5年の妊活、7回目の移植で妊娠・出産したブロガー夫婦。流産も経験し、初めは妊娠判明を素直に喜べなかった
不妊治療の経過を絵日記形式で掲載するブログ「おはぎのきもち」。運営するおはぎさんと旦那さん夫婦は、5年の妊活(そのうち3年は不妊治療を伴う)を経て、2021年に妊娠。22年に男の子のもちくんを出産。現在、ブログではもちくんの育児に奮闘する2人の姿がつづられています。誕生から一年以上がたち、すくすくと成長しているもちくんですが、妊娠がわかったばかりのころはとても不安だったそう。当時の率直な気持ちを聞きました。
不妊治療開始から3年。7回目の移植で妊娠!
――不妊治療を始めたきっかけを教えてください。
おはぎさん(以下敬称略) 「自然妊娠からの流産を経験し、その後、1年半子どもを授かることがなかったので、不妊治療を始めました。当時は私の年齢が32才、旦那が36才で、年齢的にもそろそろ医療に頼ったほうがいいかもと考えたんです」
――もちくんの妊娠で陽性反応が出たときはどう思いましたか?
おはぎ 「それまでも移植後に妊娠に至ったことはありましたが、結果は流産となってしまいました。だから『これで安心』とは少しも思わなかったです。まだまだここからだなぁ…というのが正直な気持ちでした。妊娠判明を素直に喜べないのも、不妊・不育のつらいところですね」
旦那さん(以下敬称略) 「もちろん、うれしかったですが、期待が高まるほどダメだったときのダメージが大きいのを経験済みなので…。平常心を心がけようと2人で話をしていましたね。なんて言葉で言うのは簡単ですが、いざその状況になると期待してしまったり、不安になったりと気持ちを保つのはなかなか難しかったです」
おはぎ 「また流れてしまうかも…という不安と、そこから来るストレスで大変でした。早く時間が過ぎてほしいと思っていました」
――では、心拍が確認できたときは、いかがでしたか?
おはぎ「力強く心臓が動く映像をモ
ニター画面で確認したときは、飛び上がるほどうれしかったです。ただ、このときはまだつわりのような症状がいっさいなかったので、ちゃんと妊娠が継続するのかという不安が、すぐにまたつきまとってきました」
不安なときは日記を書いて、気持ちを整理する
――不安なときは、どのように対処していましたか?
おはぎ「私の場合は、日記にありのままを書くことで、気持ちを整理していました。不妊治療をしているころから続けていますが、文字にすると自分がどういったことで悩んでいるかを客観視できます。ほかにも、旦那と悩みを共有できるメリットがあったり、また、不安な気持ちだけではなく、ポジティブな面も書くことでそちらにも目を向けやすくなったりもするので、私には合っている方法でしたね」
――日記はいい方法ですね。そのあと、今回の妊娠は大丈夫と思えたタイミングはありましたか?
おはぎ「妊娠16週(妊娠中期)に入ったころかな。今まで経験した流産が妊娠初期に起こっていたこともあり、その時期を越え、一般的にも安定期と呼ばれ、流産率がぐっと下がる時期に入ったので、ここまで来れば大丈夫かなと思えるようになりました」
――出産したときの気持ちを教えてください。
おはぎ 「"やっと赤ちゃんに会えた、やっとこの手で抱きしめることができた!"と思いました。私たち夫婦だけではこの子に会うことはかなわなかったので、これまでお世話になった病院や先生方、そして不妊治療の医療技術にも本当に感謝しています」
――同じ不妊治療を乗り越えた妊婦さんにメッセージをお願いします。
旦那「妊娠中も不妊治療とは違った大変なことがあると思います。遠慮なくパートナーやまわりの方々に支えてもらってください。無事出産を終えることを祈ってます!」
おはぎ「妊活、不妊治療という壁を乗り越え、妊娠したとなれば、不安になるのはある程度しかたのないことだと思います。その気持ちは受け入れつつ、一方で妊娠期間という貴重な時間を、できるだけ穏やかに楽しみながら過ごしてください。よりよい出産となることを願ってます!」
取材・文/江原めぐみ、たまごクラブ編集部
不妊治療をスタートし、これまで7回目の移植を経験したお二人。ブログ「おはぎのきもち」では、妊娠・出産・育児の出来事も詳細に紹介されています。ぜひチェックしてみてください!
●記事の内容は2023年9月の情報で、現在と異なる場合があります。
おはぎさん&旦那さん
PROFILE
2016年に妊活をスタート。2018年に専門のクリニックに転院し、不妊治療を本格的に取り組む。同じ年、治療の経過を絵日記形式で掲載するブログ「おはぎのきもち」を開始し、当事者ならではのリアルな内容が共感を呼ぶ。これまで何度も流産を経験し、21年に妊娠。22年男の子のもちくんを出産する。