助産師直伝!産院に行く前に「赤ちゃんが生まれちゃった!」場合の対処法
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出産予定日が近づくと、「お産の始まりのサインに気がつかなかったらどうしよう」「もし、産院に行くのが間に合わず、自宅で生まれてしまったら…」など、不慮の事態も心配になりますね。そこで助産師さんに、万が一、自宅で赤ちゃんが生まれてしまったときの対処法について教えていただきました。
赤ちゃんの呼吸の確保と体温キープだけは忘れずに!
「お産が予想外に早く進んでしまい、産院に行くのが間に合わず自宅で生まれてしまいそうな場合には、まずは産院に電話をしてから、救急車を呼んでください」と助産師さん。
ママは気が動転してしまうと思いますが、落ち着いて、何時何分ごろ生まれたのか、出血はどの程度しているのかなど、赤ちゃんとママの状況を説明するようにします。次にご紹介する助産師さん直伝の具体的な対処法を知っておくだけでも、少しだけ落ち着けるはずです。
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破水せず生まれた場合には、羊膜(ようまく)を破って
救急車を待つ間に、下記の手順で赤ちゃんの呼吸をうながし、確保してください。
1.赤ちゃんは、羊膜に包まれた状態で生まれてくることがあります。いわゆる「破水」をしていない状態です。その場合、まずは羊膜を破り、赤ちゃんの鼻と口をタオルなどでふいてください。
2.赤ちゃんの背中をさする、足の裏をたたくなどの刺激を与え、泣かせます。赤ちゃんを泣かせることで呼吸を誘発できます。
へその緒・胎盤とつながったままバスタオルで包む
上記の方法で赤ちゃんを泣かせることができたら、ひと安心です。次に、救急車が到着するまでの間に赤ちゃんの体が冷えてしまわないよう、下記の要領で保温します。
1.赤ちゃんの体についている水分を全部ふきとります。水分が残っていると冷えの原因になりますので、ていねいにふいてください。
2.ぬれていないバスタオル2~3枚を使って、赤ちゃんの体をぐるぐる巻きに包みます。このとき、へその緒は切らずに胎盤もそのままにして、赤ちゃんと一緒にバスタオルで巻いてください。
3.赤ちゃんとママはできるだけ暖かい部屋に移動し、救急車を待ちます。
ママはナプキンを当てて、できるだけ安静にする
赤ちゃんの体をバスタオルで包み、体温キープの処置をしたら、ママ自身のケアも忘れずに行います。
出血をしていると思いますので、大きめの生理用ナプキンや産褥(さんじょく)パッドなどを当て、できるだけ安静にしてください。汚れてしまったあとの掃除をするために動き回ったり、歩いたりすると出血が多くなってしまいます。バスタオルで包んだ赤ちゃんの様子を観察しながら、横になって待ちましょう。救急車が到着して担架に乗るときも、そのままの姿勢で移動することになります。
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産院に行くのが間に合わず、自宅で生まれてしまうのは、ドラマや小説の中だけのことではありません。とくに、お産の進みが早くなりがちな経産婦(けいさんぷ)さんは、対処法を覚えておくと、いざというとき安心ですね。(文・たまごクラブ編集部)
■監修/東京都教職員互助会 三楽病院 助産師 田中友貴奈さん
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