいると、赤ちゃんにも伝わるということを実感しています。妊娠中も産後も、自分のことを後回しにしないで、赤ちゃんのためにもしっかりケアしてくださいね。
幸せな気持ちで満たされた第2子のお産
第2子出産時のバースフォト。家族に見守られながら、幸せな気持ちでリラックスしてお産ができました。
食育や離乳食のために、畑を借りて野菜も育てています!
第2子“てんちゃん”に無農薬のおいしい野菜を食べさせてたくて、畑を借りて野菜を育てています。
妊娠中は「天使のたまご」で定期的にケア
第2子のときも今回も、定期的に、仕事の合間に「天使のたまご」でマタニティケアを受けています。
お話・写真提供/藤原亜季さん 取材・文/渡辺有紀子、たまごクラブ編集部
「産婦人科医の夫にも『44才の妊婦なんてそういないよ』と言われています。2人合わせて99才の夫婦で、赤ちゃんを授かれたのもすごいですよね」と笑いながら話してくれた藤原さんでした。幸せホルモンが出るちょっとした工夫は、ぜひ実践してみてくださいね。
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藤原亜季さん(ふじわら あき)
PROFILE
「天使のたまご」グループ代表。医学博士、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、アロマセラピスト。1978年京都生まれ。大学卒業後に鍼灸マッサージ師の資格を取得。自身の妊娠・出産経験を活かして、産婦人科内でマタニティケアに携わり、2006年に銀座で「マタニティ&ママのための鍼灸マッサージ院 天使のたまご」を開院。2020年に第2子を出産、現在第3子を妊娠中。