たんぽぽ・白鳥久美子さん 37歳から不妊治療をスタート。4度の人工授精を経て顕微授精で妊娠、ロケの移動中に注射を打ったことも。
今年6月、自身のYouTubeチャンネルで第二子妊娠を発表した、たんぽぽの白鳥久美子さん。もうすぐ2歳になる娘さんを不妊治療で授かり、夫・チェリー吉武さんとともに、今回も二度目の不妊治療を行いました。コロナ禍で続けてきた不妊治療のこと、また芸人の仕事との両立について聞きました。
37歳ではじめた不妊治療はコロナ禍真っ只中! コロナに感染して、4カ月治療を休んだことも
――第二子を妊娠されたということで、今のお気持ちをお聞かせください。
白鳥さん:一人目の娘が生まれてからしばらくは大変だったので、二人目のことはあまり考えていなかったのですが、娘も少しずつ成長してきて、きょうだいがいたらいいよね〜なんて夫と話すようになりました。40歳と高齢での妊活だったので、あまり期待しないようにしていたんですが、二人目を無事に妊娠することができてうれしかったですね。
出産予定は10月中旬ごろですが、実はまだ何も準備をしていなくて。娘がもうすぐ2歳になるのですが、まだまだ手がかかるので、毎日がバタバタで……。ママ友からよく、二人目はなんでも適当になるって聞くけど、それをまさに体感しています(笑)。一人目を妊娠した時は、妊娠7カ月くらいの時期からちょこちょこ準備をしていたんですが、二人目は全然違いますね。「あそこにまとめてあるから、いいや」くらいの気持ちです。
――今はお仕事との両立はどうされていますか?
白鳥さん:基本的には、妊娠前と変わらずに仕事は続けています。もう少ししたら、仕事は抑えていこうと思っています。スタッフさんがすごく気を遣ってくださっていて、その中でなんとかやっていけていますね。今回は4カ月ぐらいまでつわりがひどくて、とくに仕事の移動中が辛かったです。でも、いざ仕事がはじまると、緊張もあってかつわりを忘れられたんですけどね。
――不妊治療をされていたことを公表されましたが、これまでの治療について教えてください。
白鳥さん:最初にクリニックに行ったのは、37歳の時です。タイミング法は自分たちでも行なっていて、それで妊娠できなかったので、クリニックの先生には人工授精からお願いしました。そんな中、コロナ禍になってしまって、私自身もコロナに感染してしまったりで、途中で4カ月ほど不妊治療をお休みしました。先の状況も見えず不安だったのですが、体調もよくなってきた頃に、先生に相談をして治療を続けることにしたんです。
結局、人工授精を4回行なっても妊娠することができなくて、ステップアップを決め、体外受精と顕微授精を並行して行うことにしました。私の場合、卵子がしっかり育って、数もたくさん採れたというのもあって。それで、ステップアップしてから比較的すぐに、顕微授精の方で1回目の妊娠をすることができました。コロナに感染して、少し治療をお休みしたのも、気持ちの面でよかったのかもしれないです。
二人目の不妊治療は、娘が1歳になったぐらいのタイミングではじめました。実は受精卵が残っていたので、今回は採卵をせずに治療ができたんです。そういった面では、一人目の時よりは少し楽に治療ができたのかなと思います。
――動画の中でお話しされていましたが、治療中に行う注射がとても大変だったそうですね。
白鳥さん:これは本当に大変でした。私たちの仕事は、いろいろな場所に移動してロケをすることが多いのですが、卵胞を育てるための注射の時間が1日のうちで何時と決まっていて、どうしても移動中とかぶってしまうんです。それで私はよく、新幹線のトイレの中で注射を打ったりしていましたね。あれがなかなかストレスでした。ただでさえ、おなかに注射を打つのには、「えいっ!」と気合いを入れないといけないので……。
あとは、受精卵を移植してからも膣剤を入れないといけないのですが、それも時間が決まっていたんです。治療によっては時間にかなり縛られるので、それを忘れないようにと、いつもピリピリしていましたね。
――お仕事と不妊治療の両立は大変でしたか?
