【医師監修】妊娠初期(妊娠2・3・4カ月)に気をつけることは? やっていいこと・ダメなことQ&A【赤ちゃんへの影響・飲み物】
妊娠初期ママは、日常生活のいろいろなシーンで「おなかに赤ちゃんがいるのに、これってやっていいのかな? ダメなのかな?」「これって妊娠中どうなの?」と気になることがあるはず。そんな疑問の数々を帝京大学医学部附属病院、総合周産期母子医療センター長、笹森幸文先生に聞きました。今回は、赤ちゃんへの影響が気になる「飲み物」に関するQ&Aです。
【Q1】カフェインの入ったコーヒーはよくないの?
【A】カフェインは長期にわたって過剰摂取すると、赤ちゃんや妊娠経過に影響を及ぼすといわれていますが、程度についてははっきりとわかっていません。念のため1 日1 杯くらいにとどめ、ノンカフェインコーヒーに替えるなどの工夫を。
【Q2】ハーブティーは飲んでもいい?
【A】カフェインを含まないものが多いのでおすすめですが、妊娠中は避けたほうがいいハーブもあるので注意が必要です。毎日のように大量に飲むのでなければ問題ないと思いますが、念のため、専門店などに確認してからのほうがいいでしょう。また、ポリフェノールが含まれるルイボスティーは、妊娠後期に毎日大量に摂取した結果、胎児の血管が閉じてしまったり細くなったりしてしまう「動脈管早期収縮」が起こるという報告例もあります。常識の範囲内で飲む分には構いませんが、とくに後期は水代わりにガブ飲みするのは控えましょう。
【Q3】ココアは飲んでOK?
【A】ポリフェノールや、カフェインなども含まれるので飲みすぎないで。糖分が多いので飲む場合は、1日1 杯程度にしましょう。
【Q4】麦茶は体を冷やすからダメ?
【A】カフェインが含まれていないので、妊婦さんにおすすめのお茶です。飲んでも問題ありません。冷えが気になるなら温めて飲みましょう。
【Q5】はと麦茶は?
【A】はと麦に含まれる成分が子宮収縮に影響するといわれていますが、高い濃度で大量に飲まなければ問題ないでしょう。常識の範囲内で飲めば心配ありません。
【Q6】紅茶や緑茶は?
【A】紅茶や緑茶にもカフェインなどが含まれているので、1 日1 ~2 杯程度に。玉露などのカフェイン多めのお茶は、さらに控えて。
【Q7】黒豆茶は?
【A】大豆イソフラボンを大量に摂取すると胎児に影響するといわれていますが、はっきりしていません。飲みすぎないようにしましょう。
【Q8】ウーロン茶は?
【A】カフェインなどが含まれます。1 日1 ~ 2 杯程度に。
【Q9】どくだみ茶は飲んでいい?
【A】どくだみに子宮収縮作用があるといわれますが、市販されているお茶に含まれる程度であれば問題ないと思います。大量に飲むのは避けて。
【Q10】イタリアやフランスのスパークリングウォーターは飲まないほうがいい?
【A】市販されているものは飲んでも問題ありません。硬水はミネラルが豊富なので、飲みすぎると腎臓の負担になるから注意して。
【Q11】コーラはカフェインがあるからNG?
【A】コーヒーなどと比べれば、コーラに含まれるカフェイン量は少なく、まったく飲んではいけないことはありませんが、糖分も多いので、たまに飲む程度にしておきましょう。
【Q12】栄養ドリンクは飲んじゃダメ?
【A】アルコールやカフェインが入っているものや、「妊娠中は控えて」という商品も。表示を十分に確認して。ビタミンAが入っているものにも気をつけて。
【Q13】ダイエットティーを便秘解消に飲んでもいい?
【A】ダイエットティーにどのような成分が含まれているのかが気になります。種類や量など、商品によっては効き目の強いものもあるので、よく確認する必要があるでしょう。もし、便秘を解消したいのであれば、ヨーグルトがおすすめです。どうしても改善されない場合は、産院で薬を処方できますから、相談してください。
【Q14】豆乳は飲んでも大丈夫?
【A】動物実験でのデータですが、大豆イソフラボンを大量に摂取すると胎児に影響するという報告が。ですが、医学的根拠ははっきりしていません。通常の量なら問題ないでしょう。ただし、飲みすぎないように注意を。
【Q15】食事では野菜がとりきれない気がします。手軽な野菜ジュースを飲んだほうがいい?
【A】野菜ジュースを飲むことに問題はありませんが、食事に代わるものではありません。糖分が入っているものもありますから、手軽にとれるからと飲みすぎないで。
【Q16】青汁は飲んでもいい?
【A】青葉だけの純粋な青汁ならば問題ないと思いますが、茶葉が入っていてカフェインが含まれているなどの場合も。成分をよく確認して。
参考/『初めてのたまごクラブ』2023年春号
●記事の内容は2023年5月の情報で、現在と異なる場合があります。