白鳥さん:私の場合は、治療をはじめるタイミングで会社には伝えていて、それをきちんと理解してもらえたので、伝えてよかったなと思いましたね。治療で病院に行かなきゃいけない日には、仕事を入れないでほしいと伝えられたので。ただ、病院で検査を受けた後に、次の通院日が変わることもあったので、どうしてもスケジュールが合わないということも度々ありました。
せっかくのチャンスを、私の仕事で逃してしまうこともあったので、その時は少し落ち込みましたね。妊娠のチャンスって1カ月に1回しかないですし、私の場合はその度に「1カ月、また年を取っちゃった……」という年齢的な焦りもあって。年齢が年齢だったので、時間との戦いというところで、またストレスになっていたかもしれないです。
夫にすべてを話して理解してもらえたことと、 クリニックの先生の言葉に救われた治療の日々
――ご主人は治療に関して、どうおっしゃっていましたか?
白鳥さん:一人目の不妊治療の時は、夫は初めてでわからないことだらけだったので、それを教えるところからはじめました。生理のことから妊娠のこと、不妊治療のこと、男性にも要因があるケースもあることなど、とにかくすべて話しました。それで、「じゃあ、僕もクリニックに行こうかな」と言ってくれたんです。二人で行ったことで、クリニックの雰囲気も知ってもらえたし、先生からもいろいろな話をしてもらえたのはよかったですね。それと、不妊治療は男性ができることより、女性がしなくてはいけないことの方が圧倒的に多いとあらためて感じたので、それを夫にも理解してもらえたことで、その後の精神面での支えになりました。
実は人工授精で失敗が続いてしまった時に、私もさすがに落ち込んでしまい、ちょっとしたことに過敏に反応してしまった時期があったんです。夫に報告する時も、申し訳ないという気持ちでいっぱいになってしまって。そんな時に、夫は気楽に構えてくれたので、それはありがたかったですね。
――不妊治療中は、どなたかに相談しましたか?
白鳥さん:私のまわりには、女芸人さんで不妊治療をしている人がけっこういて、ちょっとしたコミュニティがあったんです。私が治療をはじめる時も、「ここのクリニック、いいよ」と紹介してもらえて。そのコミュニティがあったのは、精神的に大きかったですね。
治療中はコロナ禍だったので、直接友達に会う機会は減ってはいたんですけど、リモートでけっこうつながっていられたので、それで気が紛れました。“みんないろいろ大変なんだから、私も大変なのは当たり前!”と思うようにしましたね。
それから、私はクリニックの先生にも救われたんです。メンタルが落ちてしまって、「ダメかもしれないですよね」と私がポロッと言った時に、「言霊ってあるから。次は来る、次は来るって思っているところに、本当に来るんだよ」と話してくれて。先生との相性はすごくよかったと思います。
――高齢での妊娠・出産ということで気を付けていたこと、体調管理で心掛けていることなどはありますか?
白鳥さん:私、一人目の時に妊娠糖尿病になってしまったんです。高齢だと、糖尿病と高血圧で引っかかりやすいと言われていたのですが、実際になってしまって、あらためてリスクが高いんだと実感しました。高齢での妊娠になると、妊娠したから「やった!」じゃなくて、そこから気をつけなければいけないことは多いし、出産したら出産したで、今度は体力がキープできるのかが心配になります。
健康な赤ちゃんを生むためにも、食事面でもっと気をつけなくてはいけないとわかってはいるんですが、芸人の仕事をしていると、どうしても不規則になってしまうし、食事はロケ弁になってしまうしで、なかなか改善できないのが今の悩みですね。
――芸人さんという職業柄、産休や育休を取ることはできるのでしょうか。
白鳥さん:私は会社には所属していますが、フリーランス制で仕事をしているので、産休や育休は取りたければ取れるのですが、その分、ギャラがもらえないんです。休んでいる間は手当も何もないので、比較的みなさん、産後も2カ月か3カ月で早めに復帰しているようです。
私も一応、3カ月ぐらいお休みをしたら、復帰をしようと思っています。ただ、保育園など子どもの預け先も考えないといけないので、徐々にという感じになりそうですね。
取材・文/内田あり、たまひよONLINE編集部
●この記事は個人の体験を取材し、編集したものです。
●記事の内容は2023年8月の情報で、現在と異なる場合があります。
<プロフィール>
白鳥久美子さん
お笑い芸人。1981年生まれ、福島県出身。2008年、川村エミコとともにお笑いコンビ・たんぽぽを結成。2018年、芸人・チェリー吉武と結婚。